AIやデータ活用が加速する中、注目を集めているのがSolanaチェーン発の分散型物理インフラプロジェクト「Grass(GRASS)」です。ユーザーが未使用のインターネット帯域を提供し、報酬としてトークンを受け取れるユニークな仕組みや、280万人超を対象にした大規模なエアドロップが話題となりました。今後の成長性や活用シーンにも期待が高まっています。
本稿では、仮想通貨Grassの概要から購入方法、対応取引所、今後の展望までを初心者投資家にもわかりやすく解説します。
仮想通貨Grassとは?
Grass(グラス)は、Solanaブロックチェーン上で展開される分散型物理インフラ(DePIN)プロジェクトです。ユーザーの未使用インターネット帯域幅(Wi-Fiなど)を企業に貸し出すことで、報酬としてGRASSを得られる仕組みを提供しています。
この帯域幅は、主にAIモデルのトレーニング用データ収集(Webスクレイピング)に活用され、Grassネットワークは巨大企業に依存しないユーザー参加型の知識基盤(AIデータレイヤー)の構築を目指しています。GrassトークンはSolana系のSPLトークンであり、コントラクトアドレスはGrass7B4RdKfBCjTKgSqnXkqjwiGvQyFbuSCUJr3XXjs
です。
トークンの発行上限は10億枚と定められており、2024年10月に実施された初回エアドロップ「Airdrop One」では、そのうち10%(約1億枚)が配布されました。このエアドロップには、世界中から約280万ユーザーが参加し、史上類を見ない規模の配布となりました。
初回エアドロップは2024年10月28日に実施されており、今後は第2弾のエアドロップ(残りのインセンティブ約17%分)も予定されています。Grassトークンはこうした広範な配布と独自性のあるプロジェクト内容によって注目を集めており、価格もエアドロップ後に急騰するなど、話題性の高い存在となっています。
関連記事:暗号資産エアドロップ参加方法と安全対策
仮想通貨Grassの特徴
- ユーザー主導のデータ収集:ユーザーはGrassアプリケーションやブラウザ拡張機能を通じてネットワークに参加し、未使用の帯域幅を提供することでデータ収集に貢献します。
- AIトレーニングデータの提供:収集されたデータはAIモデルのトレーニングに活用され、高品質なデータセットの生成に寄与します。
- 報酬システム:貢献度に応じてGrassポイントが付与され、これらは後にGRASSトークンと交換可能です。
- プライバシーとセキュリティ:ユーザーのプライバシーを重視し、個人情報や閲覧履歴は追跡・保存されません。
仮想通貨Grassを取り扱っている主要取引所一覧

GRASSは、複数の暗号資産取引所で取引可能です。以下に主要な対応取引所を一覧にまとめます。
取引所名 | 種類 | GRASS取扱状況 | 特徴 |
---|---|---|---|
Bybit | 中央集権型(CEX) | GRASS/USDTの現物ペアあり | 日本語対応あり・手数料割引プログラム |
BingX | 中央集権型(CEX) | GRASS/USDTの現物ペアあり | 日本語対応あり・多様な取引機能 |
KuCoin | 中央集権型(CEX) | GRASS/USDTの現物ペアあり | 幅広い銘柄と堅牢なセキュリティ |
Raydium | 分散型(DEX) | GRASS/SOLプールで購入可 | Solanaネットワーク上の主要DEX |
Orca | 分散型(DEX) | GRASS/SOLプールで購入可 | Solanaチェーン上で高い流動性を提供 |
Jupiter | 分散型(DEX集約) | 各DEXからGRASSにスワップ可 | Solana系DEXを横断した最適レートで取引可能 |
Grassの購入を検討される場合は、上記の取引所の中からご自身のニーズに合ったものを選択し、公式サイトで最新の取引状況や手数料などを確認してください。
取引所選びのポイント
- セキュリティと信頼性
- 過去にハッキング被害がないか
- 資産の補償制度があるか
- 運営実績が十分か(大手の取引所ほど安心)
- 取引手数料
- 取引ごとの手数料率やスプレッドを確認
- 頻繁に売買する場合は手数料の安い取引所が適している
- 日本居住者への対応
- 日本語サポートの有無
- 利用規約上、日本から利用可能か(※一部海外取引所は日本IPからのアクセスが制限される場合あり)
- 流動性(出来高)
- 取引高が多い取引所ほど、狙った価格で売買しやすい
- GRASSの出来高が確保されている取引所(例:BingX、bybitなど)を選ぶ
- サービスの幅
- ステーキングや他のアルトコイン取扱いの有無
- 将来的に他の仮想通貨も取引する場合、総合力の高い取引所が便利
まずは主要なCEX(中央集権型取引所)で口座を開設し、安全にGRASSを購入するのがおすすめ。その後、必要に応じてDEX(分散型取引所)も活用すると、より自由度の高い取引が可能になります。
国内取引所での仮想通貨Grassの取扱状況

