ビットコイン(BTC)のボラティリティがこのほど史上最低値を記録した。暗号資産(仮想通貨)メディアThe Blockが提供するデータによれば、30日の価格変動率は平均値の43.8%を大きく下回る15.5%となっている。2022年のデジタル資産の平均年間化30日変動率は61.4%だったという。
オンチェーンデータ分析を行うグラスノードによると、ビットコインの長期保有者による売却リスク指標は2015年以来の最低値0.019%を更新。ビットコインのCME(シカゴ・マーカンタイル)取引所先物の取引量も3倍強減少しており、仮想通貨市場全体のパフォーマンスを示すCoindesk Market Index(CMI)は1.3%下落した。一方で、ボラティリティの低さは今後の価格の動向に大きく影響している。
ビットコインのボラティリティが低いことは、暗号通貨市場での大きな動きが近いことを示している。この動きはBBWP指標で確認できる。同指標は、資産の変動性の高低を示すボリンジャーバンドに基づいており、過去のバーの中でボリンジャーバンドの幅が現在よりも狭かった割合を計算する。つまり、この割合(青色)が小さいほど、資産の変動性は低い。現在のビットコインの日足チャートでBBWPは5%未満に達している。過去にも、ハッシュリボンの「買い」信号の前に、同様の低変動性が観察された。なお現在、週足のビットコインチャートではハッシュリボンが点灯している。「買い」のサインが点灯した時の平均上昇率は557%で、これまで過去に10回点灯している。
ハッシュリボンとは、ビットコインのマイニング活動と市場の健全性を示す指標として知られている。具体的には、Bitcoinの30日移動平均線と60日移動平均線の2つを観測し、これらの交差を基に「買い」または「売り」の信号を生成するもの。
暗号通貨トラッキングサイトのコインマーケットキャップによると、本稿執筆時点のBTCの価格は2万9118ドルで前日比0.58%減。直近24時間の取引量は5.24%増加しており、ビットコインドミナンスは46.95%となっている。
ビットコイン現物ETFが欧州で取引開始
ロンドンのジャコビ・アセット・マネジメントは、ヨーロッパで初めてのビットコインスポット(現物)ETFをアムステルダムのユーロネクストに上場した。ティッカーシンボルは「BCOIN」。ガーンジー金融サービス委員会により規制される。カストディはフィデリティ・デジタル・アセットが担当し、フロー・トレーダーズがマーケットメーカーとして働く。ジャコビは当初、21年にこのETFの認可を受け、22年に上場する計画だったが、暗号資産市場でのトラブルを理由に上場を延期していた。
ビットコインETFに注目が集まる理由とは?
米ブルームバーグが5月15日、金融大手ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)ETF部門のグローバルヘッドを務めるショーン・マクニンチ氏へ行ったインタビューによれば、ビットコインETFは今後10年で30兆ドル規模の巨大市場に成長する可能性があるという。クリプト・クアントリサーチ部長ジュリオ・モネロ氏はブラックロックなど大手投資ファンドのビットコイン投資により、ビットコイン価格が上昇する可能性があると指摘。同社キ・ヨンジュCEOはゴールドのETFのマーケット規模の変化を引き合いに、ビットコインETF承認後のビットコインマーケット規模の拡大を示唆していた。なお、日本ではビットコインETF等の仮想通貨投資信託商品は取り扱っておらず、購入はできない。
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