米国の現物ビットコイン(BTC)ETFの流出額は、7月13日に約4億3000万ドルに達した。グラスノードのデータによれば、フィデリティのFBTCで2億4630万ドル、ブラックロックのIBITで1億8610万ドルの流出を記録した。
この資金流出は、市場活動が今サイクルで最も静かな水準にあるタイミングで発生している。ETFの取引高はピーク時から78%減少し、アナリストは投資家の関心が他の資産クラスへ移ったと警鐘を鳴らしている。
ETF取引高、ピークから78%減少
グラスノードの米国現物ビットコインETFの1日平均出来高(30日移動平均)は、現在12億5000万ドルとなっている。これは2025年末のピーク58億ドルから78%の減少幅である。
取引活動は2024年水準も下回る。ブラックロックのIBITが依然として市場シェア最大を維持するが、その割合も直近数か月で細っている。
オンチェーン分析企業グラスノードは、取引低迷を一時的な低調ではなく「関心の喪失」と指摘した。X(旧Twitter)の投稿でもこの見解を共有している。
「米国現物ETFの取引活動は静かな局面にある。出来高はピークから78%減少し、2024年水準も下回る。ビットコイン価格が持続的に上昇するには、他の資産クラスから関心と取引参加者が戻ることが必要となるだろう」
ビットコインETF、1日で4億3000万ドル超流出
週明けの取引では、資金の流れが一方的であることが明示された。フィデリティのFBTCで2億4630万ドルの流出が最大となり、IBITは1億8610万ドルの流出。ヴァンエックのHODLは350万ドルの流入を示し、流れに逆行した。
グレースケールのGBTCやフランクリン・テンプルトンのEZBCも小幅な資金流出を記録。全体でファンドは合計約4億3000万ドル流出した。
IBITの流出額は大きな反響を呼んだ。起業家でBeInCryptoエキスパート評議会のエバン・ルスラ氏がXでこのデータにコメントした。
ただし、この動向には慎重な見方も必要だ。ETFの流出は投資家によるシェアの償還を意味し、発行体は信託保有のビットコイン売却を迫られる。ブラックロックは自己勘定のポジションを清算しておらず、フィデリティの方が流出額は大きい。
今回の逆転現象はタイミング的にも痛手となっている。ビットコインファンドは7月10日までの1週間で1億9740万ドルの純流入を記録し、8週連続の流出に終止符を打ったばかりであった。一方、6月は月間で過去最高となる45億ドルの流出を記録した。
ビットコイン価格予想、5万8000ドルのサポートに注目
BTCは本稿執筆時点で6万4681ドル付近で推移し、過去24時間で4.4%上昇している。グラスノードの資金フローチャートでは、5月中旬の約7万8000ドルから6月30日の安値5万8000ドルまで下落した様子がうかがえる。
この5万8000ドル近辺が重要な防衛線となる。終値でこの水準を下回れば、サイクルの底は5万7500ドル付近まで意識され、現水準から約11%の下落幅となる。
一方で、強気筋は6万8000ドルを取り戻すことが必要だ。6月上旬の下落が始まった水準であり、この水準回復は2か月続いた機関投資家の需要回復を示唆する。
他にも吸収の兆しは見られる。長期保有者は7月11日・12日にかけて再び買い増しに転じ、5912BTCの純増となった。
持続的な資金流入と取引量回復があれば、参加者復帰の本格化を裏付けるだろう。それまでは、BTCが6万8000ドルを上回ってモメンタムを再構築するか、もしくは5万8000ドルを再テストする公算が大きい。









