米国の州失業保険の新規申請件数は、7月18日までの1週間で2万2000件減少し、18万7000件となった。1969年9月以来の低水準である。この減少により、米連邦準備理事会(FRB)が来週の会合で利上げに踏み切るとの観測が強まった。
CMEフェドウォッチによると、利上げ確率は先週の11.8%から33.7%へ上昇。今月初めに暗号資産価格を押し上げた利下げ期待が逆転した形。
強い雇用統計がFRBに圧力
2万2000件の減少は過去3カ月で最大。ロイターが調査したエコノミストは21万2000件への増加を予想していた。
加えて、失業手当の受給期間が1週間を超える人数(雇用動向の指標)は、7月11日までの1週間で179万6000人に減少。6週間ぶりの低水準。
この減少は米国とイランの戦争による原油価格高騰とインフレ警戒感が強まる中で起きた。こうした圧力を受け、7月29日のFOMC会合見通しは修正された。CMEフェドウォッチによれば、7月23日時点の利上げ確率は33.7%。1週間前の11.8%から大幅に上昇。一方、現状維持は66.3%となった。
オックスフォード・エコノミクスのマシュー・マーティン米国上級エコノミストは、「この失業保険申請件数の低さは見逃せない」と述べた。
「夏場は統計がぶれやすく季節要因も考えられるが、それにしても非常に低い申請件数は注目に値し、引き続き受給件数の動向も好材料である」と同氏は話した。
マーティン氏は、今後数カ月は解雇が少なく採用が堅調に推移し、失業率の抑制につながると指摘。労働供給の逼迫により4.2%を下回る可能性もあると述べた。
ただし、エコノミストは季節的な自動車工場の操業停止が数字に影響したとも警告。来週は再び20万件台前半に反発する可能性がある。
米新規失業保険申請件数の減少が暗号資産市場に与える影響
今後新規申請件数が回復する見通しはあるが、今回の数十年ぶりの低水準は、米労働市場の底堅さを改めて示すものとなった。米労働市場は依然強いとの見方が強まっている。
これにより、FRBによる利下げ急ぐ必要性は薄まる可能性がある。金利が高いと現金や債券の投資妙味が増す。利回りのない資産の保有コストも上昇する。
今月初めとは状況が一変した。雇用統計の悪化で利下げ観測が強まり、ビットコイン(BTC)は高値圏に上昇していた。
来週のFRB会合は2日間開催される。トレーダーの過半は66.3%の確率で据え置きを予想しているが、インフレ懸念の高まりから利上げ期待も強まっている。
もしタカ派的なサプライズとなれば、暗号資産市場が足元の水準を維持できるか試される。一方、来週の新規申請が反発すれば、利上げ論はすぐに後退する可能性がある。
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