日立製作所、JPX総研、野村證券、BOOSTRYの4社は17日、IoTやブロックチェーン基盤などのデジタル技術を用いた「グリーン・デジタル・トラック・ボンド(デジタル環境債)」の発行に向けての協業を発表した。発行条件については決定次第、発表される。

日立は、デジタル技術を駆使して透明性とデータ収集の効率化を図るデジタル環境債の発行を推進。国内で2例目。日立とJPX総研が開発したグリーン・トラッキング・ハブと、BOOSTRYが提供するブロックチェーン基盤を活用した社債型セキュリティ・トークン(公募STO・デジタル証券)のスキームを用いる。策定されたスキームは、今後も使用され、デジタル環境債の更なる発行を促進し、カーボンニュートラル実現に寄与する。同社は22年6月、日本取引所グループ初となるデジタル証券(セキュリティートークン)を野村證券などとともに発行している。
- グリーン・トラッキング・ハブは、省エネ建物のエネルギー消費とCO2削減を自動で計測し、リアルタイムでデータを公開するシステム。投資家はいつでも情報が確認で、カーボンクレジット発行やカーボンオフセット支援の自動化への応用も予定されている。
- IoT(Internet of Things)とは、インターネットに接続され、データを収集・交換する様々なデバイスを指す。モノのインターネットともいう。
日立は同債券を通じて調達した資金を、カーボンニュートラルを達成した中央研究所「協創棟」の建設費用および改修費用のリファイナンスに充当する。同デジタル債は、デジタル環境債では、ESG債市場におけるプロジェクトの環境・社会への効果を測定し、比較可能な指標として使用できる。
野村證券はデジタル環境債のスキームを組成し、デジタル技術を用いたインパクト・レポーティングや投資家への販売、必要書面などに関する助言などを通じ発行支援を行う。BOOSTRY主導のコンソーシアム型ブロックチェーンネットワーク「ibet for Fin」を用いることで、発行体は社債権者の継続的な把握が可能となる。
ブロックチェーン事業に前向きな日立・野村
日立はこれまでも積極的にブロックチェーン事業の展開を試みており、20年10月には企業間取引の実現を支援する「ブロックチェーンシステム開発支援サービス」の提供を開始。22年12月には、ニッセイ情報テクノロジーとともに顧客主権型データ連携システムの共同検証を行なっていた。同社は11月より、J-クレジットの認証・発行といったプロセスのデジタル化に向けて、ブロックチェーンを活用した実証実験を開始。10月には、三菱UFJ信託銀行(MUFJ)・NTTデータ・富士通などを含む8社とともにブロックチェーンを活用した個人認証システムのスキームの構築に向け協議会を立ち上げていた。
野村ホールディングスが出資するKomainuは1日、国内初のB2Bカストディ事業者であるCrypto Garageとの協業を開始。Komainuは、野村HD、CoinShares、Ledgerが共同で立ち上げた企業。野村HDのベンチャーキャピタル子会社レーザー・デジタルは10月、新たに「Laser Digital Japan」を設立。同社は9月には、機関投資家向けのビットコインファンド(BTC)「Bitcoin Adoption Fund」を立ち上げていた。野村は日本最大の暗号資産コミュニティKudasaiJPと共にWeb3学習アプリのコンテンツ強化も行っている。
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