8月26日の決算発表を控え、Nvidia株は堅調な動きを見せている。同銘柄を担当するほぼすべてのアナリストが買い推奨と評価し、株価は過去1週間、1カ月、1年間にわたり上昇。決算では利益がほぼ倍増するとの予想も出ている。
表面的には慎重になる要素は見当たらない。しかし真のリスクは株価チャートには表れない。多くの市場参加者が歓迎する需要の構造そのものに潜んでおり、2008年の住宅バブル崩壊を予見した投資家マイケル・バリー氏は、これに具体的な数字を提示した。
Nvidiaの布陣に死角なし
株式市場は強気派に望まれるすべての条件を与えている。Nvidia(NVDA)は年初来でおよそ11%上昇し、春の安値約164ドルから208ドル前後まで戻した。5月の過去最高値236ドルには及ばないものの、方向性は重要である。
同銘柄は7月29日以降の決算期間に向けて上昇基調を維持しており、決算発表前に株価が下落するケースとは異なり、市場の好材料期待をうかがわせる。
アナリストの評価も揺るぎない。Nvidiaを担当する37社のうち36社が買い推奨、1社が中立、売り推奨は皆無。極めて珍しい強い買いコンセンサスが形成されている。
アナリストの目標株価も同様の方向を示している。平均値は約309ドルで、現在値より約49%高いレンジ。見積もりは下限250ドル、上限500ドルで、バーンスタインとウェルズ・ファーゴの両大手は決算直前に315ドルを再提示した。
ウォール街も同社の利益が前年同期比でほぼ倍増すると見込んでいる。さらにオプション市場では決算発表前後におよそ6%の値動きが織り込まれている。
7月時点でのNvidia株に関する分析も、同様の楽観シナリオを確認している。ただし、市場参加者の大多数が好材料を織り込んでいる場合、堅調な決算でも株価は反応しにくい。その前提が「需要が本物であること」であり、その点をバリー氏が問題視する。
リスクは決算内容に内在
バリー氏はNvidiaの需要の実態に着目した。同社はOpenAIのデータセンター関連の債務約2500億ドルを保証する方向で動いていると報じられている。これは同社製品の購入先である顧客の資金調達を自社で後押しする仕組みで、自社商品購入のために店側が顧客に資金を貸し付けているのと同じといえる。売上計上のための資金が実際は自社から出ている格好になる。
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バリー氏は警告した。これは循環取引が「聖書的な規模」に膨らむ現象だ。Nvidiaの売上と自社保証が密かに支え合う循環構造になっている。
この構造には意外な同調者もいる。
バーンスタインのステイシー・ラスゴン氏も、同社としては引き続き目標株価315ドルで買い推奨の姿勢だが、同様の循環取引リスクを指摘している。
最も強気な専門家と最も慎重な専門家が同じ構造を指摘する場合、8月26日の売上高を額面通りに評価するのは難しくなる。こうした構図は、今年前半に話題となったOpenAIによる半導体調達問題を想起させる。
下部にはさらに小さな2つのひびがある。中国には政策転換次第で消える可能性のある最大50億ドル規模の売上が残っている。また、ここ3か月でインサイダーが株価上昇中に約4億1000万ドル相当の株式を売却した。資金調達への懸念は半分に過ぎない。もう半分は、エヌビディアの技術的な優位が本当に安全なのかどうかという点である。
エヌビディアの優位性への脅威は
DeepSeek創業者のリャン・ウェンフォン氏がネット上で広まった発言で、CUDAに対する障壁を新たなツール群が下げる可能性を指摘した。CUDAは開発者をエヌビディア製ハードウェアに縛り付けているソフトウェアエコシステムである。同氏は、ファーウェイのAtlas 950システムがエヌビディアの一部ワークロードを< a href="https://www.techradar.com/pro/huawei-debuts-its-atlas-950-ai-superpod-at-mwc-2026-taking-the-ai-data-center-fight-to-nvidia-and-amd" target="_blank" rel="noreferrer noopener nofollow">肩代わりできる可能性に言及した。ただし、この場合でもファーウェイは約2年遅れていることを認めている。
さらに、グーグルやアマゾン、メタが自社開発するカスタムチップの存在もあるため、エヌビディアの支配は突然ではなく、徐々に圧力を受ける形となる。
これは、最近打撃を受けた半導体株に重くのしかかった疑念と同じ構図である。しかし資金流出は見られず、現時点では結論ではなく膠着状態となっている。
機関投資家はエヌビディア株で何をしているのか
警戒感が強まる中でも、資金の流れはより落ち着いた状況を示す。チャイキン・マネーフローの数値によれば、エヌビディアは資金流入基調となっており、機関投資家が撤退していないことがうかがえる。
つまり、買い手が依然として存在する。本稿執筆時点でも、同社は機関投資の流入が続く2銘柄の半導体株の1つとなっている。
株価は独自の動きも示す。相対力ではSOXX半導体指数に遅れをとっている。言い換えれば、機関投資家は半導体分野全体への疑念が強まる中でも、エヌビディア自体の実力を評価して買いを継続している。この分裂が決算を迎えるにあたり、すべてを物語っている。
エヌビディアは長年にわたり市場予想を上回ってきており、需要も依然として極めて強い。一方、株価は利益の30倍以上で推移し、誤算が許されない局面にある。それでも同社は決算への警戒よりも上昇を続けている。
こうした局面では、小さなひびが最も大きなダメージとなる。8月26日、問われるのはエヌビディアが予想を上回るかどうかではなく、その需要が36件の買い推奨が意味するほど堅調かどうかという点である。









