野村ホールディングスの暗号資産(仮想通貨)ベンチャーキャピタル事業子会社レーザー・デジタルは10日、Web3のインキュベーションハブのWebNとともにポリゴン(MATIC)を活用した新たな機関投資家向けWeb3インフラ「Libre」を発表した。同プラットフォームは、オルタナティブ資産ファンドの流通を目的とし、代替投資管理の大手Brevan Howardとプライベートマーケット投資管理の大手Hamilton Laneが最初の発行パートナーとして名を連ねている。
Libreは、オルタナティブ投資の法規準拠発行および自動化されたライフサイクル管理を実現するために設計された機関投資家向けWeb3プロトコル。トークン化技術とスマートコントラクトを利用し、投資の効率的な実行、ライフサイクル管理、担保付き融資やSMAsの自動リバランスなどの付加価値サービスを提供する。
Libreは、Polygon Chain Development Kit(CDK)を活用し、CDK対応のレイヤー2ブロックチェーンでトークン化資産の発行が可能となる。LibreのCEO兼創業者のアフタル・セーラ博士は、2014年からビットコインおよびイーサリアム上での証券トークン化と実物資産を試みてきた先駆者であり、FCAのブローカーディーラーおよびカストディアンライセンスを持つNivauraの創設者でもある。
PolygonCDKのL2ネットワークと相互運用が可能に
Libreは24年第1四半期からの稼働を予定し、すでに複数の企業とのパートナーシップが結ばれている。APIを通じて、パートナーにはLibreの包括的なウェルスマネジメントサービス、データ、インフラストラクチャへのシームレスな統合が提供される。将来的にはPolygonCDKのL2ネットワークと相互運用可能になる見込み。
同社は23年11月、日本法人「Laser Digital Japan」を設立。9月には、機関投資家向けのビットコインファンド(BTC)「Bitcoin Adoption Fund」を立ち上げていた。米大手メディアFox Corporationは10日、AI生成メディアの増加に対応するべくPolygon Labsの協力のもと、オープンソースプロトコル「Verify」のベータ版を公開していた。
24年のトークン化の展望
米著名ベンチャーキャピタルのパンテラキャピタルは24年の暗号資産市場において、RWA(実物資産)のトークン化に関心を示した。これには伝統的金融(TradFi)の商品のトークン化も含まれる。同社は暗号資産がTradFi市場での露出を増やすことで、TradFi-DeFi間の橋渡しを実現し、投資家に流動性と多様性をもたらすと見ている。暗号資産税務管理サービスZenLedgerの24年分散型金融(DeFi)予測レポートによると、24年はテラの崩壊によりアルゴリズム型ステーブルコインへの関心が低下し、財務省債券など実物資産に裏打ちされたステーブルコインに注目が集まるという。
JPモルガンは11月、シンガポール金融管理局(MAS)のプロジェクトガーディアンの下でアバランチ(AVAX)とともにトークン化とスマートコントラクトを使用した概念実証(PoC)を実施していた。PoCではポートフォリオ管理の自動化と合理化を目指し、ブロックチェーン、スマートコントラクト、トークン化技術を活用。オニキス・デジタル・アセットのポートフォリオは、ウィズダムツリーが提供するトークン化されたファンドにアクセス可能となった。加えて、流動資産とともに、通常取引や管理が困難な代替資産の組み入れが可能となった。
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