分散型金融(DeFi)アグリゲーターDeFiLlamaによると、直近1年間、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)ブロックチェーンの取引手数料シェアにおいて、イーサリアムとトロンが全体の88%を占めている。
PoSのブロックチェーンは現在、約200プロジェクトが存在する。この内イーサリアムが取引手数料シェアの57%を占め、次点でトロン・ネットワークが31%を占める。190以上のブロックチェーンが、残り12%の市場シェアを分け合っている。
ブロックチェーン取引手数料、イーサリアムとトロンでシェア88%
米ブルームバーグ暗号資産(仮想通貨)部門のジェイミー・カッツアナリストは7日、ブロックチェーンの取引手数料を巡る状況について、X(旧Twitter)に投稿した。
驚くべきことに、過去1年間における取引手数料の88%は、わずか2つのブロックチェーンによるものだった。残りの取引手数料はわずか12%で、イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンが急速にシェアを伸ばしている
ジェイミー・カッツ氏X
カッツ氏によると、PoSのブロックチェーンは現在、ブロックスペースの過剰供給、インフレ的な供給計画を含む未熟なトークノミクス、べスティング契約の不履行など、様々な課題を抱えている。しかし、ブロックスペースの需要は弱気相場にもかかわらず「長期的な構造的上昇トレンド」にあるという。
べスティングとは:
一定の時期の経過に応じて権利を確定させる契約条件。開発者や初期コミュニティメンバーに対し、一定期間にわたって暗号資産を出金できない形態(ロックアップ)で行われるトークン・エアドロップが典型的なケース。
イーサリアムとトロンの市場シェア争いは激化
イーサリアムのネットワークにおける平均取引手数料は9月、歴史的な低水準となる1.15ドルを記録した。主な要因として、イーサリアムL2ネットワークや、中央集権型取引所(CEX)におけるイーサリアム取引の減少が挙げられる。
一方、トロン・ネットワークは6月から7月にかけて、月間のアクティブ・アドレス数でイーサリアムを大幅に上回っている。同指標は、トランザクションを実行するユニークなウォレット・アドレス数を集計したもの。ネットワーク需要を計測する重要指標とされ、アクティブ・アドレス数の増加はそのブロックチェーンの基軸通貨に上昇圧力をかける場合が多い。
本稿執筆時点で、イーサリアム(ETH)価格は前日比0.53%減の1619ドルで、トロン(TRX)価格は0.14%増の0.087ドル。
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