三菱UFJ信託銀行(MUFJ)とトークン発行型クラウドファンディングFiNANCiE運営企業のフィナンシェおよび、Web3インフラ開発企業Gincoは31日、国内初となる信託銀行本体による「暗号資産信託」の提供に向けて協業を開始した。MUFJはフィナンシシェとともにIEO支援の検討も行う。
MUFJはGincoとの協業による具体的なサービスの1つとして、日本がトークン(暗号資産)発行市場として健全かつ魅力的な環境となることを目的に、トークン発行体に対する有利な税制と、機関投資家が暗号資産に投資できる仕組みを策定する。2023年度内の商業展開を視野に入れ、関係者は共同で必要な手続きを行い、対象トークンの権利確定(ベスティング)に基づく実装を進める。Gincoの業務用暗号資産ウォレット「Ginco Enterprise Wallet」は国内トップの導入シェアを持つ。このプロジェクトにはフィナンシェも参加する。フィナンシェは「FiNANCiE」やNFT事業、IEO支援事業などを通じ、200以上ものスポーツチームやエンタメプロジェクト、個人などトークンを活用したコミュニティおよびエコシステムの形成を支援実績を持つ。
本協業における、MUFJとGincoの役割分担は以下の通り:
社名 | 役割 |
三菱UFJ信託銀行 | ・「暗号資産信託」のスキーム開発 ・「暗号資産信託」における受託者としての信託業務提供・信託対象トークン(暗号資産)のカストディ(秘密鍵管理等) |
Ginco | ・業務用暗号資産ウォレット「Ginco Enterprise Wallet」の機能提供 ・パブリックブロックチェーン上のトークン(暗号資産)管理に必要な技術知見提供 |
三菱UFJ信託銀行とトークン発行体が共同で2種類の暗号資産信託スキームを展開。初めのスキームは、トークン発行体が新しく発行するトークンを三菱UFJ信託銀行が受託し、管理を担当。このアレンジにより、トークン発行体は機関投資家を引き付ける機会を高める。次に、機関投資家専用のスキームも設け、ベスティング後のトークンを三菱UFJ信託銀行が管理。これにより機関投資家はトークンを直接保有するリスクや手間を省いて投資が可能となる。この2つのスキームはトークン発行体と機関投資家の双方にメリットをもたらし、健全な暗号資産市場を形成するための土壌を整える。
3社は協業により、トークン発行体にとって適切な税制の適用と、機関投資家によるトークン投資が可能なスキームを提供。暗号資産ビジネスを共同で検討することで、日本がトークン発行市場として健全かつ魅力的な環境となることを目的としている。中長期的には、フィナンシェのIEO支援事業とMUFJの暗号資産信託サービスが連携する可能性も探る方向だ。加えて、他に8社が協業を模索中。
2022年10月の「兼営法施行規則」改正で、日本でも信託銀行がカストディ業務を手掛けられるようになった。この流れに乗り、三菱UFJ信託銀行はデジタルアセット管理基盤「Progmat」を開発済み。2017年4月の資金決済法施行を受け、暗号資産信託サービスを具体的に策定し、すでに2件の特許も取得している。
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