日本暗号資産ビジネス協会(JBCA)は26日、IEO制度の健全化に向けた自主規制改革の方向性の初期案を公表した。IEO制度はICO・IEO部会が中心となり作成し、日本暗号資産取引業協会に提出していた。
国内でのIEOは現時点で4例実施されており、販売総額合計は44億円を超える。一方で、4例のうちで3例が公募割れを経験している。これらを受け、業界関係者はIEO市場の健全な発展のため、自主規制の検討を進めている。関係者間では主に、価格の安定、審査プロセスの改善、そして全体の自主規制の改善が議論された。規制案を造るにあたり、JBCAは以下3つの着眼点に注目し議論を行ったとしている。
- IEOとは、Initial Exchange Offering(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)の略で、仮想通貨の新しいトークンを発行する際に取引所が主導する調達手法のこと。IEOは、暗号資産交換所が審査(一般社団法人日本暗号資産取引業協会および金融当局による審査を含む)を行ったうえで販売し、仮想通貨の新しいトークンを発行することによって資金調達を行う。
- IEO実施直後の安定した価格の形成
- IEO審査プロセスの改善
- IEOに関する自主規制規則全体の改善
提案では、関係者のロックアップ制度構築、流動性の確保、公募価格の多様化、及び安定操作の整備が挙がった。初期案によれば価格算定では、QTM法・ダイナミックプライシング等、プロジェクトに合致する多様な計算手法の選択が可能となる。流動性については、マーケットメーカーとシンジケート団の導入が検討され、安定操作では関連機関と協力して、法的枠組み内での取引要件を定め、自主規制規則の制定を目指す。IEOプロジェクト関係者には、最低3カ月間のロックアップが原則として適用され、必要に応じて例外も許容される。
アジェンダでは、IEO審査プロセスと自主規制規則の全面的改善が今後検討するアジェンダとして以下の内容が挙げられた。発行体に対する基準の統一、引受企業のプロジェクトのレベルの統一化、適格性保証、取引所毎の審査基準の統一と透明性の確保が議論され、IEO発行体のメリット増加と定期開示の負担軽減も考慮されている。トークンの特性を考慮したルール整備が進行中で、グリーンリスト対象となる可能性のあるIEO銘柄には、通常以上の厳格な審査が施される。海外IEOにおける規制回避の制約も話し合われ、公平性とユーザー保護の重視が検討されている。
JBCAは日本のIEO制度の価格の安定操作や売却制限が整備されることは、海外取引所を利用するよりも安心してユーザーが日本の規制下で自己資産の管理を促進するため、利用者保護に繋がるとしている。
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