米CNBC「マッドマネー」の司会者ジム・クレイマー氏によれば、現在は企業のファンダメンタルズではなく、30年物米国債が株価に唯一最大の影響を与えているという。利回りが5.3%に接近し、住宅市場や借入コスト、株式のバリュエーションを圧迫していると指摘した。
クレイマー氏は、ゴールドマン・サックス時代の初期に受けた教訓を振り返った。デルタ航空に関してファンダメンタルに基づく見解を述べた際、教官から「見るべきは長期国債だ」と訂正されたという。
なぜ長期国債がファンダメンタルズを凌駕するのか
クレイマー氏は主張した。政府が保証する5.3%の利回りは、投資家に株式より「安全な選択肢」を提示している。この圧力により、航空会社などの資本集約型セクターは資金調達競争を強いられている。
「長期国債、つまり30年物米国債がすべてを支配している」
―ジム・クレイマー氏、CNBC
クレイマー氏の警鐘は、今年すでに見られた傾向を反映する。8月には国債市場の不安がアジアに波及し、投資家はビットコインや金に資金を移した。
同様の動きは8月下旬にもみられた。BeInCryptoは9月の危険なパターンとして、国債・株式・ビットコインの連動を報じた。
住宅市場圧迫と米国債供給の拡大
長期金利の上昇は住宅市場を直撃している。クレイマー氏によれば、住宅ローン金利が7%を突破し、新規の売り出しを抑制して買い手を遠ざけているという。
住宅は素材や賃金、小売消費など経済のほぼ全域に影響する。クレイマー氏は、波及効果により金利変動への感応度も高まると指摘した。
またクレイマー氏は、米国債発行の規模にも警鐘を鳴らした。長期国債の発行残高は約4兆5000億ドルに上ると述べた。
これは政府のバイバック(買い戻し)プログラムをはるかに上回る。クレイマー氏は「規模が小さすぎて利回りに影響しない」としている。また、追加の経済対策給付も財政赤字拡大の圧力になると指摘した。
この懸念は、BeInCryptoが最近報じた金利上昇が中間選挙で共和党投票率を脅かす構図とも重なる。
50歳以上の投資家について、クレイマー氏は米国債の利回りが低配当の株式を上回るとした。一方で、若年層の投資家はリスクの高い成長株をまだ保有できるとの見方を示した。
原油価格が高止まりする中、クレイマー氏はエネルギーコストと米国債利回りが引き続き各業種の明暗を分けると指摘。航空会社が最も影響を受けやすいとした。









