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ジンバブエ準備銀行、金連動型デジタル通貨を発行開始

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ヘッドライン

  • ジンバブエ準備銀行は、金(ゴールド)に連動したデジタル通貨を発行開始
  • 金連動型デジタル通貨は、継続的な価値下落が続くジンバブエ・ドルを安定させることが目的
  • 金連動型デジタル通貨の導入により、投資家は保管がネックだった貴金属のアセットクラスへ参入可能
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ジンバブエ準備銀行(RBZ)は金(ゴールド)を裏付けとするデジタル通貨の発行を開始すると、全国紙「ザ・サンデー・メール」が23日に報じた。RBZは、ジンバブエの中央銀行に相当する。

金連動型デジタル通貨はインフレ・ヘッジの手段

ジンバブエの金(ゴールド)連動型デジタル通貨は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に用いる技術的を部分的に使用していると考えられるが、両者は別物である。

ジンバブエは2008年、ハイパーインフレに見舞われて以来、インフレ抑制に苦心してきた。直近1年間でインフレ率(年間)が90%を下回ることはほぼなく、19年より法定通貨として再導入されたジンバブエ・ドルは継続的な価値下落が続いている。

ジンバブエ国民は、変動する為替レートをヘッジする方法として、ジンバブエ・ドルを金連動型デジタル通貨に交換することが可能となる。なお、裏付け資産となる地金(インゴット)は発行元のRBZが保管する。

RBZのジョン・マングディア総裁は同紙に対し、「RBZが物理的な金貨発行も検討している」と語った。インフレ抑制のため、ゴールドの裏付け資産を利用してジンバブエ・ドルの流通を停止させる。RBZはゴールドをデジタルトークンおよび金貨の形で発行する予定。

さらにマングディア総裁は「外貨の需要は、ジンバブエへの商品やサービスの輸入よりも、価値を保持する手段としての役割によって支えられている」とコメントを残している。

金に裏付けられた暗号通貨

物理的な金(ゴールド)をトークン化する試みは、これまでに何度も行われてきた。

RBZは、ゴールド・コイン(GLC)や金融向けブロックチェーン企業「アルゴランド(Algorand)」が発行するメルド・ゴールド(MCAU)のような、既存する金連動型の暗号通貨プロジェクトを参照できるだろう。これらのトークンは、人々が金というアセットクラスに直接投資する代わりの手段となる。

アセットクラスとは:
同じようなリターン(値動き)やリスク特性を持つ投資対象の資産分類のこと。株式、債券、不動産、貴金属、現預金などがアセットクラスとされている。

金連動型デジタル通貨においてブロックチェーン企業は、貴金属の取引や保管の専門家と提携する場合が多い。例えば、スペインを代表する貴金属企業のSEMPSA JPは、貴金属に連動したトークンを発行する分散型取引所「オーラス(Aurus)」と提携している。同提携によって、金銀に連動したデジタル通貨は地金商にも提供されている。

金連動型デジタル通貨においては、保管の手間を専門家に委任することで、ユーザーは購入時に購入時に現物の地金を処理する必要がない。このため、より手軽に貴金属のアセットクラスへ参入することが可能となる。

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Shunsuke Saito
青森県出身。2021年に暗号資産(仮想通貨)投資を開始後、22年よりライターとして従事。国内暗号資産メディアにてライター・編集を経て、23年3月、BeInCrypto(ビーインクリプト)にジャーナリストとして参画。ビットコイン、NFT、PoSノード、DeFiなどへの投資経験を持つ。
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