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NFTプロジェクトの成否とコミュニティ・エンゲージメントとの相関

6 mins

ヘッドライン

  • NFTビジネスでコミュニティとのつながりを構築するためには、「共創」と「共同所有」の感覚が不可欠
  • ストーリーテリングは、NFTプロダクトではなくオーディエンスの経験や感情に焦点を当てるべき
  • エンゲージメントを高めるためには、「NFT所有者だけが参加できる限定的な体験」をユーティリティとして加えることが必要
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NFT(非代替性トークン)はデジタル資産の所有権を表すことができることで人気が高まっている。なおかつNFTはコミュニティ・ビジネスと相性が良く、ユーザーに新しい体験をもたらし、コミュニティへの帰属意識を醸成することができるものだ。

共創(co-creation)、共同所有(co-ownership)、ストーリーテリング(storytelling)、コミュニティ・エンゲージメント(community engagements)など、NFTプロジェクトの成功には重要なポイントが複数ある。当社アナリストがこれらの点について考察した

NFTとコミュニティとのつながり

NFTプロジェクトの運営者は、「コミュニティと共同でNFTを創り上げる」という手法を取ることで、ユーザーに対して共創と共同所有の感覚を与えることができる。このアプローチは、ブランドとオーディエンスとの深いつながりを構築するうえで役に立つ。

ユーザーはNFTを創造するプロセスに参加することで、完成したアートワークに愛着を感じられる。このような共創のプロセスは、ユーザーのコミュニティ参加を促し、エンゲージメントを高めることにもつながる。

ストーリーテリングもまた、NFTを通じて強いコミュニティを形成するうえで重要となる。ブランドは、ユーザーのエンゲージメントを促進するため、NFTそのものではなく、顧客側に焦点を当てる必要がある。

つまり、NFTビジネスにおける”ストーリーテリング”とは、ユーザーの個人的な経験や感情を中心に据えるべきである。このアプローチを取り入れることで、より親しみやすく魅力的な物語が生まれ、新規ユーザーが参入する可能性が高まる。

NFTのユーティリティ考察

NFTプロジェクトの運営者は、ユーティリティとして「NFT所有者だけが参加できる限定的な体験」を加えるべきである。

プロダクト・デザイナーのギュイドィオネ・マチャヴァ(Guidione Machava)氏は、「このアプローチはユーザーのエンゲージメントを高め、ブランドと顧客のつながりを強化する」と、仏・パリで2月に開催されたNFTカンファレンス「NFT PARIS」で述べている。

ギュイドィオネ・マチャヴァ氏:
最大手EC企業ショッピファイ(Shopify)のブロックチェーン開発チームメンバー

NFTプロジェクトは、NFT販売による短期的な利益ではなく、コミュニティと長期的な関係を構築し、コミュニティ・エンゲージメント向上に焦点を当てることが望ましい。以下に三つの理由を挙げる。

第一に、コミュニティ・エンゲージメント向上は、結果としてブランドに対するユーザーのロイヤルティ(忠誠心)を高め、熱狂的なファンを獲得することにつながる。

第二に、NFTコミュニティへの帰属意識を醸成することで、NFT関連のテクノロジー導入・利用を促進できる。ユーザーは、自分がより大きなコミュニティの一員であると感じれば、イベント活動へのハードルも下がる。結果、NFTや関連テクノロジーの普及はさらに進むことが予想される。

第三に、ユーティリティとして「NFTの所有者だけが参加できる限定的な体験」を加えることが重要だ。これによりNFTそのものが持つ資産価値に加え、それ以上の付加価値を提供することができる。結果、排他性や名声の感覚が生まれ、NFTの価値はさらに高まる。

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Shunsuke Saito
青森県出身。2021年に暗号資産(仮想通貨)投資を開始後、22年よりライターとして従事。国内暗号資産メディアにてライター・編集を経て、23年3月、BeInCrypto(ビーインクリプト)にジャーナリストとして参画。ビットコイン、NFT、PoSノード、DeFiなどへの投資経験を持つ。
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