暗号通貨(仮想通貨)市場は29日、グレースケールと米国証券取引委員会との訴訟の判決を受け急騰した。ビットコイン(BTC)は本稿執筆時で前日比5.4%増の2万7000ドル付近を推移しており、そのほかの暗号通貨銘柄も一部急騰を見せた。

仮想通貨大手ファンドグレイスケールは、店頭取引(OTC)されているグレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)をビットコインの上場投資信託(ETF)に変更するために申請。SECは22年6月29日、GBTCをビットコイン現物ETFに変更する申請を「詐欺や操縦行為を防ぐように設計されていない」として却下していた。判決では、グレースケールが既にSEC承認済みのビットコイン先物ETFと同等の商品であるとの「十分な証拠」を出しているとし、SECの決定は一貫性を欠いていると指摘した。
GBTCの価格乖離は今回のニュースを受けて-25%から-17%まで縮小。2022年12月時点FTXの破綻などを受け、GBTCは一時-50%の乖離をつけていた。
グレースケールのマイケル・ソネンシャインCEOはX(旧Twitter)で、法律チームが裁判所の意見を「積極的に検討中」と語った。SECは同判決から45日間、大法廷審理を求めることが可能で、45日後に最終命令を決めるという。
市場では、過去24時間で8700万ドルのショートポジションが清算。約7600万ドルが同報道後の1時間以内に清算されたとコイングラスのデータで明らかにされた。今回の判決を受け、アルトコインらも急騰。コインマーケットキャップによれば、ビットコインキャッシュ(BCH)は15.9%、XDCネットワーク(XDC)は11.8%、サイバーコネクト(CYBER)、は83%の上昇を見せた。
ビットコインETFに注目が集まる理由とは?
米ブルームバーグが5月15日、金融大手ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)ETF部門のグローバルヘッドを務めるショーン・マクニンチ氏へ行ったインタビューによれば、ビットコインETFは今後10年で30兆ドル規模の巨大市場に成長する可能性があるという。クリプト・クアントリサーチ部長ジュリオ・モネロ氏はブラックロックなど大手投資ファンドのビットコイン投資により、ビットコイン価格が上昇する可能性があると指摘。同社キ・ヨンジュCEOはゴールドのETFのマーケット規模の変化を引き合いに、ビットコインETF承認後のビットコインマーケット規模の拡大を示唆していた。なお、日本ではビットコインETF等の仮想通貨投資信託商品は取り扱っておらず、購入はできない。
SECはこれまでArk InvestのビットコインETF商品の結果の公表を繰り返し延期してきた。最近の報道では、SECがその期限を2024年1月まで延長する可能性があることが示唆されている。同社キャシー・ウッドCEOは8日、ブルームバーグの取材に対し、「現物型ビットコインETF(上場投資信託)を承認する場合、複数の申請が同時に承認されるだろう」との見方を示していた。なお、直近の審判期限は、ビットワイズのビットコインETFの審判期限が9月1日、ブラックロックが同月2日となっている。
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