「女性ウォーレン・バフェット」と称されるキャシー・ウッド氏率いるアーク・インベストメント社は将来的にビットコイン(BTC)が1億円になると予想しています。2024年1月にビットコインETF(上場投資信託)が米国で承認され、機関投資家のビットコインへの投資意欲が高まり、市場規模が拡大中です。そこで、ビットコインは将来1BTCが1億円になるのか、最新予測とともにビットコインの投資戦略について解説しています。
ビットコインの5つの主な特徴
- 中央管理者がいない(分散型)
中央銀行などが存在せず、発行量や取引を誰も操作できない分散型ネットワークです。 - 発行上限が決まっている(希少性)
ビットコインの発行量は2,100万BTCまでと上限が決まっています。約4年ごと(21万ブロック)にマイニング報酬が半減し、直近では2024年4月に4回目の半減期を迎えました。 - 取引履歴が公開されている(透明性)
すべての取引履歴がブロックチェーン上に公開され、誰でもリアルタイムで確認できます。 - 少額から取引可能(柔軟性)
ビットコインは「サトシ」という最小単位(1BTC=1億サトシ)に分割可能。コミュニティでは少額積立投資「StackingSats(サトシ積立)」が普及しています。 - 国境を超えた取引(検閲耐性)
インターネット環境さえあれば、世界中どこでも低コストで直接送受金が可能です。
ビットコインの活用例と将来性
ビットコインは「デジタル・ゴールド」として価値の長期保存(ストア・オブ・バリュー)の手段として注目され、2024年1月に米SECがビットコイン現物ETFを承認したことで、機関投資家の参入が加速しています。また、エルサルバドルは2021年にビットコインを法定通貨化し、国際送金コスト削減を目指しています。
少額決済には「ライトニングネットワーク」が普及し、手数料を大幅に下げることで、銀行口座を持たないアンバンクト層の金融包摂を促進しています。金融資産という側面以外にも「世界的な金融格差を縮小する可能性」も持ち合わせており、これまでの金融の形を大きく変えるアセットとして注目されています。上記のような理由から、ビットコインは将来1億円をも超える可能性もあると示唆されています。
関連記事:ビットコイン価格予測|2024年・2025年・2030年
ビットコインはいつ1億円に到達する?専門家の予測とその根拠を解説

ビットコインが将来的に1億円(約100万ドル)を超えるという予測が、最近さまざまな専門家や金融機関から相次いでいます。しかし、具体的にはいつ、どのような理由で価格がそこまで上がるのか、気になる人も多いでしょう。
ビットコインが1億円になる可能性は高まっている?
結論から言えば。現在の専門家たちの分析を総合すると、ビットコインは「2030年前後に1億円を突破する可能性が高い」とされています。
ただし、経済環境や規制状況によっては、少し遅れて2033年頃になる可能性もあります。
その根拠として挙げられるのは、次の3つです。
- 新規発行されるビットコインが減少する「半減期」
- 上場投資信託(ETF)の拡大による需要の増加
- インフレに対する資産保護手段としてのビットコイン需要増加
以下で、これらを初心者にもわかりやすく説明していきます。
ビットコインが1億円になると考えられる3つの理由

理由1:半減期でビットコインの供給が減るから
ビットコインは約4年ごとに「半減期」という仕組みがあります。これは新しく発行されるビットコインの量が半分になることです。
米国の投資会社であるARKインベストは、この仕組みによって新しく市場に出回るビットコインが2030年には1日に約450枚程度まで減ると予測しています。そのため、供給が減って希少性が高まり、2030年頃に1億円を突破する可能性があると指摘しています。
理由2:ETFによる投資家の需要増加
ビットコインETF(上場投資信託)は、個人だけでなく機関投資家も簡単にビットコインへ投資できる仕組みです。