現時点(2025年4月)では、Grass(GRASS)は国内の暗号資産取引所では上場・取扱がありません。 ビットフライヤー、コインチェック、GMOコイン、bitbankなどの国内取引所でも売買不可のため、Grassを入手するには海外取引所を利用する必要があります。そのため、日本居住者がGrassを購入したい場合、まず国内取引所でBTCやUSDTなどの元手となる暗号資産を用意し、それを海外取引所に送金してGrassを購入する方法が一般的です。今後、国内での上場が実現すれば直接購入できる可能性もありますが、2025年4月時点では国内取引所では購入不可である点に注意してください。
仮想通貨Grassを購入できるおすすめの海外取引所

海外の取引所で購入する場合は、以下のリストおすすめの取引所として紹介しています。
Bybit
- 概要: Bybitは使いやすさとセキュリティで知られる人気の暗号資産取引所です。
- 特徴: 多機能なトレーディングプラットフォームで、フィアットから暗号資産への購入も可能です。取引手数料も競争力があり、0.1%程度です。
- 利点: 日本語にも対応しており、ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供しています。
KuCoin
- 概要: 幅広い暗号資産を取り扱い、セキュリティも高い取引所です。
- 特徴: 取引手数料が0.1%と安く、広範な購入方法が用意されています。
- 利点: 多様な暗号資産の取り扱いがあり、流動性が高いため、スムーズな取引が可能です。また、ステーキングやレンディングなどの機能も充実しています。
BingX
- 概要: 幅広い暗号資産を取り扱い、利便性が高い海外取引所です。
- 特徴: ユーザーフレンドリーなインターフェースで、新規ユーザーにも使いやすいつくりです。
- 利点: マージントレードやその他の高度な取引機能が利用可能です。
仮想通貨Grassの購入手順(Bybit編)
以下に、海外暗号資産取引所のBybitを使用した具体的な購入手順を紹介します。
国内取引所の口座を開設

- 国内暗号資産取引所(例: bitFlyerやCoincheck)で口座を開設し、暗号資産(例: リップル / XRP)を購入します。
海外暗号資産取引所の口座を開設

- Bybitの公式サイトにアクセスし、アカウント作成手順に沿ってを作成します。
- 必要な情報を入力し、本人確認(KYC)手続きを完了させます。
国内取引所からXRPをBybitに送金

- 国内取引所で購入したXRPをBybitに送金します。
- Bybitアプリを開き、「資産」タブから「入金」を選び、XRPの入金先アドレスを確認します。
- 国内取引所の出金手続きを行い、確認したアドレスにXRPを送金します。
BybitでXRPをUSDTに売却

- Bybitで「XRP/USDT」ペアを選択します。
- 成行注文でXRPをUSDTに売却します。これにより、GRASSを購入するためのUSDTが手に入ります。
売却したUSDTでGRASSを購入

- Bybitアプリの検索バーで「GRASS」と入力し、「GRASS/USDT」ペアを選びます。
- 初心者であれば成行注文(マーケット注文)で現在価格で即購入するのが簡単です。
- 数量(USDT建ての購入額 or GRASS枚数)を入力し、買いボタンを押せば注文が成立します。
- 指値注文で特定の価格まで下がるのを待って購入することも可能です。
仮想通貨Grassを購入できるおすすめの分散型取引所(DEX)
GRASSの取引には、分散型取引所(DEX)も重要な選択肢となります。以下に代表的なDEXの特徴を紹介します。
Raydium
- 概要:Solana上の老舗AMM型DEXで、DeFiユーザーからの信頼が厚い。
- 特徴:
- Orderbook統合:Serumベースのオーダーブック流動性とAMM流動性の両方を統合。
- LP参加が簡単:2つのトークンを預けて流動性提供が可能、報酬も得られる。
- トークン上場も活発:新興プロジェクトのトークンが早期に取引可能になるケースも多い。
- 利点:
- 高速・低手数料のSolanaを活用。
- 取引画面も洗練されていて、UXが高い。
- Jupiterとのルーティング連携もあり、価格競争力がある。
Orca
- 概要:Solanaにおける最もシンプルかつエコシステム寄りのDEX。
- 特徴:
- **Whirlpool(集中流動性)**導入済:効率的な流動性供給が可能。
- Swap特化UI:初心者にも優しいインターフェースで、トークン交換がスムーズ。
- コミュニティ密着:エコフレンドリーなイメージとマスコットでブランド認知が高い。
- 利点:
- UIが直感的で初めてのDEX利用に最適。
- Grassのような新トークンも比較的早期にリストされる可能性がある。
- アグリゲーターとしてJupiterと併用されるケースも多い。
Jupiter
- 概要:Solana最大のDEXアグリゲーターで、価格最適化ルーティングを実現。
- 特徴:
- 複数DEX横断の最安価格探索:Raydium、Orca、LifinityなどSolana上のあらゆるDEXを統合。
- スワップ手数料が最小化されやすい:ユーザーにとって最もお得な価格ルートを自動選択。
- 多機能:スワップ、リミット注文、ブリッジ(Wormhole経由)など機能が豊富。
- 利点:
- GrassがどのDEXで扱われても、Jupiterで自動的に最適なルートが選ばれる。
- テクに詳しくないユーザーでも、簡単に使えてコストパフォーマンス◎。
- 最新トークンにも迅速に対応する傾向がある。
仮想通貨Grassの購入手順(Raydium編)
GrassはSolanaチェーン上の分散型取引所(DEX)で、自分のウォレットを使って直接購入することも可能です。以下にその手順を解説します。
RaydiumでGRASSをスワップする準備ステップ
- Solanaウォレットを用意する
– Phantom(日本語対応・ブラウザ拡張型)またはSolflareがおすすめ
– インストール後、Solanaメインネットを選択しておくこと - SOLを入手してウォレットに送金
– DEXでのスワップにはSOLが必要(ガス代&取引通貨)
– 国内外の取引所でSOLを購入し、自分のウォレットへ送金
– 送金時は「Solanaネットワーク」とアドレスミスに注意 - Raydiumにアクセスしてウォレットを接続
– https://raydium.io にアクセス
– 「Connect Wallet」からPhantomなどを選び接続
– 成功すると、残高などが画面右上に表示される - GRASSトークンを選択する(仮想)
– スワップ画面で「From」にSOLまたはUSDCを選択
– 「To」でGRASSを選ぶ(リストにない場合は手動追加)
– 手動追加用コントラクトアドレス:
Grass7B4RdKfBCjTKgSqnXkqjwiGvQyFbuSCUJr3XXjs
– 正しく入力すればGRASSトークンが表示される
関連記事:おすすめの暗号資産ウォレット5選|ソラナ(SOL)編
1. スワップ画面へ移動

