暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の重要なアップグレード「Dencun」が日本時間13日23時、エポック「269568」で無事起動し、実装された。同アップグレードにより、EIP-4844(プロトダンクシャーディング)が導入され、レイヤー2(L2)の上でのガス代が最大で1/10まで低減される見込みとなった。
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Dencun実装後は、BaseやStarknetを含む多くのL2での手数料が大幅に下がったことが報告されている。Starknetでは手数料が2ドルから0.01-0.04ドルに、Baseでは0.31ドルから0.0005ドルにそれぞれ下がった。このほかにもOptimismの平均トランザクション手数料は0.05ドル、Arbitrumの平均トランザクション手数料は0.5ドル、zkSync Eraの平均トランザクション手数料は0.161ドルに低下した。
Dencunアップグレードは、「上海」に続くイーサリアムの大型アップデート。EIP-4844以外にも、Dencunでは8つのコード更新が行われ、その中には「enshrined oracle」を導入するEIP-4788や「transient storage」に焦点を当てたEIP-1153が含まれる。これらの改善により、Ethereumの2つの基本層間の通信が向上し、UniswapV4の立ち上げが可能になるなど、Ethereumの機能性が大きく向上している。
レイヤー2ネットワークがそれぞれ対応へ
Dencunによるブロブ / BLOB(Binary Large Object)の導入は、L2トランザクションコストの削減に直接寄与する。これにより、Ethereumネットワーク上でのデータの効率性が改善され、高いネットワーク混雑時でもL2のトランザクションコストを低く保つことが可能となる。また、ArbitrumやOptimismなどの主要なL2は、Dencunアップグレードを受けて自らのブロックチェーンを更新する予定だ。Arbitrumは14日の「ArbOS Atlas」アップグレード後にDencunと同期する。一方で、新たなL2である「Blast」では、Dencunに関連する問題が発生し、ブロック生成が一時的に停止する事態が報告された。
Dencunはイーサリアムの将来計画において重要な段階である「Surge」フェーズの始まりとして位置付けられており、最終的な目標は秒間10万トランザクションを達成することである。Dencunアップグレードは、イーサリアムを「ワールドコンピュータ」としての基盤を提供し、新たな金融アプリケーションやソーシャルネットワークなどの開発を可能にすることを目指すイーサリアムの長期的な目標に向けた重要な一歩と言える。
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