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日本企業のビットコイン&暗号資産保有ランキング|2025年版

18分
投稿者 Shota Oba
編集 Shota Oba

ヘッドライン

  • 国内企業のビットコイン保有は2024年までに倍増し、円安対策や資金調達の手段として注目されています。
  • ビットコイン保有は、世界規模でも増加傾向にあり、企業のビットコイン購入は数年で数百%の伸びを見せました。
  • 企業のビットコイン保有は市場や規制に影響されるものの、さらなる増加が見込まれています。

暗号資産の現物取引高は2025年2月に1兆9176億2200万円、証拠金取引高は1兆5398億700万円に達しており、企業によるビットコイン(BTC)を含む暗号資産の保有も引き続き拡大しています。特にデジタルサービスやゲーム開発を手がける企業が暗号資産を保有する例が増加しており、円安への対応や新たな資金調達手段としての活用が目立ちます。2025年4月時点では、新たに暗号資産を購入した企業を含め、合計40社以上が保有していると推定されています。

本稿では日本国内を中心に、ビットコインおよび暗号資産を保有する企業について解説し、ビットコインの保有状況がどのように変化するのかについても考察します。

国内企業のビットコインおよび暗号資産保有状況

暗号資産の自動損益計算サービスを展開するpafinのデータ(pafin公式サイト)と日本経済新聞社の独自調査によれば、国内の上場企業による暗号資産の保有が2024年5月時点の31社からさらに増加しています。2025年4月時点では、新たに暗号資産を購入した企業を含め、合計40社以上が保有していると推定されています。特にデジタルサービスやゲーム開発を手掛ける企業の参入が引き続き目立っています。

2025年に新たに暗号資産を購入した企業として、リミックスポイントが挙げられます。同社は2025年2月に5億円分の暗号資産を購入しました。また、湘南美容クリニックを運営するSBCメディカルグループホールディングスはCoinbase経由で10億円分のビットコイン購入を進めています。さらに、ゲーム開発企業のgumiも2025年に10億円分のビットコイン購入を決定しました。

一方、かつてメタバース関連事業を展開していたメタプラネットは、現在では「日本のマイクロストラテジー」と呼ばれるほど大規模なビットコイン投資を続けており、数百億円規模の投資を進めています。こうした企業の動きは、暗号資産をポートフォリオの多様化手段として位置付け、円安やインフレリスクへの備え、新規ビジネス戦略の一環としての側面が強まっていることを示しています。規制環境の整備や市場成熟とともに、今後も企業による暗号資産投資は増加が見込まれています。

出典:メタプラネット

調査によれば、企業の保有目的の1つは資産価値を見込んだ投資です。メタプラネットは、メタプラネットは2023年から積極的にビットコイン投資を進めており、「アジアのMicroStrategy」とも称される戦略で2025年末までに1万BTCの保有を目標に掲げています。2025年4月14日には追加で319BTC(約37.8億円相当)を購入し、同社の総保有量は4,525BTCに達しました​。

円の価値下落を回避するためにビットコインを保有することで、インフレへの対策になる。将来的にはビットコインがバランスシートの大半を占めるようにしていく

王生貴久最高財務責任者(CFO):メタプラネット

ビットコインをはじめとする暗号資産の保有目的には、円安のリスク回避や資金調達手段としての利用が増加しているのが特徴です。市場はピーク時の8割程度にまで回復しており、これが企業の暗号資産保有増加の背景にあります。2024年6月に野村ホールディングスが行った調査によると、日本の機関投資家の54%が今後3年以内に暗号資産への投資を計画していることがわかり、将来的に暗号資産の採用がさらに増える可能性が示唆されています。

関連記事:ソニーとメタプラネット、円安警戒の中、暗号資産に目を向ける

日本企業の暗号資産保有ランキング

以下のランキングはpafinと日本経済新聞社の独自調査に最新の公開企業の購入総額を組み込んだものになります。このランキングではビットコインを含む暗号資産を保有する企業の暗号資産評価損益をランキング形式で示しています。

