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ドージコインは2025年に再び”億り人”を生み出すのか?

26 mins

ヘッドライン

  • ドージコイン(DOGE)は、2025年のETF承認の可能性や市場の資金流入、イーロン・マスク氏の影響力などで注目を集めています
  • DOGEで「億り人」になるには、大規模な投資や高レバレッジが必要ですが、時価総額の制約が大きく、1000ドルの投資で億を達成するのは非現実的です
  • アナリストは$10程度の上昇を予測しており、市場環境次第では長期的な成長の余地があります

ドージコイン(DOGE)は、2025年に向けて再び注目を集めています。過去のサイクルでは短期間で急騰し、多くの投資家に大きな利益をもたらした一方、その後の急落も経験しており、ミームコイン特有のボラティリティの高さが際立ちます。2025年は、DOGEのETF承認の可能性やイーロン・マスク氏の影響力、そして市場の資金流入など、価格上昇の要因が揃い始めており、強気な予測が見られます。

本稿では、DOGEの今後の展望と投資家が注意すべきポイントを踏まえ、「ドージコインは2025年に再び”億り人”を生み出すのか?」について詳しく解説します。

ドージコインとは?

ドージコイン(DOGE)は、2013年にビリー・マーカス氏とジャクソン・パーマー氏によって開発された、インターネットミームを基にした初のミームコインです。その誕生の背景には、当時注目されていたビットコインと、柴犬「かぼす」の画像を使用した「Doge」ミームを組み合わせたことがあります。

ドージコインは、ライトコインのコードベースを継承しており、技術的な基盤としてライトコインを採用しています。ライトコイン自体は2011年にビットコインをモデルに開発され、トランザクション処理の高速化を目的としていました。このため、ビットコイン、ライトコイン、ドージコインの3つには多くの技術的共通点があり、いずれもPoW(Proof of Work)というコンセンサスアルゴリズムを採用しています。

ただし、ドージコインにはビットコインと異なり供給上限がなく、毎年50億DOGEが新たに発行されるため、インフレ資産として分類されます。もともとはオンラインでのチップ用暗号資産として設計され、迅速な取引確認と低い手数料が特徴です。

関連記事:PoSとPoWの違いやメリット・デメリットを解説

ドージコイン支持者とコミュニティの影響

ドージコインは、多くの著名人や企業に支持されており、特に実業家イーロン・マスク氏の影響力が価格変動に大きく関与しています。スポーツチームや慈善団体にも利用されており、2014年の冬季オリンピックではジャマイカのボブスレーチームを支援するために5万5,000ドル以上が集められました。

マスク氏は2019年以降のツイートでドージコインの価格に影響を与え、2021年には「月に吠えるドージ」というミームの広がりとともに史上最高値を記録しました。同年5月にはサタデー・ナイト・ライブ(SNL)で自身を「DogeFather(ドージファーザー)」と称し、価格が急騰しました。

さらに、2023年には旧Twitter(X)のロゴを一時的にドージコインの「かぼす」に変更するなど、ドージコインへの関心を示しています。2024年11月には、バイオテック企業創業者ヴィヴェク・ラマスワミ氏とともに、ドージコインの名前を匂わす新設された政府効率化省(D.O.G.E)を共同で率いると発表するなど、その影響力は依然として強いものとなっています。

ドージコインは2025年に再び”億り人”を生み出すのか?

ドージコイン・トラスト・グレースケール

ドージコインは2025年に再び”億り人”を生み出すのかどうかは結論から言うと、ユーザーの資産状況や取引方法、市場環境によるでしょう。もしあなたが巨額の資金をDOGEに投資するまたは、高いレバレッジで取引する場合は億り人になれる可能性ばゼロではありません。しかし、オンチェーン分析のクリプトクアントのCEOやイーサリアムのヴィタリック・ブテリン共同創設者などは過剰なレバレッジ取引をすることに反対しています

2倍以上のレバレッジは絶対に使うな。本当に、やめておけ。大量のレバレッジを勧めながら生き残り、成功を収めた投資家を見たことは一度もない

キ・ヨン・ジュCEO:CryptoQuant

さらに、DOGEに今から1000ドルを投資して億り人になるのが難しいと言えるでしょう。その理由を、時価総額の観点から計算を用いて説明します。説明では、本稿執筆時点の価格$0.25を引用します。

