ARK Investと21sharesが提案したビットコイン現物上場投資信託(ETF)の最終承認期限の10日まで1日を切った。ビットコインETF申請各社のS-1申請の修正が9日に相次ぎ、非常に安価な手数料が示された。ビットコイン価格は同日、22年4月ぶりとなる4万7000ドル台に一時急騰した。コイングラスによれば過去12時間で1.28億ドルのショートポジションが清算された。
ARK Invest、ブラックロック、VanEckはいずれも手数料を0.4%未満に設定。ブラックロックは最初の12ヶ月間の手数料の一部を免除している。ARK Investは顧客のビットコイン保有量に対して0.25%、グレイスケールは2%から1.5%、ブラックロックは0.3%の手数料を徴収。BitwiseとVanEckは、それぞれ0.24%と0.25%という低い長期年間手数料を提案している。
これらのETFの手数料を踏まえ、市場ではさまざまな声が飛び交った。カストディアン銀行ケイトリン・ロングCEOは、手数料がコストを下回る場合、資産運用会社がどのように収益を上げているかと疑問視。手数料無料のファンドでは、通常は証券貸付という、投資家にとって隠れたリスクをもたらす可能性があると指摘した。
暗号資産インフルエンサーのジョン・ブラウン氏は、ETFには取引実行コストや保管コストがかかり、それによって利益が削減されると主張。「コインベースの小売取引手数料よりも安価だ」とした。
最終判断決定判断まで関係者は慎重
ブルームバーグのアナリスト、ジェームズ・セイファート氏によると、S-1書類の手数料に関する追加のコメントは異例ではなく、これにより9日(現地時間)、さらなる修正が予想されるが、遅延の兆候ではないとのこと。シニアETFアナリストのエリック・バルチュナス氏は、クレイスケールの$GBTCが今約5億ドルの取引を行われていることから他社より優位性が見られるとした。一方で1.5%の手数料が抑止力になる可能性があるとも指摘した。
米フォックス・ビジネスのエリノア・テレット記者は、SECの5人委員会が現物ビットコインETFの承認を遅らせる可能性があると報じた。ETFに関する正式な委員会投票は現在予定されていないが、委員会の各メンバーは個人の判断に基づき、全委員会の審査と投票を要求する権利を持つ。同氏は「直近、追加のコメントを受け取った数名の関係者と話をしたところ、同氏らは心配しておらず、SECから計画変更の通知は受けていないとのことだ」と付け加えた。
ジェイ・クレイトン元SEC委員長は8日、米CNBCに対し、「ETF承認は避けられない。もはや決定すべきことは何も残っていない。これはビットコインだけでなく、一般的に金融にとっても大きなステップだ」と強気の見解を示した。
一方でBitwiseとVettaFiの調査結果によると、ファイナンシャルアドバイザーの61%が今年ビットコインETFが承認されるとは見込んでいない。調査では、アドバイザーの88%が昨年暗号資産に関する問い合わせを受けたと回答し、顧客の暗号資産への関心が根強いことが明らかになった。
英スタンダードチャータード銀行、「ビットコイン価格は25年に20万ドルに達する」
英スタンダードチャータード銀行の金融研究部門トップ、ジェフリー・ケンドリック氏は8日、25年末までにビットコイン価格が20万ドルに達するとの予測を明らかにした。この見通しは、ETF関連の資金流入が予想通りに進展すれば実現可能とのこと。同氏は、24年末までに10万ドル到達を予測していた。
スタンダードチャータード銀行によると、ビットコイン現物ETFは24年に500億~1000億ドルの資金流入を見込む。ケンドリック氏によると、ビットコインETFへの資金流入は保守的な見積もりで340億ドル、楽観的な見積もりでは最大1300億ドルに達する可能性がある。同行は、2004年に導入された金ETF、SPDRゴールドシェア(GLD)との比較を引用し、GLDが投資家の金市場アクセスを変革した例を示している。現在、GLDは世界最大の物理的裏付けを持つ金ETFである。
一方で業界の重鎮として知られるビットメックスのアーサー・ヘイズ元CEOは5日に更新したブログで、「ETFに将来的に何百億ドルもの資金流入するとの期待がビットコインを6万ドル以上に押し上げ、21年の最高値7万ドルに近づけた場合、ドル流動性の急激な引き上げにより30%から40%の調整が起こり得る」と予見していた。
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