企業名企業概要暗号資産評価損益備考
メタプラネット投資・メタバース関連約50億円2025年4月2日時点で4,206BTC保有(約250億円)。評価益は価格上昇(約12,000万円/BTC)による。
リミックスポイント法人向け電力小売、エネルギー約20億円2025年2月時点で90億円分(BTC約74億円、アルトコイン16億円)。評価益658百万円(X投稿)。
gumiスマホゲーム開発約0.5億円2025年2月10日、10億円分BTC購入。価格上昇で微益。
SBCメディカルグループホールディングス美容医療(湘南美容クリニック)約0.1億円2025年4月14日、5BTC(6,000万円)購入。10億円計画の一部。
グリー交流サイト運営2.7億円2024年データ。2025年の更新情報なし。
Eストアー企業の自社EC総合支援1.3億円2024年データ。2025年の更新情報なし。
トリプルアイズAI関連サービス0.2億円2024年データ。2025年の更新情報なし。
ガーラオンラインゲーム開発0.2億円2024年データ。2025年の更新情報なし。
アクセルマーク携帯コンテンツ0.1億円2024年データ。2025年の更新情報なし。
シンクワイズオークション運営0.1億円2024年データ。2025年の更新情報なし。
ユナイテッド携帯広告通信、ベンチャー投資0.1億円2024年データ。2025年の更新情報なし。
グローバルウェイ転職・就職の口コミサイト168万円2024年データ。2025年の更新情報なし。
モバイルファクトリースマホゲーム開発86万円2024年データ。2025年の更新情報なし。
ネクストーン音楽の著作権管理63万円2024年データ。2025年の更新情報なし。
ティー・エル・イーキャン開発マーケティング54万円2024年データ。2025年の更新情報なし。
IGS人材開発クラウド4万円2024年データ。2025年の更新情報なし。
Link-Uグループサーバーの開発・運用▲480万円2024年データ。2025年の更新情報なし。
ギグワークスIT支援サービス▲581万円2024年データ。2025年の更新情報なし。
コムシードスマホ向けゲームアプリ▲0.1億円2024年データ。2025年の更新情報なし。
アクアライン水回りサービス▲0.7億円2024年データ。2025年の更新情報なし。
アカツキスマホゲームの開発・運営▲1.1億円2024年データ。2025年の更新情報なし。
きちりHD高級居酒屋運営▲1.3億円2024年データ。2025年の更新情報なし。
GFA不動産・金融不明10億円BTCおよびミームコイン購入(ユーザーの情報)。プレスリリースなし。
AIフュージョンキャピタルAI・テクノロジー投資不明5億円BTC購入(ユーザーの情報)。企業実態・プレスリリースなし。
エス・サイエンス金属加工・不動産不明BTC投資事業参入(ユーザーの情報)。プレスリリースなし。
バリュークリエーションマーケティング・不動産DX不明2025年3月12日、1億円BTC購入。評価損益不明。
エニッシュブロックチェーンゲーム開発不明2025年4月1~4日、1億円BTC購入。評価損益不明。
スクエニHDゲーム大手(ドラゴンクエスト)不明2024年データ。2025年の更新情報なし。
コロプラスマホ向けゲーム不明2024年データ。2025年の更新情報なし。
エイベックス音楽・ソフト大手不明2024年データ。2025年の更新情報なし。
SBIグローバルAM投信商品評価不明2024年データ。2025年の更新情報なし。
ホットリンクマーケティング支援不明2024年データ。2025年の更新情報なし。
第一商品商品先物大手不明2024年データ。2025年の更新情報なし。
アルファグループ販売代理店支援不明2024年データ。2025年の更新情報なし。
ネクスグループ無線通信機器開発不明2024年データ。2025年の更新情報なし。
メリルリンチ日本証券金融情報サービス不明2024年データ。2025年の更新情報なし。

※▲はマイナスの評価損益となります。

日本国内の暗号資産保有率

本稿執筆時点で日本で暗号資産を保有している人の割合は約7.3%と推定されています。これは、日本の総人口に対する割合であり、世界的に見ると低い数字と言えるでしょう。暗号資産を保有しているユーザーの内訳を見ると、以下のような特徴があります。

  • 20代: 1,204,522 口座
  • 30代: 2,180,928 口座
  • 40代: 1,873,317 口座
  • 50代: 1,031,654 口座
  • 60代: 355,462 口座
  • 70代: 96,082 口座