供給量の影響

ドージコインは、毎年約50億枚の新規発行が加わるなど、発行量が非常に多く、無制限な供給体制となっています。結果として、希少性が低く、需要が増加してもそのまま価格に大きく反映されにくいと考えられます。例えば、ビットコインは2100万枚に供給が制限されているため、需要増加が直接的に価格上昇を引き起こしやすいのに対し、ドージコインの場合、同じ需要増加では価格への影響が限定的です。

同問題に対処するため、ドージコインコミュニティでは、流通から一部のコインを永久に除去する「トークンバーン」施策を検討する動きもあります。しかし、過去のバーン施策では、一時的な価格上昇は見られるものの、膨大な供給量のために持続的な効果を得るのは難しいとされています。市場心理や需要増加が伴わなければ、バーンだけで長期的な価格上昇を実現するのは困難であると指摘されています。

関連記事:ドージコインとは?DOGEの仕組みや将来性について解説

時価総額の制約

時価総額は「価格 × 流通枚数」で計算され、暗号資産の成長余地を測る指標として使われます。現在の価格でDOGEに1000ドル投資した場合、億り人になるために必要な価格上昇を考えると、時価総額の制約が顕著に見えてきます。

計算例

現在、DOGEの価格が $0.25 だとすると、1000ドルを投資すると以下の枚数が購入できます。

購入枚数 = 1000ドル ÷ $0.25 = 4000枚

この投資が100万ドル(1億円相当の資産)になるには、DOGEの価格がどれくらい上がればいいかを計算します。

必要価格 = 1,000,000ドル ÷ 4000枚 = $250

つまり、DOGEの価格が $250 まで上昇する必要があります。しかし、現在の総供給量 1479.8億枚 を考慮すると、この価格に達するには莫大な時価総額が必要です。

必要な時価総額 = $250 × 147,980,000,000 = 約36.99兆ドル

この時価総額は、現時点での全暗号資産市場規模を超えており、ビットコインやイーサリアムを何倍も上回る規模となるため、実現は非常に難しいと言えます。

アナリストの見解

アリ・マーチンアナリストの分析によると、DOGEが$0.19以上を維持できれば、$10までのパラボリックな上昇が期待できるとしています。チャート上では$0.19付近がフィボナッチ・リトレースメントの0.786レベルに位置し、強力なサポートとして機能することが示唆されており、この水準を下回らなければ上昇トレンドが継続し、勢いを増す可能性が高いと見られています。

Cryptollica(@Cryptollica)のDOGEサイクルチャート(2014-2025)によると、DOGEは過去の市場サイクルと類似した動きを示し、特定のレベル(level 1、level 2、level 3)を形成しながら推移しています。長期的なサポートゾーンを維持しつつ底値を形成し、その後上昇トレンドへ移行する傾向が見られ、現在も同様のパターンを描いている可能性が高いと考えられます。特に、重要なサポートレベルの維持が次の強気トレンドの鍵となると予想されます。

これらの点を踏まえると、10ドルに到達する可能性はあるものの1000ドルの投資によって億り人になることは難しいでしょう。

ドージコイン市場環境|25年2月版

当社アナリストが2月9日に発表した分析によれば、ドージコインは過去7日間で約25%下落し、2カ月ぶりの安値を記録しました。市場の弱気ムードが強まり、投資家の信頼も低下しています。市場環境が改善すれば回復の可能性もありますが、短期的には売り圧力が継続する見込みです。オンチェーンデータによると、ドージコインの市場感情はネガティブな状態が続いており、売りが優勢となっています。また、流動性とアクティブアドレスの減少により、買い支えが難しくなっています。

Dogecoin Weighted Sentiment
ドージコインの加重感情。出典: Santiment

アナリストによると、DOGEのMVRV比率は現在-23%となっており、過去のデータでは-9%~-21%が「買いの機会」とされてきました。蓄積が進めば回復の可能性もありますが、強い買い圧力がなければ上昇は限定的となる見通しです。

Dogecoin MVRV Ratio.
ドージコインのMVRV比率。出典: Santiment

価格見通し – 0.268ドルの抵抗突破が鍵

現在、ドージコインは0.248ドルで取引されており、売り圧力が続く場合、0.220ドルまで下落する可能性があります。短期的には0.220ドル~0.268ドルの範囲で推移することが予想され、明確なブレイクアウトがなければ価格の動きは限定的となる見込みです。

