トランプ政権がイランの暗号資産利用への締め付けを強めている。米財務省は19日、「エコノミック・フューリー作戦」の一環として、イラン政権と関連するデジタル資産約5億ドル相当を凍結した。スコット・ベセント財務長官は先週、過去1カ月で3億4400万ドルを押収したと公表。中東情勢の緊迫化を背景に、イランの暗号資産保有額は約77億ドル規模に達するとみられている。
エコノミック・フューリー作戦の詳細
米財務省当局者によると、同作戦はイラン軍やイスラム革命防衛隊(IRGC)を主な標的とする。また、石油収益を移転する地域の代理勢力やシャドーバンキングネットワークにも対応する。
ベセント長官は、この戦略を「体制を財政危機へ追い込む試み」と位置づける。
現時点で最大の対応は、テザー社と連携したトロンネットワーク上での3億4400万ドル相当のUSDT凍結である。
この措置は、IRGC資金流用疑惑があるイラン系英国取引所に対する米国による以前の対応に続くものだ。
テヘランが保有するデジタル資産は現在約77億ドルと推定されている。この数字は、フォックスビジネスの記者ダレン・ボテリオ氏が脅威検出データに基づき報じたものである。
この総額により、イランはブロックチェーン分析企業が追跡する主な国家系暗号資産保有国の1つとなっている。
銀行規制回避の新手段としてのビットコイン
イラン体制は、従来の銀行網を介さない資金移転手段としてビットコイン(BTC)への依存を強めている。最近では、国家が支援する海上保険プラットフォーム「ホルムズ・セーフ」を展開した。
同プラットフォームは、ホルムズ海峡を通過する貨物船の保険を全てBTCで決済する仕組み。
BTCは本稿執筆時点で7万7355ドル近辺で推移しており、24時間で0.006%上昇。主要暗号資産としてイランの戦時経済に活用されることで、短期的な相場にも地政学的な影響が及ぶ。
追跡容易な仕組み、取締当局に優位性
暗号資産は制裁回避手段としての評判があるが、米当局は現実は逆だと主張する。オンチェーン取引は恒久的記録が残り、IRGCやイラン中央銀行と紐づくウォレットの特定が鑑識会社によって可能となる。
「彼ら(イラン側)は取締当局にはるかに追跡しやすい資産を利用していることが繰り返し判明した。証拠が多く残るからだ」――250デジタルアセットマネジメントのクリス・パーキンスCEOのコメントとして、フォックスビジネスが報じた。
現在は取締当局側に優位性が働く。業界関係者によると、米国は暗号資産取引所を米金融網から排除する制裁も示唆している。
その措置は、なおもイラン系資金を処理する企業を狙い撃ちする見通し。今後数週間、財務省が取引所運営会社への規制を強化するかが注目となる。
テヘランがビットコインを活用した回避策をどのように調整するかも焦点となる。









