JPモルガンは、米連邦準備制度理事会(FRB)が12月に追加で1回の利上げを実施すると予想する。ただし、長期的な引き締めサイクルには至らない見通し。米国主任エコノミストのマイケル・フェローリ氏は、この予測の根拠として、供給ショックによるインフレ圧力を挙げている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は、政策金利誘導目標を3.75%から4%に引き上げた。9月16日の決定は全会一致(12対0)で、23年以来初めての利上げとなった。
JPモルガンが追加のFRB利上げを支持する理由
JPモルガンの報告書によると、今年は毎月、コア個人消費支出(PCE)物価指数が3%を上回った。FRBが重視する指標であり、食品とエネルギーを除外する。ただし、最近の結果では、物価の上昇率が予想以上に鈍化し、3.7%予想に対し3.4%となった。
フェローリ氏は、9月の利上げがFRBの信認維持にも寄与したと指摘する。ケビン・ウォーシュ議長はインフレ容認に繰り返し警鐘を鳴らしてきた。
JPモルガンの12月予測は、ドットプロット(政策金利見通しを示すチャート)の中央値と一致する。
「インフレ率は引き続き供給ショックに起因しており、来年にかけて利上げサイクルが長期化するとは見込んでいない」とフェローリ氏は述べた。
一方、同氏は9月の利上げが経済に浸透するまで時間を要するため、10月は据え置きの可能性にも言及する。既にニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁が「急ぐ理由はない」と示唆したことで、トレーダーは10月利上げ観測を後退させている。
ウォーシュ議長のタスクフォース、新たなFRBの情報発信も
ウォーシュ議長は今年末までに報告をまとめるため、FRB政策検証の5つのタスクフォース設置も指示した。JPモルガンは、金利予測には変化がないとみるが、注目される検証が3つある。
- コミュニケーションでは、ドットプロット廃止が検討される可能性。フェローリ氏はその実施に疑問を示し、代替手段がなければ透明性低下につながると指摘する。
- バランスシートでは、FRB保有資産の圧縮が議題になりうる。これはウォーシュ氏の意向。JPモルガンのグローバル金利戦略責任者ジェイ・バリー氏は、銀行規制や資金決済の大幅な見直しが不可欠とする。
- 生産性と雇用では、生成AIなどの影響を調査する予定。ウォーシュ氏はデフレ要因とみるが、JPモルガンは短期的な政策影響を見込まない。
ただし、こうした大きな変更にはFOMC全体の同意が必要なため、実現には時間を要する。
FRBの次回会合は10月28日と12月9日。暗号資産ファンドへの資金流入は先週、2026年で最大となる35億5000万ドルに達したとCoinSharesは報告する。追加利上げでこの需要が維持されるか注目される。









