トラスティッド

仮想通貨取引のリスクと感情のコントロール

22分
投稿者 Ikkan Kawade
編集 Shigeki Mori

暗号資産投資は、多くの人にとって魅力的な一方で、感情に左右されやすいという落とし穴があります。投資対象である暗号資産は価格変動が激しいため、投資家は躁鬱状態に陥りやすく、適切な判断を失ってしまう可能性があるのです。

そこで本記事では、仮想通貨取引のリスクと感情のコントロールについて解説します。暗号資産投資家の人は、ぜひ最後までご覧ください。

PROトレーダーに聞いてみよう!BeInCryptoのTelegramトレーディングコミュニティーに参加しませんか?暗号資産に関する最もホットなニュースを読む・議論する・分析するなど、プロトレーダーと専門家と交流しながら情報ゲット!さあ、今すぐ参加しよう!

暗号資産投資におけるリスク

超低位株と同様に、プレセールで販売される仮想通貨も高リスクな投資対象として知られています。流動性や情報量の少なさ、時価総額の低さなどが主な理由として挙げられます。

トップクラスの暗号資産(仮想通貨)でもボラティリティ(価格の変動性)が高い

メジャーな資産以外の仮想通貨は時価総額が小さいことが多く、ディベロッパーディベロッパー自身が匿名または偽名で(取引を行なう)ことも少なくありません。こうした要因は、仮想通貨市場の通常の変動に加え、価格それ自体のボラティリティ(変動性)につながる可能性をもたらします。結果として、暗号(code)がコピーされ、手を加えられ、新しい名前の通貨として登場することもあります。

「ドージコイン(Dogecoin)は、こんなふうに1週間もたたずに生まれたんだ」と創始者であるパルマー(Palmer)とマーカス(Markus)も語っています。ハードフォーク(仕様の変更もよく起きる話で、イーサリアムからイーサリアムクラシック、ビットコインからビットコインキャッシュなど、例を挙げればキリがありません。さらに、ボラティリティ(価格の変動性)に加え、ビットコインのようなトップクラスの資産にも影響を与える外的要因もあります。

ツイートが仮想通貨市場にどのような影響を与えたかを示すグラフ:TradingView

過去においては、一つのツイートが市場に劇的な影響を与えることがありました。暗号資産業界では一連の取引がめまぐるしく展開するので、ソーシャルメディアが拡散する性質と共通すするものがあります。誰かが極めてネガティブな感情を露わにすれば、何百万人もの人々がビットコインを売却することも起きるのです。

この例としては、つい最近、ビットコインが暴落(cascaded down)し、抵抗水準の30000ドルで1ヶ月以上もみ合う状況がありました。一方、(事態を)静観していた「実力者」たちは、これを好機と捉え、下落ディップ(dip)のなかで(ビットコイン)を買い続けていました。クリプト・バンテージ(Crypto Vantage)が先日行った調査によると、すべて(の状況)が終息したのを見て、(手をこまねいていた通常の)仮想通貨トレーダーたちは深く後悔しているとのことでした。

市場を見誤ってFUD(恐怖、不確実性、疑念)を抱き、一つの資産のみに(取引の)望みを託すことは、新規参入者が陥りやすい過ちです。特に後者は、株式取引では分散投資が基本であるだけに、深刻な問題です。

仮想通貨の証拠金取引とオプション取引

ある資産に大きな期待をかけて投資することと、その資産の特定の値動きに賭けることは、別のことのようで同じ意味を表します。(双方に共通する)アクティブな取引手法を用いれば、一晩で大金持ちになることがある一方で、喪失感にうちひしがれる場合もあるからです。

例えば、利用する取引所によっては、市場へ参入するときに最大で300倍のレバレッジをかけることができます。従って、50ドル×300倍のマージントレード(証拠金取引)を行う場合、15,000ドルで市場にエントリーできることになります。仮想通貨(の価格)が上昇した場合、一定の比率で自動の利益確定(TP)注文を設定することができます。しかし、エントリー後に価格が下がったときに、マージンコール(追加証拠金)を避け、再び価格が上がることを期待しているなら、継続的に資金を補充する必要があります。

これは極めて常習癖になりやすく、レバレッジをかけたわずか50ドルをはるかに超える資金が枯渇してしまう可能性があります。他方、仮想通貨オプション取引(価格がロングまたはショートになるように賭けること)でも、同じように苦境に陥る場合があります

ビットコインの清算注文グラフ(liquidation): Skew

実際に、2022年7月には887,000人以上もの仮想通貨オプションのトレーダーが12億ドル相当のビットコインの清算に追い込まれましたが、その(実に)92%が空売り(ショート)ポジションでした。彼らは市場の動きを見誤り、ビットコイン価格の上昇ではなく、下落する方に賭けたのですが、結果は事実の通リです。こうした勝ち負けのケースが、一日の間に繰り返されることになるのです。

