国際決済銀行(BIS)は4日、欧州の複数中央銀行と協力し、暗号資産(仮想通貨)市場と分散型金融(DeFi)のマクロ経済情報を調査するデータ抽出システム「プロジェクト・アトラス」の開発レポートを公開した。
アトラスプロジェクトでは、ブロックチェーンのオンチェーンデータと仮想通貨取引所からのオフチェーンデータを統合し、中央銀行向けに新たなカスタマイズされた統計情報を提供する。初期段階では暗号資産の国際的な流れに焦点を合わせている。BISによれば、暗号資産業界には多くのデータが存在するものの、これらのデータは様々なプロトコル、市場参加者、そして地域にまたがって分散している。ウォレットの設定は匿名で可能であり、所有者は位置情報を明示することなく設定できることなどから、データの正確さは完全には保証されていないという。
初期のパイロットテストの結果では、全体のオンチェーンネットワークトラフィックに比べて比較的小さいものの、暗号資産取引所間で特定された資産の流れは経済的に重要かつ、大規模であることが明らかになっている。プロジェクトの報告書によれば初回のテストでは、ビットコインネットワーク内での暗号資産取引所間の取引とその交換所の位置を利用し、資本流動の代理として使用しているという。これらの取引データは、仮想通貨取引所に関連付けられ、それらが可能な限り地理的にマッピングされている。結果として得られた国間の流れは、ユーザーがアクセスしやすい形で可視化されている。
オラフ・スレイペン蘭中央銀行理事会メンバーは「プロジェクトアトラスは、今後数年にわたり中央銀行コミュニティにとって貴重なツールとなる可能性がある」と語った。
BISは、中央銀行や金融規制当局は暗号資産とDeFi市場についての知識を得る必要があり、政策立案者らは意思決定を行うために、集計指標に供給される基礎データを理解する必要があると強調している。アトラスでは今後、イーサリアムのノードやDeFiプロトコルからのデータの抽出と分析も計画されている。
BISは9月29日、フィンテックにおける人工知能とデジタルアセットに関するニューヨーク連邦準備銀行会議で、現実資産(RWA)のトークン化などを含む新興テクノロジーに関する重要性を認識しているとの見解を示していた。
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