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2024年注目の分散型SNSアプリ6選

17 mins
更新 Shota Oba

ヘッドライン

  • 分散型SNSの台頭:2024年は分散型SNSが注目を集める年となり、ユーザーのプライバシー保護とデータの分散管理を重視した新しいプラットフォームが登場しています。
  • 注目のアプリ:Bluesky、Mastodon、Phaver、Warpcast、Friend.tech、Damusなど、6つの分散型SNSアプリを紹介し、それぞれの特徴と将来性を詳しく解説します。
  • メリットと課題:分散型SNSの利点として、言論の自由やデータの安全性が挙げられますが、初期費用や使いやすさに課題があり、普及には時間がかかる可能性があります。

2024年は、分散型SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が注目を集める年となりそうです。従来の中央集権型SNSとは異なり、ユーザーのプライバシー保護やデータの分散管理を重視したこれらのプラットフォームは、より自由で安全なコミュニケーションを提供します。本記事では、24年に注目すべき分散型SNSアプリを6つ紹介し、それぞれの特徴や将来性について詳しく解説します。

分散型SNSとは?中央集権型SNSとの違いを解説

分散型SNSは、ブロックチェーン技術を活用してデジタル情報の共有を新たな基準にするソーシャルネットワーク・プラットフォームです。従来の中央集権型SNSは、FacebookやInstagramのように特定の企業がサーバーを管理していましたが、分散型SNSはユーザーが複数のサーバーを自由に構築し連携することで形成されます。これにより特定の事業者に依存しない「民主性の高さ」や、ユーザーが自由にSNSをカスタマイズできる「拡張性」が特徴で、新時代のスタンダードとして期待されています。初のブロックチェーンベースのソーシャルメディアプラットフォームは2016年にSteemブロックチェーン上で立ち上げられたSteemitです。

関連記事:分散型SNSの仕組み&メリットとデメリット

分散型SNSの仕組み

データの分散

  • データは通常、ブロックチェーン技術を用いて保存されます。ブロックチェーン技術はデータの改ざんを防ぐ仕組みです。
  • 特定のサーバーが攻撃されてもデータが失われない。

関連記事:ブロックチェーンの仕組みとは?暗号資産の根幹となるシステムをわかりやすく解説

管理の分散

  • ユーザー自身がサーバーを構築したり、データの管理に参加することが可能。
  • プライバシーを守るために、ユーザーが自分でデータを管理。

分散型SNSのメリットとデメリット:なぜ注目されるのか?

メリット

  1. 言論の自由が確保される
    • 中央管理者が存在しないため、ユーザーは自由に意見を発信できる。
  2. データの安全性が高く、プライバシーが守られる
    • ブロックチェーン技術やP2P技術により、データの正当性や一貫性を保つことができる。
    • 特定のサーバーが攻撃されてもデータが失われるリスクが低い。
  3. 新しいビジネスモデルの創出
    • トークンエコノミーを活用し、ユーザーがコンテンツ作成や貢献に対して報酬を受け取れる仕組みがある。

デメリット

  1. 初期費用がかかる場合が多い
    • NFTやトークンの購入が必要な場合があり、参加のハードルが高い。
    • ブロックチェーン技術利用に伴うトランザクション手数料が発生することもある。
  2. 使いづらい
    • ブロックチェーンの仕組みや暗号資産の取引に関する理解が必要。
    • 利用者が少なく、機能やエコシステムが限定的であることが多い。

分散型SNSの現状と動向

出典:Galaxy
  • 2016年に初の分散型SNSアプリであるSteemitがローンチされて以来、分散型SNSアプリは合計870万人以上のユーザーを獲得し、8200万件以上のトランザクションを処理してきました。
  • 2024年4月6日時点で、分散型SNSプラットフォームの月間アクティブユーザー数は約55万人です。このユーザー数は、過去1か月間に分散型SNSアプリのスマートコントラクトとやり取りしたユニークウォレットアドレスに基づいています。

各プラットフォームのユーザーシェア

分散型SNSの各プラットフォームのユーザーシェアを見ると、2021年6月にリリースされたレイヤー1ブロックチェーンDeSoが累計300万人のユーザーを持ち、最も多くのユーザー登録を誇っています。トップ5の分散型SNSプラットフォームが全体のユーザー登録の85%を占めています。最近の動向として、Friend.techは2023年8月のローンチ後、2024年1月までに80万人以上のユーザーを獲得しましたが、その後ユーザー数は減少しています。一方、Farcasterは2024年初頭にユーザー数が急増し、特に2月中旬にはトランザクション活動が急増しました。

ユーザー維持の課題

  • 分散型SNSアプリは、短期間で急成長するものの、中長期的にはユーザー維持に苦労する傾向があります。歴史的に、分散型SNSの活動は特定のアプリに集中し、短期間でのブームとバストのサイクルを繰り返しています。

2024年注目の分散型SNSアプリ6選

1:Bluesky

Blueskyは旧Twitterの共同創業者が立ち上げた、X(旧Twitter)と似たテキストメインの新しいSNSです。Blueskyは最大500文字までのテキスト投稿や画像の添付が可能で、いいね、コメント、リポストなどの基本的な機能がXに似ていますが、DMや予約投稿機能、広告がない点が異なります。また、Blueskyは分散型SNSであり、ユーザー自身が情報を管理し、データを維持したまま他のSNSへ移行することが可能です。Blueskyはオープンソースの「AT Protocol」を基盤としており、開発者が自由にコードを追加できるため、柔軟なカスタマイズが可能です。

