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STEPN(ステップン)は、NFTスニーカーを履いて歩いたり走ったりすることで暗号資産が稼げる「Move to Earn(動いて稼ぐ)」型のアプリです。ユーザーはアプリ内でNFTスニーカーを購入し、実際の移動距離に応じてゲーム内通貨「GST(Green Satoshi Token)」を獲得できます。稼いだGSTはゲーム内での機能強化に使えるほか、暗号資産取引所を経由して法定通貨(日本円など)に換金することも可能です。

本稿ではGSTの基本的な特徴から日本国内での購入方法、関連する法規制まで、初心者向けに分かりやすく解説します。

GST(Green Satoshi Token)とは?初心者向け解説

STEPNとGSTの基本概要

STEPN(ステップン)は、NFTスニーカーを履いて歩く・走ることで暗号資産が稼げる「Move to Earn(動いて稼ぐ)」タイプのアプリです。ユーザーはNFTスニーカーを購入し、実際に移動した距離に応じてゲーム内通貨である GST(Green Satoshi Token) を獲得できます。

GMT(ガバナンストークン)との違いと役割分担

STEPNにはGSTのほかに GMT(Green Metaverse Token) というトークンも存在します。両者の役割は明確に異なります。

項目GST(ゲーム内通貨)GMT(ガバナンストークン)
主な用途STEPN内の消費全般ガバナンス投票、限定機能の消費
発行上限無制限60億枚(デフレ型)
利用範囲STEPNアプリ内限定他プロダクトでも利用可

GMTはSTEPN以外のNFTマーケットなどでも使える共通通貨ですが、GSTはSTEPN内だけで使える専用通貨となっています。

GSTの特徴と用途

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ゲーム内通貨としてのGST

GSTはSTEPNアプリ内の「ユーティリティトークン(実用的なトークン)」です。ユーザーはNFTスニーカーを使って移動するとGSTを獲得でき、それを外部の仮想通貨取引所で売却したり、ゲーム内で消費したりできます。

供給量とバーン(焼却)による調整

GSTは無限に発行されますが、供給が過剰にならないよう、消費されるGSTの大部分が自動的にバーン(焼却)されます。そのため、インフレが抑えられ、一定の価値が維持される仕組みになっています。

GSTの主な用途(消費される場面)

GSTは以下のゲーム内機能で使われます。

  • NFTスニーカーのミント(新規生成)
  • スニーカーの修理(耐久値回復)
  • スニーカーのレベルアップ(能力向上)
  • Gem(宝石)の強化・ソケット解放
  • ミステリーボックス(アイテムボックス)の開封
  • スニーカーの合成(エンハンス)

GSTは、STEPNの経済圏において「移動で獲得 → 獲得したGSTを消費しゲーム進行」という循環を支える重要なトークンです。初心者は「GST=歩いて得られるゲーム内通貨」と理解するとよいでしょう。

STEPNアプリ内で直接換金できない理由

STEPNアプリでは、稼いだGSTやNFTを直接法定通貨(日本円など)に換金できません。その主な理由は以下の2点です。

Appleのガイドラインによる制約(特にiOS版)

STEPNは当初アプリ内にNFTマーケットプレイスを搭載していましたが、AppleやGoogleのストア規約に抵触するため削除されました。現在ユーザーは、アプリ内ブラウザを通じて外部サイト(例:m.stepn.com)でNFT売買を行っています。

これは、ストアの規約で 「アプリ内で直接NFTや暗号資産を売買する行為」 が決済システムの回避とみなされ、アプリがBAN(公開停止)される恐れがあるためです。そのためSTEPNは、暗号資産の管理・換金をユーザー自身が外部ウォレットや取引所で行う仕組みを採用しています。

各国の法規制への対応(2025年時点)

STEPNは各国の法規制を遵守し、一部地域ではサービスを制限・停止しています。

  • 米国: 暗号資産規制が厳格なため、米国居住者の利用を禁止しています。
  • 中国本土: 規制強化を受け、中国本土でのサービスを停止しています。
  • 日本: 国内でのSTEPN利用は禁止されていません。ただしGSTやNFTを日本円に換金する際は、日本の暗号資産規制に従い、金融庁登録済みの取引所(例:Coincheck、bitFlyerなど)を介して換金する必要があります。