Raydiumのアプリを開き、トップナビゲーションメニューから「Swap」を選択します。その後、ウォレットを接続してください。
2. トークンを選択

スワップしたいトークンをドロップダウンメニューから選択するか、トークンのミントアドレスを直接入力してください。本ガイドでは、SOLからRAYへのスワップを例に説明します
3. スワップする数量を入力

スワップしたいトークンの数量、または受け取りたい数量を入力し、「Swap」ボタンをクリックしてください。
4. トランザクションの完了を確認

取引が承認されると、新しい残高が反映されます。ただし、表示が更新されるまで数秒かかる場合があります。スワップ後、PhantomにGRASSが表示されない場合は、手動で追加します。Phantomの「カスタム追加」機能を使い、上記のコントラクトアドレスを入力してGRASSを表示させましょう。
スワップ時の重要ポイント
- 価格インパクト(Price Impact)を確認し、大規模スワップや流動性の低いプールでは「最小受取額(Minimum Received)」もチェックすること。
- スリッページ許容値(Slippage Tolerance)を適切に設定し、予想価格と実際の約定価格の差を管理する。設定はスワップ画面の右上や設定パネルから変更可能。
エラー発生時の対処法
「TimeOut」エラーが表示された場合、トランザクションがブロックチェーンに到達していない可能性がある。取引の成功率を上げるには、優先手数料(Priority Fees)を増やすことで承認されやすくなる。ただし、過剰な設定は無駄なコストにつながるため注意が必要。
今後の展望:2025年のSionフェーズとGrassの進化

Grassは2024年にユーザー数が300万人を突破し、1.96億ドル相当のトークンを配布するなど急成長を遂げました。2025年は“定義づけの年”と位置づけ、次の段階に向けたロードマップが発表されています。
Sionアップグレードによるネットワーク最適化
2025年初頭に導入された「Sionフェーズ1」により、データ処理速度は従来比60倍に向上。あまりの急成長で一部のノードが処理不能になる場面も発生しました。今後はPhase 2以降で、さらなる低遅延化とノードの分散化が進められる予定です。
AI検索体験の強化
GrassはAI企業向けのデータ提供にとどまらず、2025年は一般ユーザー向けの「マルチモーダル検索」機能に着手。テキスト・画像・音声・動画を横断検索できるインターフェースの開発を進めています。動画内のシーン検索や音声のキーワード抽出なども視野に入っており、Grassの利便性は大きく広がる見通しです。
水平スケーリングとノードの性能向上
ネットワーク全体の処理能力強化に向け、「水平スケーリング」を採用。データシャード構造により、トラフィックの増加にも対応できる設計に進化中です。また、デスクトップノードの導入により、各ノードの安定性と性能も強化されつつあります。
コミュニティ主導へのシフトと透明性向上
2024年にはトークン分配に関する批判もありましたが、Grassは創業者による定期的なセミナー開催やコミュニティ提案の導入により、透明性の確保に取り組んでいます。将来的にはDAO的な運営体制も視野に入れており、ユーザーが主体となるプロジェクトへの転換が進んでいます。
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まとめ:用途に合わせたGRASSの購入先を選ぼう

Grassは、使われていないインターネット帯域を活用し、分散型でAIインフラを構築するという壮大な構想を掲げています。2025年の各フェーズが実現されれば、GRASSトークンの需要やプロジェクト価値にも大きなインパクトを与えるでしょう。購入を検討する場合は、用途に合わせて常に購入先やプロジェクトの公式発表や最新のアップデートを確認することをおすすめします。
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