BlueskyはiOSおよびAndroid向けに提供されており、誰でも無料で利用できます。公開前には約300万の登録があり、公開後24時間でユーザー数が400万を超えました。Blueskyのアルゴリズムはユーザーがカスタムフィードを作成できる機能を提供し、ユーザーは複数の異なるアルゴリズムに基づいたフィードを利用できます。収益モデルとしては、広告ではなく有料サービスを提供し、ユーザーがカスタムドメインを利用できる有料オプションなどがあります。

2:Mastodon

出典:Mastodon

Mastodonは、Twitterの代替として注目を集めるオープンソースの分散型SNSです。2016年にドイツのソフトウェア開発者、ユージン・ロシュコ氏によって設立され、非営利組織として運営されています。Mastodonは中央集権型のTwitterとは異なり、ユーザーが独自に運営する「インスタンス」と呼ばれるサーバーの集合体として機能します。各インスタンスは独自のテーマやトピックを持ち、ユーザーの投稿やプロフィール情報をホストします。ユーザーは興味に応じてインスタンスを選び、そのコミュニティの一員として参加します。

Mastodonの大きな特徴は、その分散型構造による高いプライバシー保護とカスタマイズ性です。ユーザーは、ハッシュタグやメンションを使って投稿をリンクさせ、興味のあるトピックについての会話を整理しやすくしています。また、各インスタンスは独自のルールやモデレーションポリシーを持ち、ユーザーが自身の価値観に合ったコミュニティを見つけやすくなっています。投稿は「トゥート」と呼ばれ、500文字までのテキストや画像、動画、リンクを含めることができます。分散型の特性により、企業によるデータ収集や検閲のリスクが低く、ユーザーにとってより安全で自由なオンライン環境を提供します。

3:Phaver

Phaverは、Lens ProtocolとWeb3技術を活用した分散型ソーシャルネットワーキングアプリで、他の分散型SNSとは一線を画しています。ユーザーは自分のオンラインソーシャルグラフを完全に所有し、プライバシーを保護しながらネットワークを構築できます。Phaverはスマートコントラクトを用いてユーザーが自分の情報を完全にコントロール可能にします。さらに、トークンやポイントを通じた報酬システムを導入し、ユーザーが自分のコンテンツから収益を得られる仕組みが特徴です。アプリのダウンロードとプロフィール作成で簡単に利用開始できる点も魅力です。

関連記事:スマートコントラクトとは?特徴や活用事例をわかりやすく解説

4:Warpcast

出典:Warpcast

Warpcastは、Farcasterの分散型ソーシャルプロトコルの一部として、暗号資産コミュニティで人気を集めています。Warpcastは、標準的なソーシャルネットワーク機能に加え、投稿内でアプリを実行できる「Frames」や、オンチェーンアクション用の通貨「Warps」を提供します。

Warpcastは、「十分に分散化された」ソーシャルアプリで、ユーザー投稿、フィード、検索、トレンド、ダイレクトメッセージなどの機能を持ち、インターフェースはTwitterに似ています。FarcasterのデジタルIDシステムを利用し、ブロックチェーン上でオープンなデジタルIDを提供、データの完全なユーザーコントロールを実現しています。WarpcastはiOSおよびAndroidで利用可能で、年間5ドルのサブスクリプション費用がかかります。オープンソースで開発者による機能拡張が可能で、DAOとトークンを通じたコミュニティガバナンスを目指しています。

5:Friend.tech

Friend.Techは、2023年8月にリリースされた分散型ソーシャルメディアプラットフォームで、イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンであるBase上に構築されています。ユーザーは自分の影響力をトークン化し、独自のソーシャルトークン「Keys」を発行・販売できます。これにより、発信活動から収益を得ることができ、Keys保有者は発行者とプライベートメッセージを交換したり、シェアの価格変動を利用した投資が可能です。

最近の動向として、2024年4月初めには取引や活動が急増し、Total Value Locked(TVL)は3440万ドルに達しましたが、ピーク時の5200万ドルからは減少しています。Friend.techはバージョン2がリリースされ、「マネークラブ」や新ポイントシステム、カスタムエンゲージメント指標などの新機能を導入されました。

6:Damus

Damus(ダムス)は、情報やデータは複数のノードに分散して保存され、中央管理者が存在しないため、ユーザーは個人情報を入力せずにアカウントを作成できます。投稿はブロックチェーン上に記録され、運営者による削除が不可能です。また、Damusはアカウントの削除や凍結が行われず、ユーザーが自分のデータやコンテンツを完全に管理できます。特に特徴的なのは、ビットコインウォレットを連携することで、ユーザー同士で投げ銭が可能である点です。これにより、他の分散型SNSにはない経済活動が実現されています。

関連記事:Damus(ダムス)とは?- ノストラを活用した分散型SNS

まとめ

分散型SNSは、従来の中央集権型SNSに対する課題を解決し、ユーザーにより大きな自由とプライバシーを提供します。技術的な障壁や初期費用の問題はありますが、トークンエコノミーやブロックチェーン技術を活用した新しいビジネスモデルの創出など、多くの利点があります。今後も分散型SNSの普及と発展が期待されるでしょう。

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Shota Oba
国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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