ブルームバーグが8日に報じたところによれば、大手米銀JPモルガンチェースは越境決済の迅速化を目的にブロックチェーン基盤のデジタル預金トークンを開発しているという。同行は新しい決済方法での運営に必要な基盤の開発はほぼ終了しており、米規制当局の許可が下りるまでトークンの生成は見送るという。許可が出れば、1年足らずで法人顧客向けにこのサービスをローンチする可能性がある。
開発されている預金トークンは商業銀行に対する預金債権を表す譲渡可能なデジタルトークン。これは基本的に顧客の預金をデジタル化したもので、ブロックチェーン技術を利用して瞬時に決済が可能。この新システムの導入により、取引コストの削減も見込まれる。同行は昨年、シンガポール通貨庁(MAS)のプロジェクトの一環として、1回の取引で預金トークンを試験的に発行していた。加えて6月には、19年に発表したブロックチェーン基盤のの独自デジタル通貨「JPMコイン」で、企業顧客向けのユーロ建て取引を開始していた。一部の法人客は行内のさまざまな口座からドルやユーロを移動できる。
同行の広報担当者は「預金トークンは多くの利点があるため、規制当局の厳格な審査を通過次第、同行のブロックチェーン基盤が迅速に導入をサポートできる。と語った。預金トークンはJPモーガンのJPMコインと異なり、他行への送金や、トークン化された証券(デジタル証券)、ブロックチェーン上で発行された金融商品の取引決済にも適しているという。インフラ面ではJPMコインと同様に、同行の既存のコンプライアンスシステムに接続され、取引について顧客の把握や不正防止など必要なチェックを経て、規制当局への報告の一部となるとしている。
同行は過去にも投資家向けの書簡で暗号資産を「不動産に代わる資産」と評するなど暗号資産に積極的な姿勢を見せている。さらに同行はAIも積極的に活用しており、4月には邦準備制度理事会(FRB)の声明や演説から株式市場を予測するAIツールを開発していた。日本の大手銀行もブロックチェーンへの参入へ積極的だ。ソニー銀行は7月、ブロックチェーンをベースとしたデジタル証券の募集を開始。三菱UFJ銀行・みずほFGの両行はステーブルコインでの企業間決済の実用化に向けて連携し、同社らは24年内の実用化を目指すとしている。
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