ブータン王国は過去1年間、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を含む暗号資産(仮想通貨)に数十億円規模で投資していた。暗号通貨レンディング企業のブロックファイ(BlockFi)およびセルシウス(Celsius)の破産申請書類により明らかとなった。この件について当社ジャーナリストが報告した。
ブータン王国の暗号資産ポートフォリオ
米経済誌「フォーブス(Forbes)」は15日、ブロックファイおよびセルシウスの破産申請書類から、ブータン政府が暗号通貨に投資していたと報じた。投資を行ったのは約3,900億円(29億ドル)のポートフォリオを持つブータンの政府系投資ファンド「DHI(Druk Holding&Investments)」であり、同ファンドは破産した両企業の顧客だった。
ブータン王国は、DHIによる暗号資産投資をこれまで一度も公にしていない。
破産したブロックファイの顧問弁護士は3月、DHIに書類を送付した。同書類によると、DHIは2022年2月時点、ブロックファイから米ドル連動型ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」約40億円分(3,000万ドル)の融資を受けていたが、返済を不履行とした。
ブロックファイはDHIが担保として預けていたビットコイン1,888枚を清算したが、まだ約1.1億円(82万ドル)の未払い残高があるため、その返済を求めるものだった。
DHIのウジュワル・ディープ・ダハルCEOはフォーブスに対し「ブロックファイとの問題は解決済みである」とメールで回答し、守秘義務があるとして具体的なコメントを避けている。
数カ月前には、DHIはセルシウスの機関投資部門の顧客であったことも明らかとなった。DHIは22年4月から6月にかけて大量のビットコイン、イーサリアム、テザーUSD(USDT)、その他暗号通貨を入金、引き出し、借り入れするなど取引していた。
DHIが暗号資産に数十億円規模の投資を行ったことは、奇妙な選択に思えるかもしれない。そもそもDHIはブータン国王の勅許により、国内ベンチャー企業を促進する目的で07年に設立された。DHI設立の勅許には、「DHIの目的は国富を保護し、慎重な投資を通じてその富を管理し、強化すること」と記されている。
なお、DHIの暗号資産投資に関する資金の出所は明らかとなっていない。
翻訳:BeInCrypto Japan
原文:Bhutan Bought Millions in Bitcoin and Other Cryptos
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