バイナンスUSは現地時間8日9時、合計10種類の暗号資産ペアを廃止する。内訳は、ビットコイン(BTC)ペアが8種類、バイナンスUSD(BUSD)ペアが2種類。当初、80種類を超えるテザーUSD(USDT)ペア廃止も決定していたが、撤回された。なお、取引ペアの廃止であり、銘柄の上場廃止ではない。
バイナンスUSは、最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスの米国部門。同社は5日、米国証券取引委員会(SEC)より証券取引法の疑いで提訴された。米SECによる規制強化の余波を受け、現在、暗号資産市場は激しい値動きを見せている。ユーザーは、慎重な投資判断が必要だ。
バイナンスUS、BTCとBUSDペアを10種類廃止|USDTペアは継続
当初の上場廃止速報には、80種類を超える大量のUSDTペアが含まれていた。しかし数時間後には撤回し、引き続き上場することを決定。プレスリリースには以下の追加コメントが記載された。
コミュニティからのフィードバックを受けて、当社ではUSDTペアの削除を撤回しました。USDTを含む、すべての暗号通貨ペアは、引き続き取引が可能です。以下、一部のビットコインおよびBUSDの取引ペアのみ、削除される予定です
バイナンスUSプレスリリース
上場廃止となる仮想通貨ペアは、最終的に以下の10種類となる。BTCペアが8種類、BUSDペアが2種類。
さらに同社は、OTC取引を一時停止した。「ユーザーの入出金は通常通り機能し続ける」とのこと。
OTC取引とは:
市場を通さず、証券会社の窓口カウンター越しに行われる取引となる「Over The Counter」が語源。暗号資産取引所におけるOTC取引とは、特定コインの大口取引を指す。
米SEC、多数の暗号通貨を未登録有価証券と主張
米SECは現在、多数の暗号通貨を「未登録の有価証券である」と主張。このリストにはBUSD、バイナンスコイン(BNB)、ソラナ(SOL)、カルダノコイン(ADA)、ポリゴン(MATIC)をはじめ大量の銘柄が含まれる。現在、これらの暗号通貨は法律上、有価証券として分類されていない。
バイナンスのチャンポン・ジャオCEO(CZ)は7日、米国の裁判所から召喚状を受けた。21日以内に回答しなければならないが、同氏は米国市民ではないため、本人が出頭する義務はない。米SECはバイナンスおよびCZ氏を一連の違反行為で非難しており、今週初めにはバイナンスUSの資産凍結を要請した。
バイナンスコイン(BNB)価格動向|米SECによる提訴も好調
米SECによるバイナンスUSの提訴は、バイナンスコインにも大きな影響を与えた。提訴された6日以降、下落幅は16%を超え、本稿執筆時点の取引価格は257ドル。2021年5月のピーク価格(686ドル)と比較して62.5%減だが、全面安が続く現在の市場では、好パフォーマンスの部類に入る。

翻訳:BeInCrypto Japan
原文:Binance.US to Delist 10 Trading Pairs and Pause OTC Trading
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