メタプラネットの株価は8日、前日比9.96%安の244円となった。サイモン・ゲロビッチ最高経営責任者(CEO)は同日、付与済み株式の3分の1を転換した。
同社は8月、株主に対し、インサイダー向け株式プールの仕組みが株式の希薄化を増幅させたと説明していた。取締役会は発行枠を3億1950万株で凍結した。暗号資産への投資を進める同社の株式需給への影響が注目される。
メタプラネットのインサイダー株式プールが膨張した経緯
2022年、同社はレッドプラネット・ジャパンという社名だった。ホテル事業は宿泊客を失っていた。売上高は3億6600万円、営業損失は8億5800万円で、存続が危ぶまれていた。
2023年2月に株主が救済策を承認した。7人の社員が1株あたり10円で株式を買う権利のオプションを、1単位18円で取得した。
対象となったのは4600万株だった。この数字は固定されておらず、常に発行可能株式数の20%に等しかった。
そこに2024年4月、ビットコイン(BTC)が登場した。メタプラネットは新株を発行してコインを購入し、4万3000BTC保有で世界3位の法人となった。
株式数は1億5390万株から2年で13億5000万株へと増加した。新規発行ごとにプールも拡大し、3億1946万4000株に達した。
これは全体の約4分の1に相当する。
「…既存株主の希薄化を増幅させる」と、メタプラネットは8月18日の開示で明記した。
なぜ凍結では解決できなかったのか
同じ開示で条項を削除し、拡大したサイズでプールを固定した。保有者は2031年8月17日まで株式を売却できない。
10日後、サイモン・ゲロヴィッチCEOは9万2000単位の権利を行使し、付与済みの3分の1を手にした。6億4000万円で6403万2000株を取得、火曜日時点で評価額は156億円だった。
この株式設計でインサイダーに支払われた結果、同氏の個人保有比率は6.2%となった。
2024年からビットコイン業界幹部かつ株主であるデイビッド・ベイリー氏は異論を唱える。
「…メタプラネットの時価総額の20%は、決して非常識な数字ではない」と、ベイリー氏はコメントした。
メタプラネット自身の数値も一部これを裏付けている。オプション分を含めても、1株あたりのビットコイン保有量は2年で約43倍に増加した。
BeInCryptoは2025年10月、ゲロヴィッチCEOが希薄化せずに1株当たりのビットコインを増やす目的で優先株発行を提案したと報じた。
しかし、市場は納得していない。全メタプラネット株式の時価総額は約20億ドルに過ぎず、保有コインの価値は負債控除前でも約34億ドルとなっている(ビットコイン価格7万8533ドル前後)。
インサイダーは自社ビットコイン評価額を下回る企業の4分の1に相当する株式の権利を持つ。そのうち2億7300万株の追加分が、株主が取り戻したい株数となっている。









