グレースケールが運用する1600億ドル規模のイーサリアム・ステーキング型ミニETF(ティッカー:ETH)には、16万1000イーサが未稼働のまま残っている。新たな信託契約により、この未運用残高をゼロに近づける狙い。
今回の改定で、ファンドが保有するほぼすべてのコインをステーキングすることが原則となった。加えて、株主には定期的な現金配当も保証される。主要な税務期限直前に、この更新が実現した。
ステーキングが「原則」へ、特定目標から転換
グレースケールは8月6日に新たな信託契約を締結した。米SECの開示資料によるもの。猶予期限は極めて短かった。米国内国歳入庁(IRS)が定めた改定期限は8月10日、締結から4日後だった。
IRSの規則によれば、暗号資産ファンドはファンドレベルの課税を生じさせずに、ステーキングを行うことができる。ただし大きな条件を伴う。報酬は少なくとも四半期ごとに、株主へ分配しなければならない。
グレースケールの改定案はこれに応えるものとなった。ステーキング報酬は現金に換算して、毎月株主へ支払う計画。さらに条件を満たす場合、契約書ではファンドは
「一部例外を除き、ファンドが保有するすべてのイーサについて常時ステーキングを行う」
その例外には、各種手数料や換金需要、ネットワーク緊急時など実務上の要請が含まれる。
グレースケールEthereum ETF、大半のイーサをすでにステーキング
グレースケールは、米国初の現物型暗号資産ファンドにステーキングを導入した発行体である。2025年10月に初導入した。
この賭けは功を奏した。ミニETFはそれ以降、純報酬2730万ドルを獲得したと、グレースケールが公表。ステーキングによる純報酬は、手数料控除後、年率2.61%で推移する。
8月6日時点で、ファンド保有の83万9556イーサのうち、80.8%をステーキング済み。約16万1000イーサが償還や手数料、日々の運用用の「バッファ」として未運用のまま残る。
一方、競合他社は手数料や利回りで差別化を競う。モルガン・スタンレーは0.14%という手数料で、イーサリアムおよびソラナETFを新規設定。グレースケールの0.15%を下回った。インテーザ・サンパオロをはじめ、一部機関投資家が本年はステーキング型イーサリアム商品へ資金シフトする動きも目立つ。
イーサリアムは1,915ドル付近で推移、24時間比0.4%上昇。ステーキング利回りは小幅だが、価格上昇の恩恵に上乗せする形で安定した収益が見込める。
今後配当の増加が見込めるかは、この未運用バッファの動向次第となる。ステーキング比率が80.8%から更に増え全額近くまで運用されれば、分配可能な報酬も増加の見通し。近日中の開示資料から、その進展ペースが明らかになる。