(このような経緯から)仮想通貨取引にともなう(投資家の)感情が悪循環とならないように、損失リスクを最小に抑えるにはどうしたらよいかという考えが生まれてくるのです。

仮想通貨取引で感情をコントロールする方法

仮想通貨トレーダーが頭を抱える主な理由は何でしょうか?率直に言えば、彼らの資金による投資は、情緒的な賭け事になってしまっているのです。(取引に使う)資産を資金としてではなく、車や家、借金のない未来(の生活)に値するものとしてとらえているのです。

これは、仮想通貨取引を行う上では、根本的に間違った考え方です。ここでは、(投資家にとって)支障となる仮想通貨取引にともなう感情を払拭(ふっしょく)するためのステップを紹介します。

1. 損失に備える

投資には安全性の度合いがいくつかありますが、仮想通貨取引で用いる資金は経済的自由を得るための最後の手段となってはなりません。むしろ、その資金はもうすでに失ってしまったと心得るべきです。仮想通貨を購入するために費やした資金を想像してみてください。それらが蒸発してしまうか、トイレに流されるのか、あるいは自分の(手元にまだ)持っているのかをよく考えてみてください。

自分の心の状態が、これから行なう投資からかけ離れている(ことに気づいてください)。プラス(の結果を得たこと)は偶然の賜物(たまもの)とみなし、損失は十分に予想され受け入れられるべきものと考えましょう。そうすれば、仮想通貨取引にともなう感情が、市場から退出する際に悪循環に陥ることはありません。実際(の取引)では、自信をつけるために小さく始めるべきです。損失をこうむっても気にならない程度で始めてください。

2.  FUD(恐怖・不確実・疑問)情報を検証する

Breakdown of global renewables penetration in bitcoin mining: CoinShares

2021年以前からビットコインを保有し続けている古参投資家たちは、イーロン・マスク氏のような著名人の発言にも動揺しません。彼らは、ビットコインの技術的な基盤である「ファンダメンタルズ」を深く理解しているからです。

例えば、2019年の調査では、ビットコインマイニングネットワークの74%が再生可能エネルギーで稼働していることが分かっています。中国でのマイニング規制強化についても、マイニング拠点が西側諸国に移行することで、ネットワークの分散化が進むという好影響があると捉えています。

さらに、フィデリティ・インベストメンツが北米最大級のビットコインマイニング企業であるマラソン・デジタルホールディングスの株式を7.4%取得したことも、古参投資家たちの信頼を支えています。マラソン社は生産量を5倍に増やす計画を発表しており、これは機関投資家がビットコイン長期成長への期待を強めている表れと言えるでしょう。

古参投資家たちがビットコインを長期保有し続ける理由は、FRBによる無制限の紙幣増刷とそれに伴うインフレ懸念への対抗手段として見ているからです。法定通貨とは異なり、ビットコインは発行量に上限があるため、インフレに対するヘッジ機能としての役割が期待されています。

このように、古参ビットコインホルダーは、短期的な値動きに惑わされることなく、ビットコインの長期的な価値を信じて投資を続けているのです。

FRBの言動に株式市場はどう反応するか:フォーブス

株式市場が高値圏にある以上、FRBは金融市場の安定を保つために紙幣を刷り続ける必要があります。デフレ型資産はこうした力学から最も恩恵を受けるわけですが、しかし一方で、これが米連邦通貨制度の枠外にあるデフレ型暗号通貨であるビットコインを、長期的に弱気視する理由となるのです。

つまり(一連の流れをみると)、(ビットコインの)パニック売りがイーロン・マスク氏がこじ開けたドアめがけて殺到するなかで、ガチホ組(HODLer)は割安価格でビットコインを買い増すため、こうした下落を歓迎していたというわけです。

この出来事から2つの教訓が得られます。

  • 投資している資産の根本的な価値をよく理解すること
  • (投下した金銭は)すでに損失したものとみなし、終わった取引にこだわらないこと

これらを実践することにより、FUDが起きたときでも、状況を冷静に考える余裕ができ、売却する際にも気持ちを落ち着かせてさらにリサーチができるのです。

3. 潜在的な損失を分散させる

株式市場では、優良企業で構成されるS&P500のETF指数に投資することは、すでに十分な分散投資と考えられています。製造業やハイテク企業から接客業や銀行業まで、最も安定した企業を網羅(もうら)しているからです。実際、S&P 500は長期にわたって上昇したのも、常に連邦準備制度(Federal Reserve)による追加の金融注入を当てにすることができたからです。

