8週間続くビットコイン需要減が資金の行方を示唆

  • ビットコインのコインベース・プレミアムは5月6日にマイナスに転じ、その後回復していない。
  • 米国投資家は半導体関連ETFに約200億ドルを移し、ビットコインファンドを売却した。
  • 1月に同様の需要減少が起きた際、ビットコインは33%下落した。
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米国におけるビットコイン(BTC)買い手が沈静化している。米国でのビットコイン需要を示す指標「Coinbase Premium Index(コインベース・プレミアム・インデックス)」は、5月6日以降マイナス圏で推移しており、1年以上ぶりの長期的な低迷となっている。

この指標が重要なのは、誰が市場から退いているかを示すためである。プレミアムがマイナスの場合、米国投資家が他の市場参加者よりも安値でBTCを買っていることを意味する。これがビットコイン下落の一因である。

Coinbaseプレミアムが示すもの

このインデックスは、米国拠点であるコインベースと海外取引所の価格差を追跡する。指標がマイナスになると、米国のビットコイン需要が減退していることを示す。指標が上昇する局面では、米国の買い手が主導権を握っている状況。

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Coinbase Premium Index:コインベース・プレミアム・インデックスのチャート 出典:CryptoQuant

Coinbase Premium Index: CryptoQuant

現在、この指標はゼロ未満で停滞している。マイナスプレミアムの連続記録は5月6日にビットコイン価格が約8万1429ドルだった時に始まり、約8週間続いている。これは2025年初以来の最長記録。

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その後、ビットコイン現物価格は約5万9500ドルまで下落し、約27%安となった。

ビットコイン資金の行方

米国ビットコイン需要の減少は、株式市場における歴史的な動きと重なる。米国投資資金は停滞しているわけではなく、半導体銘柄に流入している。

半導体指数の上昇率は、今年S&P500を約85ポイント上回り、上半期としてはこれまでで最も大きな差となったとKobeissiが指摘する。これは2000年のドットコムバブル期を上回る水準。

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現在、市場は半導体セクターが支配的。半導体はS&P500の約18%を占め2026年の上昇分の7割近くをけん引している。マイクロンは約300%、サンディスクは760%以上上昇した。

この資金の循環はファンドの資金フローにも表れている。4月以降、米国の金ETFとビットコインETFから約120億ドルが流出した一方、半導体ETFには約200億ドルが流入した。

ブラックロックのiShares Bitcoin Trust(IBIT)は最大のビットコインファンドであり、6月にはETF史上最大の流出超を記録した。これは現物ETF開始以来最悪の月となった。

1月の警告

今年、米国ビットコイン需要が消える展開はこれが初めてではない。同じパターンが既に一度発生している。

1月15日頃、ビットコインのプレミアムがマイナスに転じた際、BTCは約9万5583ドルだった。このマイナス状態が2月24日に終了した時点で、ビットコインは約6万4100ドルまで急落した。

Coinbase Premium Index 1月:1月のコインベース・プレミアム・インデックス推移 出典:CryptoQuant
Coinbase Premium Index January: CryptoQuant

この間、約6週間で33%下落した。今回の下落局面は期間が長く、同様に米国需要の減退が示されている。

過度な動揺を避けるために

ただし、この資金循環のストーリーには留意点がある。ビットコインとナスダック指数は通常同じ方向に動き、6か月相関係数は0.46近辺で推移している。これは、通常は両者が同一のマクロ要因で上昇・下落することを意味する。

BTC-NASDAQの相関係数推移チャート 出典:Charlie Quant Lab
BTC-NASDAQ Correlation: Charlie Quant Lab

しかし、今年は両者が乖離しつつも、相関自体は維持されている。2026年に入りビットコインは約33%下落し、テックセクターは上半期で20%以上上昇している。

テクノロジー株 過去6か月のパフォーマンス
テクノロジー株 過去6か月のパフォーマンス 出典: FinViz

この乖離の理由は半導体にある。2026年の市場上昇の約70%を半導体が牽引しており、今回のテック株上昇は実質的に半導体株の上昇である。つまり、ビットコインが通常連動するアセットクラスが、米国投資家が資金を移動させている半導体セクターによって押し上げられている。

そのため、この分裂は重要となる。通常は連動する2つの資産がこれほど乖離した場合、一方から他方へ資金が移動しているという説明が最も単純である。

今後の展開

ビットコインの次の動静は米国の買い手次第となる。プレミアムが依然マイナスのままで半導体株への資金流入が続く場合、BTCには下押し圧力がかかりやすくなる。1月から2月にかけての価格下落率33%は、BTCが今後さらに調整する余地も示している。

一方で、再びプレミアムがプラスに転じれば、国内BTC需要回復の初めての明確な兆候となる。それまでは1月の動きが引き続き注視される展開。


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