住友商事・英通信関連会社ボーダーフォンデジタルアセットブローカー(DAB)・InnoWaveは24日、チェーンリンク(LINK)のクロスチェーンプロトコル(CCIP)を活用した概念実証を完了させた。貿易事業で32兆ドル規模の課題となっている貿易文書のシームレスな転送と金融取引の改善が目的。同実証ではブロックチェーンを貿易に利用ができると実証された。
実証では複数のブロックチェーン間でデジタル文書をシームレスに転送するデモンストレーションが行われた。CCIPを活用しネットワーク上のIoTデバイス間でのセキュリティと相互運用性を提供した。同実証を踏まえて、ブロックチェーンネットワーク・IoTネットワーク間でデータとトークンを迅速・安全に交換するためのシングルインターフェースが提供される可能性がある。
- IoT(Internet of Things)とは、インターネットに接続され、データを収集・交換する様々なデバイスを指す。モノのインターネットともいう
CCIPプロトコルでは、チェーンリンクのオラクルネットワークを利用し、クロスチェーン通信を実現。オラクルネットワークでは、メッセージ、トランザクションのリスク管理などを行う。CCIPではトークンの転送機能も提供している。CCIPでは、Active Risk Management(ARM)も導入。ARMは悪意のあるクロスチェーンの活動を検出し、自動的なサービス一時停止によりユーザーの資金を保護する。
DAB最高製品責任者デイビット・パルマー氏は「IoTとブロックチェーンの統合は、IoTデバイスの新しい収益化の機会を提供する可能性がある。30年までに30億のIoTデバイスが経済の中で取引されると予測されている。DABとチェーンリンクの間での合意と検証データを確保することが、成長を促進するために重要だ」と語った。
DABは同日、チェーンリンクのネットワークにノードオペレーターとしての参加も発表している。ボーダフォンは20年11月に住友商事と提携。両社は新たな事業体「DABCO Limited」を設立し、株式は住友が20%・ボーダフォンが80%を保有する。
チェーンリンクはブロックチェーンネットワーク間で安全なデータ転送を可能にする分散型オラクルネットワーク。外部のデータフィード、API、他のリアルタイム情報源をブロックチェーンネットワークに統合することで、スマートコントラクトの活用範囲を広げる。LINKは過去7日間で50%を超える上昇を見せている。暗号資産データリサーチ会社ナンセンが25日に報告したデータによれば、破産した暗号資産取引所のFTX・アラメダリサーチのウォレットから220万ドル分のLINKが取引所に転送された。
トークン化事業でも期待のチェーンリンク
暗号資産市場分析会社K33 Researchの11日レポートによれば、LINKへの投資は現物資産(RWA・リアルワールドアセット)のトークン化事業の最も安全な投資の選択肢となると指摘していた。チェーンリンクはCCIPを活用しANZ銀やSWIFTなどの大手金融機関とも協業しRWAのトークン化事業を行っている。世界最大手資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンクCEOは「私は、市場・証券の次の潮流はトークン化になると信じている」と述べ、トークン化への強気な姿勢を示した。
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