DeFi（分散型金融）分析プラットフォームDeFiLlamaによると、暗号資産（仮想通貨）バイナンスコイン（BNB）が220ドルを下回った場合、2億ドル（約280億円）の清算が発生する。これは、DeFi市場における過去最大規模の精算額となる。清算が発生した場合、BNB価格およびバイナンスのレイヤー1ブロックチェーンBSC（BNBチェーン）への悪影響が懸念される。なお、バイナンスコインは、最大手暗号資産取引所バイナンスが発行する時価総額第4位のアルトコイン。
DeFiLlamaによると、バイナンスコインは218.454ドルを下回った時点で、レンディングサービスを提供する分散型取引所Venusにて92万5000BNB（約2億360万ドル）が清算される。このポジションは、2022年10月にBNBクロスチェーンブリッジの脆弱性を攻撃して不正流出した200万BNBのうち、ハッカーがVenusに担保として預けたものとみられる。Venus公式ツイッターでは、バイナンスコインが精算価格に達した場合、BSCのコアチームが引き継ぐため市場に影響は出ない、と説明している。
米国証券取引委員会（SEC）は5日、バイナンスおよびコインベースを提訴。その後、バイナンスコインを含む多数のアルトコインが「未登録の有価証券」と指定した。この影響で市場の全面安が進み、バイナンスコインは直近1週間で25％下落。本稿執筆時点で取引価格は225ドル台となっている。
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