北朝鮮のハッキンググループ「キムスキー」が、マルウェア開発や攻撃手法へのAI技術統合を模索し、現地でAIツールを構築・試験していると、韓国のサイバーセキュリティ企業Geniansが月曜日に発表した。
同グループは生成AIを用いて偽装文書を作成したとみられる。Geniansによると、キムスキーは既存のAIモデルを攻撃活動に組み込む能力を開発中である。
キムスキーが活用する現地AIツールの内情
キムスキーは北朝鮮の偵察総局の下部組織として活動する脅威グループ。米財務省は2023年、同グループを国家管理の諜報部隊として制裁対象とした。
調査チームは、キムスキーがOllama、GPT4All、MstyなどAIモデルを現地で動作させるための複数のツールをインストール・設定した証拠を発見した。
Geniansは、現地処理を行うことで、機密情報や盗取データが外部AIサービスに送信されるリスクを低減できると指摘。同研究者らはまた、AIモデルが特定文書から情報を取得できる「RAG(検索強化生成)」の活用も確認した。
Geniansはさらに、AIエージェントフレームワーク、音声認識ソフトウェア、AI支援型コーディングツール「Cursor」が関連インフラ上で発見されたことも特定。同社はこれらのツール群が、マルウェア開発、データ分析、攻撃自動化へAIを統合する取り組みを支えていると分析する。
「これらの調査結果をふまえ、国家支援型ハッキンググループ『キムスキー』に関係する脅威アクターは、単なる試験にとどまらず、AI技術をマルウェア開発や攻撃手法の高度化など、実際の脅威活動へ積極的に統合する方法を継続的に研究していると評価される」との報告書が公開された。
暗号資産偽装文書から自動化へ
同グループは投資レポートを模倣した、AI生成とみられる金融や暗号資産に関する偽装文書を使ったという。
その他、北朝鮮関連の複数の攻撃組織が、AIと暗号資産に特化した攻撃を役員やエンジニアに対して行っている。こうしたグループによる暗号資産の窃盗被害額は、2025年に20億2000万ドルに上ったと業界統計が報告している。
Geniansは2つの能動的リスクを指摘。RAGは盗まれた文書から有用な情報を抽出でき、音声認識ツールは盗取した音声を検索可能なテキストに変換しうる。
一方、Geniansはキムスキーによる現地AIの取り組みは、あくまで技術が運用をどう支援するかの知見獲得と研究を主眼とすると分析。同グループが独自AIモデルを訓練した証拠は確認されていないとした。
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