ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)が、暗号資産市場の急落を招いた過度なレバレッジ取引の清算は完了したとの見方を示している。同氏は15日、ビットコイン(BTC)については「この価格帯では以前より安定している」とCNBCで語った。ブラックロックが第2四半期として過去最高の業績を発表した後の発言であり、その後、米国の現物型ビットコインETFには過去最悪の月を経て資金流入が再びプラスへ転じた。
ビットコインとレバレッジについてのラリー・フィンクCEOの発言
フィンクCEOは、韓国株式市場におけるレバレッジリスクに関する問いに答える中で発言した。2008年や2009年と比べ、現在のグローバル市場ではレバレッジが大幅に減少したと指摘した。
同氏の見解では、暗号資産だけが例外だった。その過剰分は、今年約2兆ドルが市場から消失した売りによって「洗い流された」と述べた。
「ビットコインや暗号資産におけるレバレッジを常に懸念していた。そこにはレバレッジプレーヤーが多すぎた。だからこそ清算が必要だった。そして、いまの水準にはより安定性があると考えている」
ここで一点補足が必要である。フィンクCEOはビットコインの価格目標を示していない。「非常に強気」との見立ても、今後12カ月間の市場全体についてであり、利益率における技術革新が牽引役になるとの見方を示した。
暗号資産もそのシナリオに含まれる。フィンクCEOはまた、AIインフラの資金調達を「次の金融革命」と呼び、計算能力の先物市場が出現すると予測した。ブラックロックは、機関投資家向けにビットコインの正式な資産配分指針としてポートフォリオの1〜2%を推奨している。
ETF資金フローが示唆する清算終了
ETF資金フローのデータは、フィンクCEOの安定化発言を裏付ける形になっている。6月は、米国現物型ビットコインETFにとって記録上最悪の月であり、ビットコインが20%以上下落する中、純流出額は45億ドルにのぼった。
6月下旬には、10営業日連続の償還で27億ドルが流出した。この10日連続の流出は7月2日、2億2170万ドルの流入で終止符が打たれた。
7月6日以降、Glassnodeのデータによれば、連日の流入が続く。ビットコインは、8万ドル以下から15日には約6万5000ドルまで上昇。1日あたり8000万ドルから2億6000万ドルの資金が流入している。
ブラックロックのETFも同様の動きとなった。IBITの保有ビットコイン残高は5月中旬に82万3000BTC近くまで増加したが、7月初めにかけて約9万BTC減少。資金流出に伴って保有数は減少したが、7月には73万BTC前後で横ばいになっている。一方、ETF取引高はサイクル最低水準まで減少したばかりである。
ただし、フィンクCEOの強気姿勢は自社の利害とも重なる。ブラックロックの第2四半期の運用資産残高は15兆3400億ドル。IBITを保有するiShares事業の好調がけん引した。ビットコインの安定化は、同社の旗艦暗号資産商品そのものに直結する。
強気派・弱気派と「6万5000ドル」の攻防
他にも回復シナリオを支持する声がある。JPモルガンのアナリストは、ビットコイン先物に機関投資家の需要が戻りつつあることがプラス材料だと報じた。ブラックロックの債券部門責任者リック・リーダー氏はブルームバーグで、現金で運用待機中の9兆ドルが今後の上昇を支える可能性に言及した。
ブルームバーグ・インテリジェンスETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏はX(旧Twitter)の投稿で長期的な視点を示した。ビットコインETFがゴールドETFの22年の歩みをなぞる可能性に言及。大きな上昇と痛みを伴う下落、高値更新が交互に訪れるとした。
一方、弱気派も材料を持つ。暗号資産取引所ビットフィネックスのアナリストは今月初め、新たな流出ショックが回復を妨げる可能性を警告した。
現在、ビットコインの価格回復は6万5000ドルのレジスタンスを幾度も突破できず、昨年10月の12万6000ドル高値から約半値の水準で推移している。
直近の焦点はシンプルである。米連邦準備制度理事会(FRB)の月末の金利決定をまたいで、日々のETF資金流入が続くかどうかだ。フィンクCEOの語る安定化を裏付ける証拠となる。IBIT保有残高が横ばいなのは売り手の減少を示すが、継続的な買い意欲の本格化はまだ確認されていない。









