AIはビットコイン採掘業界を救うか Q1暗号資産決算予想

  • ビットコインのマイナーは、2026年1-3月期の決算発表を受けて、半減期後の利益圧迫に直面している。
  • MSTR、COIN、CORZ、HUT、WULF、CIFR、Blockが、ビットコイン価格が約7万9,800ドルのなか、第1四半期決算を発表した。
  • 投資家は、AIホスティング収益が減少するマイニング利益をどれだけ早く補うかを見極める。
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ビットコインのマイナーは、2024年の半減期による収益減少でマージンが圧迫される中、2026年第1四半期の決算ウィークに突入する。AIホスティング転換の成否が初めて問われることになる。ビットコイン(BTC)は8万ドル付近で推移。

ストラテジー(MSTR)、サイファー・マイニング(CIFR)、ハット8(HUT)、コア・サイエンティフィック(CORZ)、コインベース・グローバル(COIN)、ブロック(XYZ)、テラウルフ(WULF)は、5月5日から8日までに決算を発表する。AIホスティングによる収益が、マイニング事業の収益性低下を補えるかが一部で試される見通し。

なぜ半減期後のコスト構造が依然としてビットコイン・マイナーを苦しめるのか

2024年4月の半減期により、ビットコインのブロック報酬が6.25BTCから3.125BTCに半減した。これにより、マイナーが得る新規発行分の供給が半減したかたちだ。

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ハッシュプライス(日当たりの計算能力単位あたり収益)は、2025年の最も厳しい局面で29ドル/PH/s近くまで下落した。現在も半減期前の水準より構造的に低い状態。

ビットコイン1枚あたりの平均生産コストは、前四半期で7万9,995ドル付近だったと、マイニング株トラッカーが示す。この水準ではスポット価格との間に十分な利益幅が残されていない。上場マイナー全体の負債総額は現在、40億ドルを超える。

この厳しい経済状況により、各社はマイナー機材のアップグレード、保有BTCの売却、新たな顧客への電力提供へと舵を切った。コア・サイエンティフィックは3月だけで1億7,500万ドル分のBTCを売却し、業界全体の売り圧力に同調した

AIホスティング転換、その初決算を迎える

今週決算を発表する4社の純粋マイナーは、AIおよびハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)分野で累計300億ドル超の契約を結んだ。業界全体では、上場マイナーのAI関連契約総額は700億ドル超に上る。

ハット8は、ルイジアナ州リバーベンド・キャンパスで計245MW、期間15年のAIデータセンターリース契約を2023年12月に締結し、事業転換の軸とした。

アンソロピックが、コンピュートパートナーのフルイドスタック経由でワークロード顧客となり、グーグルがリース契約の基本期間を保証。基本契約はおよそ70億ドル、更新オプション込みで177億ドルに到達する可能性。

一方、テラウルフはテキサス州アバーナシー拠点で、グーグルが支援するフルイドスタックと95億ドル規模の契約を締結。さらにレイクマリナーでの従来型契約は37億ドルに及ぶ。

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コア・サイエンティフィックは約590MW相当のCoreWeaveとの契約を保有。この契約により12年で100億ドル超の収益見込み。現在、CoreWeaveは同社を完全買収予定。

サイファー・マイニングはAI分野への転換初期段階で、規模の小さい契約と純粋なハッシュレート成長ストーリーが残る。

決算カレンダーと市場予想

ウォール街はマイナー各社や、コインベースに対して昨年比で控えめな業績予想を設定する。

Zacksインベストメントリサーチのコンセンサスおよび企業提出資料に基づく
Zacksインベストメントリサーチのコンセンサスおよび企業提出資料に基づく

なぜストラテジーとコインベースはAI関連論から外れるのか

一方、ストラテジーおよびコインベース・グローバルはAIマイナーの物語に当てはまらない。両社とも今週決算発表を控えるが、それぞれ異なるストーリーを持つ。

ストラテジーは上場市場におけるレバレッジ型ビットコイントレジャリーの代表格で、81万8,334BTCを保有。同社はすでに2026年第1四半期に144億6,000万ドルの未実現デジタル資産損失を開示済み。

マイケル・セイラー取締役会長は今週、決算発表前に週次のBTC買い入れを一時停止すると表明した。

投資家は、AIホスティング指標ではなく、トレジャリー施策や市場時価総額と純資産価値(mNAV)との乖離に着目しMSTRの決算を読む。

一方、コインベースは需要側の指標。今期の取引高は、BTCが22%、ETHが41%下落したことで大幅減少した。

アナリストは、今期の売上高を15億ドル前後と予想。前年同期比で約26%の減少となる。サブスクリプションおよびサービス収入は、5億5,000万〜6億3,000万ドル規模が見込まれ、安定的な継続収入のバロメーター。

ブロックはCash Appを通じた個人向けビットコイン需要を小規模に、間接的に示す。

注目ポイント

強気な見方はシンプルである。

  • Hut 8、テラウルフ、コア・サイエンティフィックのAI収益が市場予想を上回れば、半減期後の方針転換が正当化される。
  • ストラテジーの新たな買い再開を示唆する文書が提出されれば、MSTRと市場全体が押し上げられる可能性。

一方、マイニング関連株は年初来で25%から73%上昇しているが、ビットコインは1月以降約12%下落している。

年初来の暗号資産マイニング株とビットコイン価格のパフォーマンス比較 出典:TradingView
年初来の暗号資産マイニング株とビットコイン価格のパフォーマンス比較 出典:TradingView

弱気な見方も同様に明確である。

  • AIの成長が鈍化すれば、半減期による収益圧力がマイニング経済にとって主要な要因であることが浮き彫りとなる。
  • コインベースの取引量が低調、もしくは
  • セイラー氏の慎重な発言

より明確なシグナルを求める投資家は、今週の注目AI銘柄リストにも目を通せる。

2026年第1四半期で半減期後の方向性は決着しない。ただ、業界のAI戦略が収益を生み出しているのか、話題作りにとどまっているのか、初めて明確な数字が示される見通し。


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