米国の大手資産運用会社フィデリティの暗号資産部門であるフィデリティデジタルアセットは、ETFが普及して投資家の買いが継続すれば、2031年にはビットコインが約1億円前後(80万~120万ドル)に達すると予測しています。
また、米国の暗号資産運用会社ビットワイズは、米政府が「戦略的ビットコイン備蓄」を導入すれば、さらに価格上昇が加速すると予測しています。ビットコイン政策研究所(BPI)の幹部らは、米国が100万BTCを購入すれば、価格は1BTC=100万ドルに急騰する可能性があると指摘。トランプ大統領の大統領令を受け、米国が「ビットコイン超大国」を目指す動きに世界が注目しています。
元ビットメックスCEOのアーサー・ヘイズ氏も「米中の貿易戦争がドルへの信頼を低下させれば、ビットコインは1億円を超える可能性が高まる」と指摘しています。
理由3:インフレヘッジとしての需要拡大
英国の大手銀行スタンダードチャータードは、ドルの実質金利(物価を考慮した実際の金利)が低下すると、多くの投資家が資金をドル以外の資産に移すため、ビットコインのような資産に需要が集中すると予測しています。この影響で、2032年前後には1億円に達する可能性が高いとしています。
米ETF運用会社ヴァンエックも、「ビットコインはデジタルの金」と位置づけ、実物の金市場の半分ほどにまで価値が伸びれば、2050年には約3億円を超えるとの予測を発表しています。
ビットコインが1億円に達すると予測する専門家とその時期
以下は代表的な専門家や金融機関の予測を簡単にまとめたものです。
公表時期 | 専門家・企業名 | 1億円達成年 | 主な根拠 |
---|---|---|---|
2025年 | 米投資会社ARKインベスト | 2030年 | 半減期、ETF拡大 |
2025年 | 米資産運用会社フィデリティ | 2031年 | ETF普及 |
2024年 | 英銀行スタンダードチャータード | 2032年前後 | 米ドル金利低下 |
2024年 | 米ETF大手ヴァンエック | 2030年 | デジタルの金としての需要増加 |
2024年 | 米証券調査会社バーンスタイン | 2033年 | 機関投資家の資金増加 |
ビットコインが1億円になる際のリスクや遅延要因
ビットコインの価格が1億円に達するためには、いくつかのリスク要因をクリアする必要があります。
特に以下の点は価格上昇を遅らせる可能性があります。
- 「マウントゴックス事件」の返済による大量売却リスク(約14万BTC)
- 世界的な金融引き締めによるリスク資産への投資減少
- 各国政府の規制強化や課税強化による資金流入の抑制
暗号資産リサーチ会社のK33リサーチは、これらのリスクを考慮しても2033年頃には1億円に達すると予測しており、長期的にはリスクより需要が勝るとしています。
著名人もビットコインが1億円を超えると予測
ビットコイン価格が大きく上がることを予測する著名人もいます。
- 元米国大統領の息子、エリック・トランプ氏は「ビットコインは必ず1億円に達する」と主張しています。
- ブロックストリームCEOのアダム・バック氏は、「米政府が戦略的備蓄を始めればビットコイン価格は1億円を簡単に超える」と強気です。
- ツイッターの創業者ジャック・ドーシー氏も、2030年までには1億円を突破すると明言しています。
こうした発言は市場心理を後押しし、投資家の期待を高める要因にもなっています。
著名人コメントの温度差
- アーサー・ヘイズ氏(元BitMEX CEO)
- 米中関税戦争がドル不信を招き、国家備蓄需要を刺激
- 「ビットコインは1億円(100万ドル)を超える」と強気
- ジェフ・パーク氏(Bitwise 資産運用会社アナリスト)
- 米政府が戦略的ビットコイン備蓄を導入しても実現確率は10%未満と分析
- 政策実現性と市場吸収力を冷静に評価し、上値余地は限定的と見る
ポイント
強気派は地政学リスクと希少性に重きを置き、慎重派は政策実現性と実需を重視します。両者の視点を客観的に分析することでバイアスのないシナリオ予測が可能となります。
ビットコインが1億円になる時期と注意点
各専門家や金融機関の予測を総合すると、ビットコインが1億円を超える可能性が現実的に高まっています。現在の中央値は「2030年前後」です。ただし、経済環境や政策の影響によっては数年遅れる可能性もあります。さらに、日本円ベースでの価格を考える際は、為替の変動も無視できません。円安が進めば、ドル建てのビットコイン価格が同じでも、円換算での価格は大きく上昇する可能性があります。
為替感応度一覧(1BTC=100万ドル想定)
ドル円レート | 円換算額(円) |
---|---|
90 | 90,000,000 |
100 | 100,000,000 |
110 | 110,000,000 |
120 | 120,000,000 |
130 | 130,000,000 |
140 | 140,000,000 |
150 | 150,000,000 |
160 | 160,000,000 |
170 | 170,000,000 |
180 | 180,000,000 |
190 | 190,000,000 |
200 | 200,000,000 |
ポイント
円安が進むほど円建て目標額は前倒しで達成されます。価格予測と同時に為替シナリオも組み込むと精度が上がります。
ビットコインの価格上昇は供給の制限と需要の拡大が理由ですが、同時に規制リスクや市場の変動にも注意が必要です。長期投資を考える場合、常に最新情報を確認し、無理のない投資スタイルを心がけましょう。
関連記事:日本企業のビットコイン&暗号資産保有ランキング|2025年版
ビットコインのおすすめの投資方法

