バイナンスからの流出額が先週、過去3年で最高水準に達した。イーサリアム(ETH)の同取引所からの引き出しも、2023年3月以来の高水準となった。
世界最大の暗号資産取引所から、6月29日週に12億3000万ドルが流出した。これは、1週間前のおよそ4億ドルから207%増加した形だ。デフィラマのデータによる。
バイナンスからの流出が増加する理由
このタイミングは見逃せない。流出額は、欧州連合の7月1日暗号資産規制の直前にピークを迎えた。
月間純流出額はおよそ32億ドルに上ったと、デフィラマのデータは示す。ただし、バイナンスの規模を踏まえると、この金額は依然として控えめといえる。
コインゲッコーの集計によると、同取引所は2025年に主要取引所のスポット出来高の約39%を占めた。引き出し増はセルフカストディや市場のポジション調整、あるいは蓄積の動きといった側面があり、単純な理由では説明できない。
MiCAが流出の引き金か
規制は有力な要因の一つに挙げられる。暗号資産市場規則(MiCA)の移行期間は7月1日で終了する。欧州証券市場庁は、これ以上の延長を認めない方針を示した。
バイナンスは、6月30日までにMiCAライセンスの取得を断念したと認めた。7月1日以降、ポーランド、イタリア、スペイン、フランスのユーザー向けにEUでのサービスを順次縮小するとしている。関連
また同取引所は、ギリシャでのライセンス申請も数日前に取り下げた。報道によれば、規制当局が共同創業者チャンポン・ジャオ氏の承認に難色を示したという。2023年の有罪答弁や、バイナンスによる43億ドル規模の米国和解が現在も申請手続きに影響を及ぼしている。
バイナンスはこの後退を一時的措置と位置づけている。
「バイナンスは欧州から撤退するわけではない」と、欧州・英国責任者ジリアン・リンチ氏はロイターに語った。
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こうした圧力はバイナンスだけのものではない。バイビットも、同じく規制期限前に欧州ユーザー制限を開始した二つ目の大手取引所となった。こうした動きは、バイナンス固有の問題でなく、業界全体での規制対応によるものといえる。
それともETH蓄積なのか
異なる見方もある。CryptoQuantのアナリスト、Darkfost氏によると、バイナンスで1日あたり16万6000件超のイーサリアム引き出し取引が記録された。これは2023年3月以来の最高値だった。
この引き出しが起きたタイミングで、イーサリアム価格は反発したが、2025年8月のピークと比べるとおよそ67%下回っている。取引所から仮想通貨が移動することは、多くの場合売却よりも保有の意図を示す動きとされる。
過去7日間でイーサリアムは約12%上昇し、1766ドル付近で推移した。Darkfost氏は、この引き出しが直近の最安値付近での需要増を反映していると分析し、長期的な蓄積傾向との見方を示した。
今後の焦点は、期限通過後も資金流出が継続するかどうかにある。継続的な流出が確認されれば、蓄積傾向が裏付けられる。一方、再び取引所に資金が戻れば短期的なポジショニングの動きとみられる。









