イーサリアム(ETH)で大口投資家(クジラ)による買い集積の動きが鮮明になっている。価格は1963ドル近辺で推移し、過去24時間で4.3%上昇した。長期の下降トレンドラインを上抜けてから約2週間が経過し、オンチェーンデータや米国の現物ETFへの資金流入など複数の指標が蓄積局面入りを示している。一方で、本格的な上昇相場を裏付けるには、なお確認すべき指標が残っている。
イーサリアムクジラ、年初来安値帯で勢力拡大
Glassnodeが追跡するクジラアドレスとは、1,000~10,000ETHを保有するウォレットを指す。この指標は6月初旬に4,750アドレス付近で底打ちし、4,850まで増加傾向を見せている。
一方で30日変化率は7月を通じて主にプラスを維持。短期的な急騰ではなく、継続的な蓄積を示唆している。
今回の動きは2025年10月時点とは異なる。当時はETHが過去最高値付近で推移し、クジラが急増した直後に上昇が反転したが、今回は年初来安値圏で大口による買いが進んでいる。
また、7月中旬には新規ウォレットによる5万ETHの買いも確認された。ETH/BTCレシオは6%上昇した。30日変化率が再びマイナスに転じれば、このシグナルは弱まる。
8週間ぶりにETFへの流入が復活
機関投資家の動きも同様の傾向を示す。米国現物イーサリアムETFのネットフローは、およそ8週間連続で流出が続いたが、7月に入りプラスへ転換した。
ファンドは7月24日までの週で1億399万ドルの流入となり、3週連続の流入を記録。Glassnodeのフローチャートでも今月はグリーンの棒グラフが多く見られる。
ただし規模は依然として控えめ。日次の流入額は数千万ドル規模で、2025年8月に見られた6億~10億ドルの日々には遠く及ばない。機関投資家の需要は戻ってきてはいるが、急騰という状況ではない。
日次の流出が再び継続的になれば、シグナルは再び弱気転換となる。
アクティブアドレスは依然として不足
ネットワークアクティビティは強気構図を複雑にする。Glassnodeによれば、イーサリアムの14日移動平均アクティブアドレス数は40万程度にとどまる。
この数値は、2026年2月の80万到達時や、6月の局地的なピークである約46万からも大きく遅れている。つまり、蓄積傾向が利用増によって裏付けられていない状況である。
また、群衆のセンチメントも極めて弱気に傾いている。ただしSantiment社はこうした極端な数値を逆張りシグナルとみなす。過去2回の極端な悲観局面の後、ETHは反発している。
ETHの価格予測 2,000ドル下限の攻防続く
日足チャートは現在、各シグナルの重要性を示している。2025年8月の過去最高値を起点とした下降トレンドラインは、これまで5回にわたりETHの上昇を阻んできたが、7月中旬のブレイクアウト時には、先物建玉残高が198億ドル近辺に膨らんでいた。
ETHはトレンドライン上抜け後、2週間にわたりその上で推移。現在は2,000ドル直下のレジスタンス帯を試す状況。心理的な節目となっている。
終値で2,000ドル超えが確定すれば、フィボナッチ0.618リトレースメントの2,438ドル付近が視野となる。これは現在価格より約24%上、5月の供給ゾーンとも重なる水準である。
一方、再びレジスタンスで反落となれば、フィボナッチ0.786(1,754ドル)やトレンドライン(1,600ドル付近)を再テストする可能性もある。その付近の緑色需要ゾーンは過去にも下支えとなってきた。
回復局面においても出来高が低下し続けている。これは蓄積期の特徴だが、ブレイクアウトを裏付けるものではない。クジラ、ETF、チャートのいずれかが価格を2000ドル超えへと押し上げるか、ETHは今回の上昇を始めた水準まで再び下落する可能性がある。









