米国ダンボール需要減、景気後退を示唆

  • 米国の段ボール原紙生産量は2026年第1四半期に8%超減少し、過去2年で最大の落ち込みとなった。
  • ゴールドマン・サックスは景気後退の確率を30%と見積もる。ムーディーズは約50%と予測する。
  • 財務長官のスコット・ベセント氏は、米国が2026年に景気後退を回避すると強調した。
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米国の段ボール箱ビジネスが、近年で最悪となる四半期決算を記録した。ウォール街では再び「リセッション」の声がささやかれる。米国内の段ボール原紙生産量は2026年第1四半期に8%超減少した。最新のAF&PA(米紙・林産物協会)データで明らかとなった。

紙箱の出荷量も同時期に1.9%減少した。ファイバーボックス協会の統計で判明した。生産者各社は2025年以降、すでにおよそ1割の生産能力を削減済み。この縮小幅は2009年時よりも大きい。

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米リセッション懸念を映す「段ボール指標」

米国内の非耐久消費財の約75%は段ボール箱で出荷される。段ボール需要は、工場、小売、アマゾンの配送トラックの動向を即座に反映する指標とされる。

前米連邦準備制度理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン元議長も、この統計を注視していたとされる。過去のリセッション局面では、段ボール取扱量が10〜15%減少した例が多い。2008年の景気後退も同様のパターンだった。

一方、EC(電子商取引)依存の高まりで指標の位置付けが変化した。2020年の都市封鎖中も、オンライン注文が続いたことで段ボール需要は減らなかった。こうした例外が、現在の不調を読み解きにくくしている。

それでも2026年第1四半期の数字は、アナリスト予想を下回った。1月の出荷は前年同月比7%減。天候要因も影響した。2月は1.7%減。3月は3.4%増となり、下げ止まり感もうかがえた。

2026年第1四半期は過去2年で最大の段ボール原紙生産量減少となった
2026年第1四半期は過去2年で最大の段ボール原紙生産量減少となった 出典:Packaging Dive

今回の生産減少そのものは、新型コロナ禍後の在庫積み増しによる反動減の時ほど急激ではない。

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ウォール街の分水嶺

一方、ゴールドマン・サックスは3月、米国の12カ月以内のリセッション確率を30%へと上方修正した。原油価格の高騰や金融環境の引き締まりを指摘した。

ムーディーズのマーク・ザンディ氏はより高く、48.6%と推計した。ザンディ氏は「著しく高いリスク水準」と述べた。

「マーク・ザンディ氏(ムーディーズ)は、米国の雇用市場はすでにリセッションに突入している兆候を示している」とUnusual Whalesがザンディ氏のコメントとして伝えている

ウォールストリート・ジャーナルのエコノミスト調査では33%だった。一方、Polymarketにおけるベッターの見方は25〜28%の間で推移している。

Polymarketベッターによる米リセッション確率
Polymarketベッターによる米リセッション確率 出典:Polymarket

ゴールドマンのデービッド・ソロモンCEOは、現時点ではリスクが「大きく高まっている状況ではない」と投資家に語った。ただ「1つのSNS投稿」で大きく状況が変わる可能性に警鐘を鳴らした。

ただし、リセッション確率は2月に48.6%と、パンデミック以降で最高水準に達した。Polymarketでの群衆予想も3月に40%へと跳ね上がった。

今後の展望

それでも、米財務長官のスコット・ベセント氏はリセッション懸念を退けている。同氏は「2026年は非常に力強く、かつインフレなき成長を見込む」と述べた。

トランプ米大統領も「米国の黄金時代」を、関税と国内回帰により実現すると約束する。

一方、民主党は「生活コスト上昇と雇用の伸び鈍化が全く異なる現実を示す」と反論する。失業率は4.5%に上昇した。コンファレンス・ボードの景気先行指数も3カ月連続で低下した。

段ボール需要が今後の分岐点となる可能性がある。

  • 第2四半期の箱注文が回復すれば、「ソフトランディング」説が支持される。
  • 出荷が再び落ち込めば、グリーンスパン元議長の指標に警告が点灯。ささやきは叫び声になる可能性もある。

市場は何が最初に起こるかで見解が分かれている。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ、第1四半期のGDPサプライズ、あるいは新たなオイルショックが、経済の見通しを一変させる可能性がある。


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