国内取引所でGSTが取引できない背景

STEPNで獲得したGSTを円に換える際、国内取引所ではGSTの取り扱いがないため、直接円に交換できない問題が発生します。この背景には、日本の規制があります。

日本では2017年4月の法改正(資金決済法)以降、暗号資産を円など法定通貨と交換するサービスを行うには、金融庁への登録が義務付けられています。国内取引所は金融庁の厳しい審査と自主規制団体の承認を受け、慎重に取扱銘柄を選定しています。そのため、新興ゲーム内トークンであるGSTは、まだ日本国内で承認・上場されていません。

このため、日本居住者がGSTを換金するには、以下の手順を踏む必要があります

  • 海外の取引所や分散型取引所(DEX)を使い、GSTをまず主要な暗号資産(例:USDT、SOL、XRP)に交換
  • 交換した暗号資産を国内取引所に送金
  • 国内取引所で日本円に交換

現在、このような二段階の手続きが必要となっています。

関連記事:STEPN GOほかムーブトゥアーン・ゲームの始め方

海外の暗号資産取引所を使用するのは違法なのか?

重要な暗号通貨サービスプロバイダーがユーザーデータ漏洩を報告

海外の暗号資産取引所を利用することは、日本国内で違法なのでしょうか。結論として、日本人が海外の暗号資産取引所を利用すること自体は違法ではありません。現行の日本法において、暗号資産取引所の運営には金融庁の登録が義務付けられていますが、利用者に対する規制は設けられていません。

法的根拠

日本の「資金決済に関する法律」(平成二十一年法律第五十九号 第六十三条の二)は、暗号資産交換業者が事業を行うためには内閣総理大臣の登録を受けることを求めています。

暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない。平成二十一年法律第五十九号 第六十三条の二

同法律は主に「暗号資産交換業」の提供者側に対するものであり、利用者に対する規制は含まれていません。このため、無登録の仮想通貨取引所の運営は違法ですが、登録されていない取引所のサービスを個人が利用することには法的な制約はないのです。

仮想通貨GSTを購入できるおすすめの海外取引所

海外取引所でGSTを購入する場合は、以下の取引所がおすすめです。

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Bybit

  • 概要: ユーザーフレンドリーな設計とセキュリティが評価されている人気の暗号資産取引所。
  • 特徴: 多機能な取引プラットフォームを備え、法定通貨から直接暗号資産を購入可能。取引手数料も約0.1%と安価。
  • 利点: 日本語サポートがあり、初心者にも操作が簡単です。

KuCoin

  • 概要: 取り扱い暗号資産の種類が非常に多く、安全性にも定評のある取引所。
  • 特徴: 取引手数料が低く(約0.1%)、多彩な購入手段が提供されている。
  • 利点: 幅広い銘柄に対応しているうえ流動性も高く、スムーズに取引可能。ステーキングやレンディング機能も充実しています。

BingX

  • 概要: 幅広い暗号資産を提供する利便性が高い海外取引所。
  • 特徴: 直感的なインターフェースで、新規ユーザーでも簡単に操作できます。
  • 利点: マージントレードなど、より高度な取引機能も利用可能です。

仮想通貨GSTの購入手順(Bybit編)

以下に、海外暗号資産取引所のBybitを使用した具体的な購入手順を紹介します。

国内取引所の口座を開設

  • 国内暗号資産取引所(例: bitFlyerやCoincheck)で口座を開設し、暗号資産(例: リップル / XRP)を購入します。

海外暗号資産取引所の口座を開設

  • Bybitの公式サイトにアクセスし、アカウント作成手順に沿ってを作成します。
  • 必要な情報を入力し、本人確認(KYC)手続きを完了させます。

国内取引所からXRPをBybitに送金

  • 国内取引所で購入したXRPをBybitに送金します。
  • Bybitアプリを開き、「資産」タブから「入金」を選び、XRPの入金先アドレスを確認します。
  • 国内取引所の出金手続きを行い、確認したアドレスにXRPを送金します。

BybitでXRPをUSDTに売却

  • Bybitで「XRP/USDT」ペアを選択します。
  • 成行注文でXRPをUSDTに売却します。これにより、GSTを購入するためのUSDTが手に入ります。

売却したUSDTでGSTを購入

  • Bybitアプリの検索バーで「GST」と入力し、「GST/USDT」ペアを選びます。
  • 初心者であれば成行注文(マーケット注文)で現在価格で即購入するのが簡単です​。
  • 数量(USDT建ての購入額 or GST枚数)を入力し、買いボタンを押せば注文が成立します。
  • 指値注文で特定の価格まで下がるのを待って購入することも可能です。

仮想通貨GSTを購入できるおすすめの分散型取引所(DEX)