ビットコインのおすすめ投資方法は、「長期のつみたて投資」です。つみたて投資とは、一定額を定期的に積み立てていく投資方法のこと。ビットコインの価格は、短期的には変動が激しいことがあるため、短期的な利益を狙う場合は、タイミングを間違えると大きな損失を被るリスクがあります。しかし、長期的にビットコインに投資する場合は、つみたて投資がおすすめです。つみたて投資をを行うことで、価格が下落しても平均購入単価を下げることができるため、リスクを抑えることができます。具体的な理由は、以下です。
- ドルコスト平均法を利用できる
ドルコスト平均法は、長期的に一定のタイミングで購入するため、価格変動のブレに影響されにくく、機会損失を考えずに最小限のリスクで投資をすることができます。時間分散によるリスクを抑えた投資ができるため、安定したリターンを得られるのが大きなメリットです - 初心者でも心理的負担が少ない
毎月一定額を積み立てていく投資方法なため、初心者でも無理なく投資を継続することができるのも特徴。基本的には、取引所から設定をおこない、一度設定をすれば、一定のタイミングと金額で「自動買付」ができます。指定の銀行口座から引き落としをするため、都度入金する手間がかからず、価格を気にする必要もないため、心理的負担が少ないです。
具体的に、過去のデータを見ると、ビットコインの価格は大きく上下を繰り返しながらも、長期的には右肩上がりの傾向があります。2017年から現在まで、月に1万円ずつ積み立てた場合、投資額は総額108万円になりますが、2025年4月現在の評価額は約820万円になっています。この事実は、長期間継続して積み立てを行うことのメリットを明確に示しています。
また、日本で投資をする際は、以下の点も重要です。
- 税金面の考慮(利益は雑所得として最高55%の税率が適用されるため、納税資金の確保)
- 安全な資産管理方法(ハードウェアウォレット利用、取引所での2段階認証や出金制限設定)
国内税制別シミュレーション(前提:1BTCを1,000万円で購入し1億円で売却)
税方式 | 売却額(円) | 取得額(円) | 利益(円) | 税額(円) | 最終利益(円) | 実質手取り(円) |
---|---|---|---|---|---|---|
総合課税55% | 100,000,000 | 10,000,000 | 90,000,000 | 49,500,000 | 40,500,000 | 50,500,000 |
分離課税20% | 100,000,000 | 10,000,000 | 90,000,000 | 18,000,000 | 72,000,000 | 82,000,000 |
ポイント
総合課税と分離課税では手取り額が3,000万円以上違います。税制改正の動向はリターン予測の前提条件として必ずチェックが必要です。
長期のつみたて投資は、心理的負担が少なく、初心者にも適した投資方法です。定期的に自動引き落とし設定をすれば、毎回の値動きを細かくチェックする必要がなく、安心して続けられます。
関連記事:暗号資産(仮想通貨)の初心者が知っておくべき7つのこと
まとめ:ビットコインは2030年前後に1億円になる可能性も高い

結論として、専門家や金融機関の多くは、ビットコインの価格が2030年前後に1億円を突破する可能性が高いと予測しています。供給が減る半減期やETFの普及、さらにはインフレ対策としての需要増加が主な理由です。ビットコインの価格予測は難しいため、毎月コツコツ積み立て投資で資産形成していくのがベストといえるでしょう。さらに長期的には価格上昇が期待される一方、市場の変動や規制リスクもあるため、積立投資をベースにすることででリスクを抑えながら投資を検討すると良いでしょう。
よくある質問
主要機関の中央値は2030年前後。半減期とETF資金流入が継続する場合に到達確率が高まります。
ドル円レートが影響します。たとえば150円なら1億5000万円、100円なら1億円で着地します。
現行は総合課税55%が上限。分離課税20%案が議論されていますが未決定です。
毎月一定額を自動購入する積立(ドルコスト平均法)がリスク分散に有効です。
約14万BTCが市場に出る可能性がありますが、多くの機関は長期的には需給改善が上回ると見ています。
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