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日本国内でのNFTの現状とは|取引量は過去1年の最低値を更新

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更新 Shota Oba

NFTマーケットは昨今冷え込んでおり、ブルーチップNFTのAzukiや、ユガラボが展開するHV-MTL(ヘビーメタル)のNFTのフロア価格(最低取引価格)は下落基調が続いている。暗号資産(仮想通貨)メディアThe blockが提供しているデータによれば、NFTの取引量は過去1年間で最低量の取引量を記録している。一方、日本のNFTマーケットの現状はどうだろうか?本稿では日本のNFTの現状を調査してゆく。

日本人の3人に1人がNFTを認知

Web3メディアMediverseを運営するフォーイットがこのほど公開した3,000人の20~59歳の男女を対象に行った調査によれば、日本にNFTの認知度は約3人に1人という結果だった。

調査結果によると、NFTの認知度はジェンダーによる差異が見られ、男性の認知度は40.1%で、それに対して女性の認知度はほぼ半分の20.3%となった。年齢層を見ると、NFTの認知度が最も高いのは30代で38.4%、次いで40代が34.0%と続く。一方で、最も認知度が低かったのは50代で、その比率は20.9%だった。男性と女性の間で比較すると、どちらも20%以上が「NFT(非代替性トークン)」の購入経験があると回答し、認知度と比較して購入経験の有無にはジェンダー差はほとんどないことが明らかになった。

年齢層による比較では、30代では約3人に1人、40代では約5人に1人、50代では約10人に1人が「NFT(非代替性トークン)」を購入した経験があると答え、年齢が上がるごとにその経験率は下がり、最新技術を活用した資産管理手法に対する保守的な傾向が見られた。

三菱UFJリサーチの主導で、消費者庁から公表されたレポートによると、NFTを所有しているユーザーがそれを所有する主な目的は「コレクション」が59.4%、「価値上昇による利益」が47.3%、「NFTを活用したサービスの利用」が46.9%と、多様な目的が示された。

取引量は過去1年の最低値を更新

国内でのNFTの取引量はグローバルマーケット同様下落基調が続いているようだ。アトサ氏が7月31日に投稿したデータによると日本のNFT取引量は今年の3月を皮切りに急落。7月には過去1年の最低値を更新した。

国内暗号資産取引所で取引が可能なBAYC(Bored Ape Yacht Club)の分散型コミュニティをサポートやカルチャーやゲーム、商取引で利用されるNFT関連仮想通貨APEコインは1日、252.39円を付け最低価格を更新。NFTコレクションBAYC(Bored Ape Yacht Club)は7月3日、最低取引価格(フロア価格)27.03ETHに下落。2021年10月以来の安値を更新していた。

NFTへの着実な理解が普及への鍵となるか

英保険会社Hiscoxがこのほど公開したオンライン・アート・トレード・レポート2023によると、NFT保有者の33%が、購入後のユーティリティ対し、「どうしたらいいかわからない」と回答。保有者の中にはこれらの不安感から、NFTへの興味が「消えてしまうかもしれない」と回答している人もいた。

7月25・26日に開催されたWeb3業界のための国際フォーラム「WebX」において、bitFlyer加納祐三氏はひろゆき氏との対談で、「NFTの所有権は民法上適用されない。何の権利が付与されているのかが現状曖昧であり、それを理解するのも難しい」と語り、NFTにおける誤認が流布しないよう、正しい知識のもと取引を行うことを呼びかけた。

同カンファレンスのユガラボダニエル・アレグレCEOと経産省Web3.0政策推進室板垣和夏課長補佐の対談でダニエル氏は「日本のクリエイターは、国内の知的財産権の海外進出が課題となっていたが、BAYCのようにグローバルなコミュニティ展開を重視したWeb3の手法を用いれば、その問題が解決するかもしれない」と国内NFTプロジェクトへの提言をしていた。

22年12月発表のResearchAndMarkets.comのレポートによれば、国内のNFT支出額は、28年までに8億8,720万米ドルに達すると見られている。

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Shota Oba
国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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