ビットコイン(BTC)は木曜日、米国の雇用者数が6月に5万7000人増と、経済学者予想の半分程度にとどまったことを受け、6万2000ドル近くまで上昇した。この結果を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が再燃し、弱気筋は空売りポジションの買い戻しを迫られた。
ビットコインは、過去最悪となる2022年6月以来の月間下落率となる20.5%下落した直後に反発した。今回の反発が7万ドルまで拡大するかは、FRBの金融政策、ETFのフロー、取引所でのクジラ動向にかかっている。
弱い雇用統計がビットコイン上昇の背景に
米労働統計局の発表によると、6月の新規雇用は5万7000人と市場予想の11万3000人を大きく下回った。また、4月と5月の雇用者数も合わせて7万4000人下方修正となり、労働参加率も61.8%から61.5%に低下した。
これを受け、市場関係者の間ではFRBによる追加利上げ観測が後退し、リスク資産への資金戻りが進んだ。この雇用統計は、FRBのケビン・ウォーシュ議長がインフレリスクの後退に言及した翌日に発表されており、同発言もビットコインが水曜日に6万ドル台を回復する要因となった。
デリバティブ市場で値動きが拡大した。コイングラスのデータでは、24時間で約4億5000万ドル分の暗号資産ショートポジションが清算され、弱気筋はポジション解消を迫られた。
ビットコインは現在、6万1465ドル付近で推移しており、24時間で1.18%上昇した。しかし、依然として2025年10月に記録した過去最高値12万6080ドルを51%下回り、過去1年間で44%下落している。
ETF流出とクジラの入金が7万ドル到達への懸念材料
機関投資家の資金流入は反発を裏付けていない。ビットコイン現物ETFは、水曜日に2億9400万ドルの純流出となった。価格上昇にもかかわらず、6月のETF純流出額は過去最大の45億ドルに達し、過去最悪の月間記録を更新した。
それでもセンチメントは徐々に改善傾向にある。コインマーケットキャップによる恐怖&強欲指数は、「極度の恐怖」から「恐怖」へと改善した。
同様に、タイガーリサーチも強気姿勢に転換したとし、市場は弱気サイクルの最終局面にある可能性が高いと指摘する。
一方で、クリプトクアントは取引所で新たな警戒信号が点灯していると警告した。
「ビットコインは6万ドルのサポートを試しているが、取引所への入金増加は警告サイン。BTCの流入は1日5万枚超、ETHは125万枚超に急増、アルトコイン入金も2カ月ぶり高水準。クジラ主導の動きとみられ、今後ボラティリティ入りの兆し」とアナリストらは指摘した。
同社はさらに、平均入金額が1BTCから2BTCへと2倍に増加しており、これは個人投資家ではなくクジラ主導の傾向と付け加えた。今週、オンチェーンデータ上で降伏サインも強まっている。
過去に同様の入金急増は価格急変に先行しており、6月にはビットコインが5万8000ドルまで下落した局面があった。6万ドルを維持できなければ、クリプトクアントが重要なオンチェーン評価水準とみなす、実現価格5万3000ドル付近まで下げるリスクがある。
7万ドルへの持続的な上昇には、ETFフローがプラス転換することと、7月のFOMC会合で利下げ期待が正当化されることが条件となる。
それまでの間、20日EMAの回復が強気勢力にとって最初の試練であり、6万ドルが市場全体の注目ラインとなる。
RSIの反発は売り圧力の後退を示唆
日足のRSI(相対力指数)は43.76に上昇し、シグナルラインの35.59を上回っている。指標は6月中旬に売られ過ぎ圏で底打ちし、回復は弱気勢力の後退を示す。
50超えとなれば転換が確実となり、とくに市場全体が上昇を続ければその動きが強まる。
ビットコインは6万2000ドルに抵抗帯があり、20日EMA(6万2148ドル)とパラボリックSAR(6万2523ドル)がそれを強化する。この水準を日足終値で上抜ければ、50日EMA付近の6万6200ドルまで上昇し、約7.7%の上昇余地が生まれる。
ただし、ETFの資金流出が過去最多となっており、需要を抑制する可能性がある。一方、長期モデルはさらなる上昇を示唆する。この水準で反落した場合、5万8115ドルの再テストリスクが高まり、そのサポートを割り込むと回復シナリオは無効となる。









