マイクロソフト、ゴールドマンサックス、デロイトなどの複数大手企業らは9日、プライバシー対応かつ相互運用可能なブロックチェーンネットワーク、Canton Network(カントンネットワーク)を共同で立ち上げる計画を発表した。
カントンネットワークは、スマートコントラクトプログラミング言語「Daml」で構築された、独立したアプリケーションを接続する分散型インフラを提供する。これにより、サイロ化した金融市場のシステムが、高度に規制された業界で必要なガバナンス、プライバシーなどを備えて相互運用が可能となる。カントンネットワークは、金融機関が資産、データ、現金がアプリケーション間で自由に同期できる、より安全なエコシステムを目指す。
- サイロ化:情報やリソースが特定の部門や組織内で閉じ込められ、他の部門や組織と共有されない状態
- 資産登録簿:ある組織や個人が所有する資産を一覧にしたもの
- アトミックトランザクション:全てか無し(all-or-nothing)の性質を持つトランザクションを指す。これは、トランザクションの一部だけが完了することはなく、全ての操作が成功するか、あるいは一つでも失敗があれば全てがロールバック(元に戻す)されるという性質を持つ
資産登録簿や現金支払いなどのシステムは現在、サイロ化したシステムだ。しかし、カントンネットワークを使用することで、デジタルボンドとデジタル決済を2つの別々のアプリケーションに分けて1つのトランザクションに構成でき、運用リスクのない同時取引を保証され可能となる。例えば、同ネットワークは、プライバシーと許可を維持しながら、ドイツ証券取引所グループのD7ポストトレードプラットフォームやゴールドマンサックスのGS DAPなどに接続が可能となる。
さらに、カントンネットワークではパブリックブロックチェーンの利点を取り込みつつ、既存のスマートコントラクトブロックチェーンネットワークの欠点を克服。ネットワークの分散化と、安全で健全な規制環境内で運営するために必要なプライバシーと制御との間で、ユニークなバランスを達成している。
カントンネットワーク参加者は、2023年7月からさまざまなアプリケーションとユースケースにわたる相互運用性の機能テストを開始する予定だという。
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