スペースX(SPCX)株は水曜日に約14%下落した。一方、エヌビディア(NVDA)は上昇し、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は下落した。3社の動静はすべて、スペースX初の決算説明会でイーロン・マスク氏が使った「ある一言」に起因する。
その言葉は「排他的(exclusively)」である。マスク氏は、スペースXが今後AI(人工知能)システムをエヌビディアのチップのみで構築すると述べた。この約束でエヌビディアは大型顧客を獲得し、他社を締め出した。
チップ取引価格を大きく動かした一言
火曜日は、マスク氏が上場企業の最高経営責任者(CEO)として臨んだ初の決算説明会であった。同氏はそこで、スペースXのAIチップ供給元をエヌビディア1社に絞る方針を明らかにした。
「今後は、エヌビディアを排他的に採用する。われわれは、Vera Rubinアーキテクチャが最良と考えている」
Vera Rubinはエヌビディアの次世代チップ基盤である。マスク氏は、スペースXが地上および宇宙空間の両方でこのプラットフォームを運用すると述べた。2025年からはStarmind構想により、衛星上でデータセンター計算機を稼働させる計画だという。エヌビディアとスペースXの新たな衛星契約により、スペースXはエヌビディアの主要顧客のひとつとなった。
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この選択は他社を完全に締め出す効果を持つ。エヌビディアは価格決定力を手にし、スペースXもAMDから事業を奪う結果となった。AMDもこれまでAIチップ顧客としてスペースXを持っていたためである。
スペースX、好決算でも下落
エヌビディア株に恩恵をもたらした同じ独占契約が、スペースXには逆風となった。エヌビディア1社に依存することで、サプライヤーとの価格交渉余地を失い、価格も受け入れざるを得なくなる。
業績自体が問題ではなかった。売上高は前年同期比92%増の78億ドル、調整後利益(EBITDA)は35億ドルに拡大した。AI部門の成長が特に顕著で、売上高は247%増であった。
それにもかかわらず、好調な初決算にも関わらず株価は反応しなかった。投資家は独占契約を「収益拡大」ではなく「支出拡大」と受け取った。
資本支出はすでに183億7000万ドルに達し、そのうち約158億ドルがAIコンピューティングに投じられた。提出資料では、AIクラウドの売上高契約は141億ドルと、同期間のAI関連支出を下回った。
1社のベンダーに依存したことで、スペースXはコスト増を抱え込んだが、それに見合う収益の確保には至っていない。だが、マスク氏が名指ししたチップ企業側の受け止め方は全く異なった。
エヌビディア上昇、AMDは好決算でも下落
この「一言」で半導体市場は二分された。エヌビディアは業界最大級の顧客を獲得したことから、終値で約3.4%上昇した。
対照的にAMDは下落した。データセンター部門売上は前年同期比107%増と記録的な四半期であったにもかかわらず、約6%下落した。
下落の要因は明確である。「独占」契約でAMDの受注分が失われ、せっかくの記録的四半期業績もこの失注で再評価された。
AMDのリサ・スーCEOは同日、この影響を軽視する姿勢を示した。同氏は、スペースXを素晴らしい企業と評し、AMDとしても引き続き誇りを持って同社と協業しているとCNBCに語った。
しかし市場は異なる判断を下した。記録的な四半期であっても、名高い顧客を競合に奪われた影響は相殺できなかった。これはここ数週間、AMDのセンチメント悪化をトレーダーが注視していたことを反映している。
下落は決算前から始まっていた
さらに重要なのは、SPCX株の下落は決算説明会前から始まっていた点である。
底値は7月下旬に記録され、これは大型株式ロック解除の約1週間前であった。その後、説明会に向けて15%以上上昇したが、水曜日の下落でその上げ幅の大半を消した。
したがって、圧力は業績ではなく供給に起因する。IPO後に初期投資家が売却できないロックアップ期間の最初の解除分として、9億1150万株のインサイダー株が木曜日に売却可能となった。
このロックアップ解除によって、公募市場で流通する株式は全体の5%未満から約12%に増加した。イーロン・マスク氏が保有する約64億株は2027年6月までロックされたままで、創業者による売却はない。株式ロック解除に伴う売り圧力が数週間にわたり株価を押し下げていた。
スペースX株をめぐるオプション取引では、独占供給に関する発言があったにもかかわらず弱気姿勢が目立つ。スペースXのプット・コール比率(取引量ベース)は、水曜日に1.16となり、電話会議当日の0.87から上昇した。
ただし、未決済建玉(オープン・インタレスト)は0.92にとどまり、大規模な弱気ポジションはまだ形成されていない。
ウォール街の見解は、この独占契約がどれほどの価値を持つかで割れている。スペースXの目標株価はフィリップ・セキュリティーズで75ドル、レイモンド・ジェームズで800ドルと幅広い。JPモルガンは同じ電話会議で目標株価を240ドルに引き上げた一方、パイパー・サンドラーは140ドルに引き下げた。強気派は、全てをNvidiaで構築することによる巨額利益に期待し、弱気派は、単一サプライヤーとなることで費用がかさみ上値が限られると見る。
今後数日間、この「独占」という一語の意味が試される展開となる。下落要因が供給にある場合、木曜日のロックアップ解除が済めば株価は安定するはずだ。下落が続くなら、Nvidiaへの独占依存がスペースXにもたらすコストが利益を上回ると市場が判断したことになる。