GRASSの取引には、分散型取引所(DEX)も重要な選択肢となります。以下に代表的なDEXの特徴を紹介します。

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Raydium

  • 概要:Solana上の老舗AMM型DEXで、DeFiユーザーからの信頼が厚い。
  • 特徴
  • Orderbook統合:Serumベースのオーダーブック流動性とAMM流動性の両方を統合。
    • LP参加が簡単:2つのトークンを預けて流動性提供が可能、報酬も得られる。
    • トークン上場も活発:新興プロジェクトのトークンが早期に取引可能になるケースも多い。
  • 利点
    • 高速・低手数料のSolanaを活用。
    • 取引画面も洗練されていて、UXが高い。
    • Jupiterとのルーティング連携もあり、価格競争力がある。

Orca

  • 概要:Solanaにおける最もシンプルかつエコシステム寄りのDEX。
  • 特徴
    • Whirlpool(集中流動性)導入済:効率的な流動性供給が可能。
    • Swap特化UI:初心者にも優しいインターフェースで、トークン交換がスムーズ。
    • コミュニティ密着:エコフレンドリーなイメージとマスコットでブランド認知が高い。
  • 利点
    • UIが直感的で初めてのDEX利用に最適。
    • GSTのような新トークンも比較的早期にリストされる可能性がある。
    • アグリゲーターとしてJupiterと併用されるケースも多い。

Jupiter

  • 概要:Solana最大のDEXアグリゲーターで、価格最適化ルーティングを実現。
  • 特徴
    • 複数DEX横断の最安価格探索:Raydium、Orca、LifinityなどSolana上のあらゆるDEXを統合。
    • スワップ手数料が最小化されやすい:ユーザーにとって最もお得な価格ルートを自動選択。
    • 多機能:スワップ、リミット注文、ブリッジ(Wormhole経由)など機能が豊富。
  • 利点
    • GSTがどのDEXで扱われても、Jupiterで自動的に最適なルートが選ばれる
    • テクに詳しくないユーザーでも、簡単に使えてコストパフォーマンス◎。
    • 最新トークンにも迅速に対応する傾向がある。

仮想通貨GSTの購入手順(Raydium編)

GSTはSolanaチェーン上の分散型取引所(DEX)で、自分のウォレットを使って直接購入することも可能です。以下にその手順を解説します。

RaydiumでGSTをスワップする準備ステップ

Solanaウォレットを用意する

  • Phantom(日本語対応・ブラウザ拡張型)またはSolflareがおすすめ
  • インストール後、Solanaメインネットを選択しておくこと

SOLを入手してウォレットに送金

  • DEXでのスワップにはSOLが必要(ガス代&取引通貨)
  • 国内外の取引所でSOLを購入し、自分のウォレットへ送金
  • 送金時は「Solanaネットワーク」とアドレスミスに注意

Raydiumにアクセスしてウォレットを接続

  • https://raydium.io にアクセス
  • 「Connect Wallet」からPhantomなどを選び接続
  • 成功すると、残高などが画面右上に表示される

GSTトークンを選択する

  • スワップ画面で「From」にSOLまたはUSDCを選択
  • 「To」でGSTを選ぶ(リストにない場合は手動追加)
  • 手動追加用コントラクトアドレス:
    AFbX8oGjGpmVFywbVouvhQSRmiW2aR1mohfahi4Y2AdB
  • 正しく入力すればGSTトークンが表示される

関連記事:おすすめの暗号資産ウォレット5選|ソラナ(SOL)編

1. スワップ画面へ移動

Raydiumのアプリを開き、トップナビゲーションメニューから「Swap」を選択します。その後、ウォレットを接続してください。

2. トークンを選択

スワップしたいトークンをドロップダウンメニューから選択するか、トークンのミントアドレスを直接入力してください。本ガイドでは、SOLからRAYへのスワップを例に説明します

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3. スワップする数量を入力

スワップしたいトークンの数量、または受け取りたい数量を入力し、「Swap」ボタンをクリックしてください。

4. トランザクションの完了を確認

スワップ後のトークン表示について

取引が完了すると、ウォレットの残高に新しいトークンが反映されます。ただし、表示が更新されるまでに数秒ほど時間がかかることがあります。スワップ後、PhantomウォレットにGRASSトークンが表示されない場合は、手動で追加しましょう。Phantomの「カスタム追加」機能に、先ほどのコントラクトアドレスを入力すると表示されます。

