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HSBCが香港金融管理局サンドボックスで預金トークン化を検証

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ヘッドライン

  • HSBCがトークン化された預金の発行、送金、換金などの実証実験を行った
  • サンドボックス内において預金トークン化が検証されたもよう
  • 日本の銀行大手や日本銀行などではRWAのトークン化実験で後れを取っている
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銀行大手HSBC(香港上海銀行)は2日、ブロックチェーン特許取得数で世界最大級の金融業アントグループ(中国)と共同で、トークン化された預金の発行、送金、換金などの実証実験を行った。香港金融管理局(HKMA)が手配したサンドボックスにおいて、預金トークン化の可能性を検証した。

テストは、アントグループのパートナー銀行に対応しているブロックチェーン・プラットフォームに接続された。アントグループは決済アプリAliPayの親会社で、ジャック・マー氏が設立した中国の大手金融関連企業。

アントグループのパートナー企業が関与したことで、資金移動のためターンアラウンド時間、コスト効率、可視性が向上したことを確認したという。

預金トークン化で遅れをとる日本

一方、日本国内では民間銀行大手での預金トークン化は国際的に遅れをとっている。既報のとおり、金融庁は10月30日、RWA(現実資産)トークン化のパイロット実験するためのグループを発足させたばかり。

民間銀行ではデジタル証券などの商品はあるものの、民間の大手銀行が預金をトークン化し発行、送金、換金するといった実験を公式に発表するというところには至っていない状況だ。これにはセキュリティートークンが、現行の金融商品取引法(金商法)で規制され「電子記録移転有価証券表示権利等として取り扱われていることが大きな要因と言える。

HSBCのような世界最大級規模の大手銀行による、こうした実験は日本の金融業界にも大きなインパクトを与えると言える。

CBDCプロジェクトでも加速する中国

HSBCは、銀行間の国際金融取引に係る事務処理を自動化するSWIFTを利用した、中央銀行デジタル通貨(CBDC)のプロジェクト「mBridge」などにも積極的に参加している。

mBridgeは世界最大のCBDCパイロットプロジェクトで、中国、タイ、UAE、香港が参加している国際CBDCプロジェクト。中国政府はデジタル人民元の採用を促進するべく、国際企業や商業銀行との取引を加速させる意向。

一方、日本銀行は2023年4月、パイロット実験を進める方針を示したが、その後の成果についての発表はなく、国際的な進捗状況からは後れをとっている状況といえよう。

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Shigeki Mori
大阪府出身。日本では雑誌編集者、読売テレビ広報記者、豪州では日系メディア編集・記者などを経てフリーに。日本とオーストラリアで20年以上、ジャーナリスト、編集者、翻訳者、ウェブプロデューサーとして活動してきた。近年は暗号資産関連の記事の執筆や翻訳、コンテンツ・マネジメントを行っている。
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