ビットコイン現物上場投資信託(ETF)の承認期限が迫るにつれ、暗号資産(仮想通貨)市場が活況を呈している。米国証券取引委員会(SEC)ゲイリー・ゲンスラー委員長は9日、暗号資産への投資に関して警告を発した。このほかにも業界の重鎮らが盛り上がりを見せる市場での適切な対応を呼びかけている。
A thread 🧵
— Gary Gensler (@GaryGensler) January 8, 2024
Some things to keep in mind if you're considering investing in crypto assets:
同氏は、仮想通貨投資・サービス提供者が連邦証券法を含む適用法律に従っていない可能性があること、投資家が重要な情報や保護を失うリスクがあることを指摘している。また、仮想通貨資産への投資は非常にリスクが高く、ボラティリティが激しいこと、主要なプラットフォームや資産の多くが破綻または価値を失っていることを強調。さらに、仮想通貨の人気を利用した詐欺、、ポンジ・ピラミッドスキーム、投資家の資金を持ち逃げする詐欺が存在すると警告している。ゲンスラー委員長は、これまでも仮想通貨投資のリスクと法的課題への注意喚起を促してきており、仮想通貨推進派の意見と対立しててきた。
SponsoredSECは6日、加熱する暗号資産市場を受けFOMOに関するレポートをXに掲載。投資者教育および擁護事務局のローリー・ショック局長は、投資機会に関する意思決定における「FOMO」(見逃し恐怖症)への抵抗の重要性を強調した。同氏は、トレンドや影響力のある人物による暗号通貨プロジェクトやミームコイン、NFTなどのオンライン投資への関心が高まっている現状を指摘し、「FOMOにNO」というフレーズを提唱した。これらの投資は一時的に魅力的に見えるかもしれないが、新鮮味がなくなると投資家の関心が移ることもあり、投資が大きく下落する可能性があるとした。
ショック局長は、市場の変動に対処する最善の方法として、株式、債券、現金など様々な資産を組み入れた投資ポートフォリオの作成を推奨。資産クラス内での多様化、つまり1つまたは2つの株式に全ての資金を投入するのではなく、異なる産業部門に分散投資することが重要であるとした。
業界重鎮らが上昇相場を見据えて投資アドバイスを展開
イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は7日、インフルエンサーアレックス氏のビル・ゲイツ氏のポートフォリオ多様化に関するコメントに対し反論した。アレックス氏は、ゲイツ氏がウォーレン・バフェット氏と友人になった後、ポートフォリオを多様化し、マイクロソフト株を売却しなければ、ゲイツ氏の資産が現在の1380億ドルではなく、1.33兆ドルになっていたかもしれないと指摘。ヴィタリック氏はこの見解に反論し、多様化は良い戦略であり、貯蓄の重要性、ポートフォリオの大部分を安全に管理すること、2倍を超えるレバレッジの使用を避けることを勧めている。同氏は、資産運用における安全性と自由の重要性を強調し、投資戦略において実用的かつ保守的なアプローチを支持した。クリプトクアントのキ・ヨン・ジュ氏は、多くのレバレッジを用いた投資で成功を収めた例を見たことがないと述べ、ヴィタリック氏の意見を支持した。
暗号資産リサーチ会社メサーリのライアン・セルキスCEOは、ビットコイン(BTC)に関する投資戦略を提案している。同氏は、投資家にビットコインを数ヶ月間保有し続けるよう助言し、市場価値対実現価値比率(MVRV)が2から3に達した時に利益を確定することを推奨している。同氏はさらに、得た利益の半分を税金用に確保し、残りをリスクを伴う投資に使用することを提案している。このリスク投資は、短期的な市場の動きに敏感に反応して行う投資戦略である。セルキス氏24年第1四半期には、ビットコインの長期保有と投資戦略の見直しに焦点を当てることが重要だと指摘した。
Bitcoin Market Cap hits 0.618 Fibonacci Retracement level as BTC ETF decision nears.
— Blockchain Backer (@BCBacker) January 8, 2024
We said for two years we'd get here. Thousands screamed it'd never happen.
Now, they FOMO in. pic.twitter.com/H5ZHknZHHb
暗号資産YotuberのBlockchain Backer氏はビットコインの市場価値が0.618フィボナッチ・リトレースメントレベルに到達しており、ETF承認が期待されることから現在は多くの投資家がFOMOに動かされていると述べた。業界の重鎮として知られるビットメックスのアーサー・ヘイズ元CEOは5日、更新したブログで「3月初旬までに達した水準からビットコインは20%から30%の健全な調整を経験すると予想している」としていた。