Dogecoin Price Analysis.
ドージコイン価格分析。出典: TradingView

アナリストによると、0.268ドルの抵抗を突破できれば、0.311ドルまで上昇する余地があります。抵抗を突破しサポートへ転換できれば、弱気の見通しを覆す可能性が高まります。

ミームコインスーパーサイクル、そしてETFの影響

暗号資産の専門家ムラド・マフムドフ氏は、2024年11月にミームコイン、DeFi、AIトークンの進化する役割について自身の見解を述べました。

市場サイクル分析の専門家であるマフムドフ氏は、ミームコインを暗号資産市場の「浄化メカニズム」として位置付けています。同氏によると、市場の成熟に伴い、暗号資産は「キャッシュフロートークン」と「ミームコイン」の2つのカテゴリに分かれると予測しています。ミームコインは、コミュニティの支持や投機的な価値を吸収し続けることで、キャッシュフロートークンの信頼性を向上させる役割を果たすとしています。また、DOGE、FLOKI、SHIBなどの主要ミームコインには、今後さらなる成長の余地があるとの見解を示しました。

さらに、マフムドフ氏は同年9月に発表した「ミームコインスーパーサイクル理論」に基づき、市場はまだ初期段階にあり、将来的に1兆ドル規模へと成長する可能性があると指摘しました。暗号資産トークン市場は、小売トレーダーや投資家の影響を大きく受けており、その多くは技術的な側面には関心を持っていないとしています。マフムドフ氏は、小売投資家の多くがブロックチェーンの高速性やプライバシー向上、zk-SNARKのような複雑な技術的概念には興味を示さない点を強調しました。

関連記事:ミームコインは2025年も買い時はあるか?

ドージコインETFの進展

項目グレースケールビットワイズRex Shares
申請日2025年1月2025年1月28日2025年1月21日
法的根拠19b-4フォーム(ETF転換申請)1933年証券法に基づく現物ETF申請1940年投資会社法に基づくETF申請
保管機関コインベース・カストディコインベース・カストディ未公開
管理手数料2.5%未公開未公開
申請の目的信託からのETF転換現物保有型ETFの新規申請ミームコインETFの新規申請

2025年に入り、グレースケールやビットワイズといった大手資産運用会社がSEC(米国証券取引委員会)にドージコインETFの申請を行ったことで、ドージコインへの注目が再び高まっています。ビットコインやイーサリアムのETF承認時と同様、ドージコインETFが正式に認可されれば、資金流入などの影響は計り知れないでしょう。アナリストのアリ・マーチン氏は同ETFの承認がDOGE価格を15ドルまで押し上げると指摘しています。承認プロセスや市場の動向を考慮すると、最短で2025年末、遅くとも2026年上半期には承認される可能性が高いと見られています。

関連記事:ドージコインETFはいつ承認されるのか?

DOGE価格予測|〜35年

ビック_DOGE_ドージコイン-カバーズ_コインズ_ネガティブ

当社の価格予測モデルによると、2025年のドージコイン(DOGE)価格は強気な見通しが示されています。2025年初めに68.81%下落し、0.056ドルまで落ち込む可能性がありますが、その後690.93%の上昇が予測され、2025年末には0.445ドルに達する見込みです。

DOGEの最高価格DOGEの最低価格
2025年$0.445$0.056
2026年$0.454$0.138
2027年$0.578$0.236
2028年$0.979$0.402
2029年$1.658$0.686
2030年$2.81$1.17
2031年$4.762$1.998
2032年$8.069$3.411
2033年$13.672$5.821
2034年$23.168$9.935
2035年$39.259$16.957

イーロン・マスク氏の支援や新たなユースケースの登場がさらなる価格上昇を後押しすると考えられています。分析時点の価格からのROI(投資収益率)は466%と予測されています。

ドージコイン価格予測2030:TradingView

2026年以降も強気な見通しが続き、2029年には心理的節目の1ドルを突破し、最高1.66ドルまで上昇する可能性があります。2030年には2.81ドル、2035年には39.259ドルに達するシナリオが示されており、長期的な成長が期待されています。