スワップ時の注意点

  • 価格インパクト(Price Impact) を必ず確認しましょう。特に、大きな額のスワップや流動性の低いプールを利用する場合は、併せて「最小受取額(Minimum Received)」もチェックしてください。
  • スリッページ許容値(Slippage Tolerance) は、予想価格と実際に約定する価格の差を管理するために適切に設定しましょう。設定はスワップ画面右上または設定パネルから変更可能です。

エラー発生時の対応策

「TimeOut」エラーが表示された場合は、トランザクションがブロックチェーンに届いていない可能性があります。取引の成功率を高めるために、優先手数料(Priority Fees)を少し高く設定すると承認されやすくなります。ただし、過度な設定は無駄なコストになるため、注意が必要です。

関連記事:ソラナの分散型取引所(DEX)Raydiumの使い方

日本における規制・政策動向(2025年時点)

日本のCBDC, 米国のCBDCニュース

日本では暗号資産分野について規制と育成の両方が進んでいます。2024年11月、金融庁はBybitやMEXCなど、無登録で日本向けに暗号資産サービスを提供した海外取引所5社に警告を発出。これを受け2025年2月、国内のApp StoreやGoogle Playからこれらの取引所アプリが一斉削除されました。

一方で日本政府は、Web3業界の健全な発展に向けた動きも進めています。2024年4月には自民党プロジェクトチームが「Web3ホワイトペーパー2024」をまとめ、業界の環境整備を提言しています。

また経済産業省(METI)も「Web3.0政策推進室」を設置し、省庁横断でブロックチェーン活用を推進中です。その具体策として、2023年度には「ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」を開始。地域振興や行政サービスへのWeb3技術導入を政府主導で支援し、選定事業者には2024年2月末までの実証実験の機会を提供しました。

こうした動きから、日本ではブロックチェーンを投機対象ではなく、新しい社会インフラや産業基盤として位置付ける政策が加速しています。

日本におけるSTEPNの普及状況(2025年)

STEPNは2022年、日本でも大きな注目を集め、暗号資産初心者を含め多くのユーザーが参加しました。当時はユーザーの半数近くが日本人だったとも言われています。

しかし2025年現在、ユーザー数はピーク時から大幅に減少しています。2022年5月には世界全体で1日あたり約70万人のユーザーが活動していましたが、その後のトークン価格下落や競合アプリの台頭で減少傾向にあります。

2024年3月にはGST・GMTの価格が一時回復し、約5万人のユーザーが活動しましたが、2025年の日本では、現在もアクティブに使い続けているのは一部のコアユーザーのみで、新規参入は限定的な状況となっています

世界のMove to Earn市場の成長予測

STEPNのように運動で暗号資産などが稼げるアプリを総称して Move to Earn(M2E) と呼びます。一時期のブームは落ち着きましたが、新規ユーザーの拡大や他分野との融合で市場は今後も成長が見込まれています。

2022年時点の市場規模は約4.66億ドルで、2032年には約24.74億ドル(約2,700億円)まで拡大すると予測されています(年平均成長率18.2%)。

市場拡大の要因

  • 健康志向とゲーミフィケーション
    健康意識の高まりとゲーム要素による継続モチベーション向上が期待されています。STEPNやSweatcoin(累計5,000万DL以上)の成功が示すように、初心者層にも運動のきっかけを与えています。
  • ブロックチェーンと企業連携
    NFTやトークンを用いた報酬により透明性が保たれています。STEPNはSolana、BSC、Ethereumと連携し、NFTスニーカーのブランドコラボも進めています。
  • 投資資金の流入
    M2E関連プロジェクトへの資金調達も活発です。2024年までに業界全体で1億2000万ドル以上が調達されており、市場成長を後押ししています。

一方、ユーザーのトークン売却による価格下落が課題となっています。STEPNのGSTも価格急落でユーザー離脱を招きました。このため、各プロジェクトはトークン経済(トークノミクス)の持続可能性改善に取り組んでいます。

関連記事:プレイ・トゥ・アーン(P2E)ゲームに税金はかかるか?

まとめ:適切な方法で安全に仮想通貨GSTを購入しよう

STEPNは「歩いて稼ぐ」という革新的なコンセプトで話題を呼んだブロックチェーンゲームです。その中心となるゲーム内通貨「GST」は、運動することで獲得し、ゲーム内で消費するという循環型のトークン設計が特徴です。ただし、日本円に換金するためには海外取引所を経由する必要があり、日本国内の規制にも留意することが重要となります。まだ課題はあるものの、M2E市場の将来性は依然として高く、初心者も仕組みを理解して参加してみる価値は十分にあるでしょう。

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