データーを参照すると、日本では30代と40代の保有者が多いことがわかります。さらに、男性が68.13%、女性が17.28%と、男性の割合が圧倒的に多いことが特徴です。

世界のビットコイン保有企業状況

ビットコインは全世界で1976万BTCが流通しており、2025年に入り、企業の暗号資産(特にビットコイン)保有量は世界的に大きく増加しています。資産運用会社Bitwiseの分析によると、公開企業によるビットコイン保有量は2025年第1四半期に16%増加し、合計約68万8000BTC(評価額約570億ドル、8兆1500億円)に達しました。さらに、公開されていないデータでは、非公開企業の保有量が公開企業を上回っており、企業が公開する義務がないため、実際の保有量はさらに多い可能性があります。

公開企業の保有状況(2025年時点)

  • Strategy社(旧マイクロストラテジー):25万2,220BTC(全供給量の約1.2%)
  • ロビンフッド:14万4,657BTC
  • マラソン・デジタル:約2万BTC
  • テスラ:約9,720BTC

Strategy社のように資本調達を通じてBTCを買い増す戦略は他企業にも広がっており、今後も注目が集まります。

非公開企業の保有状況

  • Block.one:約16万4,000BTC
  • Mt.Gox(債権者返済前):約14万1,686BTC

さらに、ブラックロックやJPモルガンなどの金融大手もETFを通じてビットコインを保有しており、機関投資家の保有も継続的に増加しています。さらに、ブラックロックJPモルガンもETFを通じた保有者であり、ビットコインの継続的な保有を明かしています。

関連記事:マウントゴックス事件とは?ビットコイン返済が続く事件の経緯をわかりやすく解説

ETF・ファンド発行企業の保有状況

本稿執筆時点で、ビットコインETFの総運用資産(AUM)は約1,100億ドルに上っており、ETF関連企業によるビットコイン保有数は総供給量の約5.7%を占めています。また、各国政府によるBTC保有量は約52BTCを超えています。

ビットコインETF発行企業の保有状況(2025年4月時点)

  • iShares Bitcoin Trust(IBIT):570,983 BTC
  • Grayscale Bitcoin Trust(GBTC):191,159 BTC
  • Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund(FBTC):199,967 BTC
  • Bitwise Bitcoin ETF(BITB):38,450 BTC
  • VanEck Bitcoin Trust(HODL):14,134 BTC
  • 21Shares Bitcoin ETP(ABTC):9,707 BTC
  • Bitwise 10 Crypto Index Fund(BITW):10,485 BTC
  • WisdomTree Physical Bitcoin(BTCW):9,164 BTC
  • CoinShares Valkyrie Bitcoin Fund(BRRR):5,724 BTC

関連記事:ビットコインETFとは?

ビットコイン保有企業の未来

ビットコインの企業採用率は予測が難しいものの、RIVERは2026年初頭までの累積保有量について3つのシナリオを予測しています。

  • 最低予測:マイクロストラテジー、テザー、コインベース、スクエアがビットコインを取得し続ける戦略を維持すると仮定し、これら4社は1日あたり204BTCを購入する見込み。2024年上半期のペースより37%低下するが、安定的に購入が続く
  • 中間予測:2024年上半期に企業は合計6万4886BTCを購入しており、これは1日あたり356BTCの購入ペース。このペースが2026年まで続くと予測
  • 上限予測:楽観的なシナリオでは、米国企業の10%が現金の1.5%(103.5億ドル)をビットコインに変換すると仮定。これにより1日あたり315BTCが購入され、これを最低予測と合わせて1日あたり519BTCの購入となる

関連記事:ビットコインはやめたほうがいい?|ビットコイン投資のリスクとは

まとめ:ビットコインの認知拡大により、さらなる企業保有率が高まる可能性大

ビットコイン

暗号資産の保有は、国内外の企業にとって資産管理やリスクヘッジの重要な手段となっており、特に円安や市場の不確実性を背景に、ビットコインを含む暗号資産の保有が急速に増加しています。国内企業の間でも、メタプラネットをはじめ、多くの企業がビットコインに資産を移行しつつあり、その傾向は今後も続く見通しです。企業が暗号資産を保有する動きは、今後も市場の変動や規制の影響を受けながらも、重要な戦略として位置付けられるでしょう。

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国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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