関連記事:ドージコイン(DOGE)価格予測 2025年〜2030年

ドージコインの買い時とリスク

ドージコインは価格変動が激しく、大きな利益を得る可能性がある一方で、損失のリスクも高いとされています。特に4年に一度のビットコイン半減期後にアルトコインの時価総額が増加し、約505日後に市場がピークを迎えることが多く、その影響はイーサリアムをはじめとする多くのアルトコインにも波及しますCrypto Bitcoin Chris氏は、時価総額だけでなくプロジェクトの新鮮さも重要な要素であると主張しており、革新的なプロジェクトは市場サイクルの初期に上昇しやすいと述べています。その後、知名度は低いもののビットコインと比較して価値が認められるアルトコインが上昇し、最終的にアルトコインシーズンは市場で過小評価されているプロジェクトの価値上昇によって終息する傾向にあるとしています。

ビットコインの半減期やアルトコインシーズンを見据え、最初の上昇局面で一部利益を確定し、次の上昇でさらに利益を確保する段階的な売却戦略を取ることで、リスクを抑えつつリターンの最大化を図ることができます。分散投資と利益確定のタイミングを見極めることで、バンドワゴン効果やFOMO(機会損失への恐れ)に流されず、長期的な成功を目指せます。

通例では、ドージコインのようなミームコインは市場サイクルの後半で強い上昇を見せることが多いため、急激な上昇局面(パラボリック・フェーズ1)で一部を売却し、次の上昇局面(フェーズ2)で残りを売却することが推奨されます。このアプローチにより、リスクを最小限に抑えつつ確実に利益を確保できます。

Altcoin Season Index:Block Chain Center

ドージコインを効果的に購入するためには、市場全体の動向や指標を正確に把握することが欠かせません。まず、アルトコインシーズンインデックスとアルトコインドミナンスを注視し、アルトコインシーズンを見極めることが重要です。ビットコインドミナンスが低下し、アルトコイン市場規模が拡大する局面では、アルトコインへの資金流入が増えやすく、それに伴ってドージコインの価格も上昇しやすい傾向があります。このタイミングが、投資を検討する際の重要な指標となります。

MVRV Z-Score:Bitcoin Magazine Pro

MVRV Zスコア(時価総額と実現時価総額の比率)を活用し、ビットコインの半減期後に生じやすい価格上昇トレンドを把握することも重要です。ビットコインは半減期後に価格が上昇する傾向があり、その影響でアルトコイン市場も活発化することが多いです。しかし、ドージコインのようなミームコインはボラティリティが非常に高いため、価格が下落したタイミングで購入することがリスク管理のポイントとなります。

ミームコイン投資のリスク

ミームコインの数と時価総額の推移:BDCコンサルティング

CHAIN PLAYのデータによると、2024年時点でミームコインの数は急増しているものの、その97%が破綻しており、投機的で短命な特性が顕著に表れています。ミームコインの平均寿命は約1年とされ、他の暗号資産プロジェクトの平均寿命である3年と比べると、極めて短命であることが明らかです。

また、BeInCryptoが2024年8月に報じたデータによると、Pump.funでローンチされた170万以上のミームコインのうち、時価総額1,000万ドル以上を複数週にわたって維持できたのは、わずか15件にとどまっています。

これらの状況を鑑みてホワイトハウス顧問のデイビッド・サックス氏は、ミームコインやNFTを「証券や商品ではなく、切手や野球カードのようなコレクターズアイテムとして分類すべきだ」との見解を示しました。これらは感情的価値や記念的要素が強く、投資対象というよりも個人の趣味に近いものであると強調しています。この認識は、規制の枠組みを不明確にし、承認プロセスに不確実性をもたらす要因となっています。

関連記事:暗号資産の帝王、NFTとミームコインをコレクションとして明確なルールを推進

まとめ:少額投資では億り人にはなれないが資金状態によっては可能性あり

ドージコイン価格分析、DOGE、ドージコインETF

ドージコインの2025年の価格動向は、市場環境や投資戦略によって大きく左右されます。過去のサイクルを考慮すると、短期的な上昇の可能性はあるものの、供給上限がなくインフレ傾向が強いため、長期的な価格維持には課題があります。特に、時価総額の観点から$250といった極端な高値は非現実的ですが、アナリストの予測では$10までの上昇シナリオも示唆されています。これを考慮すれば、投資資金次第では億り人になる可能性はゼロではありません。市場の期待値やETF承認の動向が鍵となる中、投機的な性質が強いミームコインへの投資には慎重なリスク管理が求められます。

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Shota Oba
国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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