これに対して、分散型暗号資産業界にはそのような特権は望めないため、各仮想通貨はそれぞれの固有の長所に基づいて(取引の有効性が)判断されることになります。

  • ビットコインー 広く普及したデフレに強い仮想通貨
  • イーサリアム仮想通貨としての機能、および従来の金融インフラを再構築するDeFiプロトコルを支えるDeFiインフラ
  • チェーンリンクオフチェーンの世界データをオンチェーン・スマートコントラクト( on-chain smart contracts)へ提供
  • アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)-独自のNFTと農作物収穫エコシステムを有するブロックチェーンゲーム

暗号資産(仮想通貨)の種類は多いので、それぞれ提案力、チーム体制、沿革、競合他社の存在を考慮する必要があります。そして、さまざまなカテゴリーの中から最も有望な(仮想通貨)を5つほど選び、分散投資のバスケットに入れるのです。それにより、価格変動の影響も分散され、潜在的な損失を最小限に抑えることができます。

4. 実践は自信を生む

暗号資産投資において、多くの投資家は「全財産を失うような投資はするな」という格言を念頭に置き、ポートフォリオの構築や投資判断を行っています。しかし、高頻度取引やマージン取引などの積極的なアプローチを目指す投資家にとっては、テクニカル分析が必須のスキルとなります。

テクニカル分析とは、過去の価格データを用いて、将来の市場動向を予測しようとする手法です。 多くの取引所では、デモ口座を提供しており、実際の資金を投入する前に仮想通貨取引の練習することができます。

チャート分析やテクニカル指標を理解することで、市場の動きをより深く理解し、エントリーポイントや退出ポイントを判断することができます。これらのパターンは必ずしも完璧ではありませんが、有効活用することで投資判断の精度を高めることができます。

しかし、テクニカル分析は万能ではありません。 未来を完璧に予測することは不可能であり、指標はあくまで確率的な情報を提供するものでしかありません。ギャンブルよりはリスクが低いとはいえ、投資には必ずリスクが伴います。

多くの成功者は、株式市場と同様に、一貫した投資手法を継続することで利益を上げています。テクニカル分析は、そのような投資手法の一要素として有効活用することができます。

5. 負けと勝ちの両方から学ぶ

トレードで損失を出してしまった場合、その原因を分析することが重要です。テクニカル指標の読み間違い、間違った指標の使用、計画の逸脱など、様々な要因が考えられます。

一方、勝った場合も、その要因を冷静に分析する必要があります。運に頼った勝利は、長期的に見ると損失に繋がる可能性が高いからです。

トレードを成功させるためには、以下の3つのステップが重要です。

  1. 取引レシピの改善:過去の取引を分析し、取引レシピの改善点を見つけます。まぐれ当たりは取引手法から排除し、再現性の高い戦略を構築しましょう。
  2. 感情をコントロール:損失が出た時に感情的になるのはNGです。冷静に分析し、改善点を見つけるようにしましょう。
  3. リスク管理:許容できるリスクレベルを常に意識し、その範囲内で投資を行うことが重要です。

適切なバランス感覚を身につける

最後に、暗号資産への投資に取り組まないこと自体がリスクとなる可能性を付け加えておきます。米ドルはマネーサプライが増え続けているため、その価値を今後も失い続けると予想されます。欧州の多くの国では、銀行はすでにマイナス金利によって預金者に課金しているのが実状です。このような情勢のなかで、許容できるリスクレベルを見極め、それに基づいて行動することが重要であることを忘れないでください。

ベスト暗号資産取引所
Bitget Bitget 見る
Phemex Phemex 見る
Margex Margex 見る
Bybit Bybit 見る
Coinrule Coinrule 見る
ベスト暗号資産取引所
Bitget Bitget 見る
Phemex Phemex 見る
Margex Margex 見る
Bybit Bybit 見る
Coinrule Coinrule 見る

Follow us on:

X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル

免責事項 - Disclaimers

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報をもとに読者が取る行動は、あくまでも読者自身のリスクで行うものとします。「Learn」サイトでは、質の高い情報を提供することを第一に考えています。私たちは、読者にとって有益な教育的コンテンツを特定し、調査し、作成するために時間をかけています。この基準を維持し、素晴らしいコンテンツを作成し続けるために、私たちのパートナーは、私たちの記事への掲載に対して手数料を支払う場合があります。しかし、これらのコミッションは、偏りのない、誠実で有益なコンテンツを作成するためであり、私たちの活動プロセスに影響を与えることはありません。

Frame-2204.png
2020年よりBTC投資をはじめる。同時に、暗号資産ブログとSNSの運用を開始。DeFiでの資産運用・Play to Earnゲーム・国内NFTへの投資も積極的に行う。メタバースに深い関心があり、「メタバースへの移住」が目標。
筆者の紹介を全文表示
スポンサー
スポンサー