三菱UFJ信託銀行とNTTデータは10日、デジタルアセット全般の発行・管理基盤「Progmat(プログマ)」と、NTTデータグループの社債管理基盤を連携させ、デジタル社債向け標準化インフラの構築を進めることで合意した。三菱UFJ銀行は協業を通して、事業会社などに向けて、同インフラを用いたデジタル社債の発行を支援する。
デジタル社債の普及に向け、伝統的な社債(振替債)における受託金融機関向けシステムで95%のシェアを誇るNTTデータグループと「Progmat」、振替債で多くの受託実績を有する三菱UFJ銀行が連携。金融機関や事業会社のデジタル社債への市場参入を容易にし、デジタル社債市場の活性化を図る。
現在日本国内では、累計956億円規模の公募デジタル証券(セキュリティートークン・ST)が組成されており、「Progmat」を活用したものは全13件、運用資産残高(AuM)は全体の約84%(約807億円)に上る。大部分は不動産などを対象とした資産裏付型のデジタル証券で、デジタル社債の発行は未だ試験的な段階だ。ブロックチェーン技術を活用し、発行体・債券保有者などの関係者が共通基盤で情報を共有し管理できるデジタル社債が拡大する上では、固有の付加価値提供や利便性の向上に加え、導入・移行の負荷を極力削減し、市場参加者や取扱金融機関の裾野を広げる必要があるという。

三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ銀行、NTTデータは、デジタル社債の業界横断的な標準化に向けて、「B-Apps Online」のデジタル社債管理機能「DBM(仮称)」と発行実績豊富な「Progmat」の連携を前提に、デジタル社債の業務俯瞰図と標準的な商品モデルの整理、社債管理人業務フローと基盤の充足性評価、主なインターフェイス仕様検討および概念実証の実施などが行われた。
今後は、Progmatと連携可能なデジタル社債管理用基盤DBMの商用版を実装し、NTTデータグループの振替債向けシステムを導入している受託金融機関20行の利用希望先への提供態勢を構築する。三菱UFJ銀行は同基盤を先行利用し、三菱UFJ銀行を受託金融機関とするデジタル社債について、今度内の発行を目指す。
Progmatの開発および、提供を行う三菱UFJ信託銀行の齊藤達哉氏は報道関係者に対し「22年11月頃から、両社でプロトタイプ開発を推進してきた。想定利用者の一部として、随一の社債管理実績を有する三菱UFJ銀行も検証を行い、商用化が可能であると判断した。NTTデータの既存基盤を導入している全金融機関へ提供していく方針だ」と語った。
同社は6月2日、ステーブルコイン発行管理基盤「Progmat Coin(プログマコイン)」用のパブリックブロックチェーン間のクロスチェーンインフラ構築を目的とし、TOKIとブロックチェーンの相互接続のためのミドルウェア開発を行うDatachainとの協業を開始していた。協業を行うTOKIは米サークル社と提携しているNobleと日本円ステーブルコインの開発を行っている。このことから、ステーブルコイン活用した事業事例が生まれる期待が高まっている。デジタル社債は21年にSBI証券が発行して以来、丸井グループやLINE証券などが販売を開始している。
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