2024年以降、暗号通貨の注目度が再度高まっており、その中でも、CBDC(中央銀行デジタル通貨)とステーブルコインは、今後の暗号通貨業界を大きく左右する可能性があると注目されています。2023年現在、日本国内においてもCBDCの導入に向けた動きが活発化しており、また、ステーブルコインの規制も緩和され、利用が拡大しています。
そこで本記事では、CBDCとステーブルコインの現状の動向まとめと、2024年の日本国内における展望について解説します。CBDCとステーブルコインに興味がある人は、ぜひ最後までご覧ください。
CBDCとは?
CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは、各国の中央銀行が発行するデジタル化された法定通貨のことです。法定通貨とは、国家が法律で定めた通貨のことで、日本円や米ドルなどが該当します。CBDCは、中央銀行の債務として発行されるため、国家によって価値が保証されており、価格変動が起きにくいのが特徴。CBDCは、現金や銀行預金とは異なる新しい形態の電子マネーと考えることができます。
CBDCのメリットは、以下の通りです。
- コストを削減できる
- 透明性が高く不正が起きにくい
- 決済システムを効率化できる
CBDC導入国
現在、CBDCの導入国は、バハマ、ジャマイカ、ナイジェリアなど新興国が多く、もちろん、主導国として、中国、アメリカ、EU、スウェーデンなどがあります。日本では2020年10月に日本銀行がCBDCを作るための計画「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針」を発表しました。2021年4月からCBDCの実証実験を始めています。
ステーブルコインとは?
ステーブルコインとは、価格が安定するように設計された暗号通貨のことです。法定通貨やコモディティなどの価格と連動(ペッグ)するようになっており、目的は、価格変動が激しい暗号資産の決済手段としての実用性を高めることです。
ステーブルコインの特徴3つについて解説していきます。
- 価値が安定している
- 送金や決済が速い
- DeFi(分散型金融)で利用できる
ステーブルコインには、裏付け資産の種類によって「法定通貨担保型、暗号資産担保型、アルゴリズム型」などの種類があります。
日本国内の主要ステーブルコインとしては、JPYC株式会社が発行する「JPYC」がもっとも有名で、現在、国内の暗号通貨決済サービスなどで利用されています。
2023年:CBDCとステーブルコインの国内の動き
CBDCとステーブルコインの2023年の国内動向を見ていきます。
2023年:CBDCの国内の動き
日本銀行は、2023年5月に、CBDCの活用可能性を評価するためのグループによる報告書「中央銀行デジタル通貨:現段階における公共政策上の視座」も公開し、実証実験をスタートさせています。
日本銀行は、CBDCの定義についても明確に定義しています。
- デジタル化されていること
- 法定通貨建て(円など)であること
- 中央銀行が発行するものであること
CBDCの実証実験に関しては、野村総合研究所が「概念実証フェーズ1」を行っており、開発・導入に向けて、以下のフェーズで取り組みを進めています。
CBDCの実証実験フェーズ1(2020~2022年度)
- CBDCの概念や設計について検討する
CBDCの実証実験フェーズ2(2023~2025年度)
- CBDCの導入に必要な技術的な開発を進める
- CBDCの導入に必要な法制度の整備を進める
CBDCの実証実験フェーズ3(2026年度以降)
- CBDCを導入するかどうかを判断し、導入する場合、その具体的な運用方法を決定する
この実証実験では、民間のパートナーと協力して実施されました。株式会社みずほ銀行、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社りそな銀行、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社NTTデータ、株式会社日立製作所などと共に実証実験を開始しています。
2023年:ステーブルコインの国内の動き
日本では金融庁がステーブルコインに関する規制方針を公表、2022年5月には、日本銀行がデジタル円の研究開発を開始。日本銀行は、デジタル円を導入することで、金融システムの安定化や国際競争力の向上を目指しており、日本のステーブルコインに対する関心は、日々高まりつつあると言えます。
そして、2023年6月に「改正資金決済法」が新たに施行され、これに伴い、日本円や米ドルなどの法定通貨を裏付けとするステーブルコインが、日本でも発行・流通可能になりました。
CBDCとステーブルコイン:2024年の展望
また、ステーブルコインに関しては、ステーブルコインの発行が解禁されることで、国内外の企業間決済の効率化が進むことが期待されています。企業間決済市場は1000兆円前後とされており、企業と個人間の取引市場の約3倍の規模となっています。
さらに、三菱UFJ(MUFJ)とみずほFGはステーブルコインでの企業間決済の実用化に向けて連携することを発表しており、2024年内の実用化を目指しています。
加えて、三菱UFJ信託銀行(MUFJ)とWeb3インフラ開発企業Gincoがステーブルコインを使用した越境取引に向けた共同検討を開始。円貨建てステーブルコインの「XJPY」と米ドル建ての「XUSD」の2銘柄の発行を進めており、2024年夏頃に発行を行い、日本の暗号通貨市場における、取引業務を効率化していくことが予想されます。
CBDCともにステーブルコインも2024年以降、日本国内での動きが加速していくことが期待されており、今後の動きが注目されています。
2024年ビットコイン相場と国内市場の関係
2024年のビットコイン相場は、以下の要因によって大きく上昇すると予想されます。
- 半減期
- 現物ビットコインETFの承認
2024年の半減期は、2024年5月頃と予想されており、半減期直後は、ビットコイン価格が上昇する可能性が高いと考えられています。
現物ビットコインETFとは、ビットコインそのものを裏付けとするETF。2023年11月現在、米国では、現物ビットコインETFの承認に向けた動きが活発化しており、SEC(米国証券取引委員会)による現物ビットコインETFの承認が期待されています。現物ビットコインETFが承認されれば、投資家は、ビットコインそのものを保有することなく、ビットコインへの投資を行うことができるようになるため、大きな注目を集めています。
上記のビットコイン価格上昇イベントが2024年以降に控えていることから、それらの影響もあり、日本国内の暗号通貨業界も活発化されることが予想されます。さらに、日本はWeb3を国家戦略として定め、上記の業界全体の活発化に伴い、国内のCBDCやステーブルコインの開発・法整備も加速することが期待されるため、2024年以降、日本国内の暗号通貨業界の成長には注目したいところです。
まとめ:2024年の好相場に合わせて、日本の暗号通貨業界にとっても追い風が吹く
本記事では、CBDCとステーブルコインの2024年の国内展望について解説しました。日本政府は、2024年以降のCBDCの導入を目指しており、CBDCの導入により、決済の利便性向上や金融の安全性・効率性の向上が期待されています。さらに、ステーブルコインの交換業や取引業の規制が緩和され、ステーブルコインの解禁されることで、国際送金の円滑化や暗号通貨の利用拡大が期待されています。
2024年以降、CBDCとステーブルコインの導入や規制緩和などの動きにより、日本国内の暗号通貨業界は大きく成長する可能性があります。2024年以降、日本国内の暗号通貨業界のさらなる発展が期待しましょう。
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