ロシア中央銀行は15日から、ロシア版CBDC(中央銀行デジタル通貨)となるデジタルルーブルの試験運用を開始する。国内13銀行と限定された顧客が参加し、デジタルルーブル初の消費者向けパイロット試験となる。
ロシア中央銀行は当初、デジタルルーブルの消費者向けパイロット試験を2024年に予定していたが、23年に前倒しすると表明していた。4月開始を目指していたが、デジタルルーブルの民間決済を合法化するデジタルルーブル法の法案制定に遅れが生じ、延期していた。ウラジーミル・プーチン大統領が7月にデジタルルーブル法へ署名し、8月から同法が発効されたことで、今回の消費者向けCBDCパイロット試験が実現する。
ロシア版CBDCとなるデジタルルーブルは、国内決済の高度化とクロスボーダー決済の対応を目指している。このことから、デジタルルーブル発行の目的は、独自の国際送金手段を増やすことにあると思われる。22年2月に始まり継続中のウクライナ侵攻を受け、欧米諸国はロシアの一部銀行を国際銀行間の送金決済システムSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除するなどの金融制裁を継続中。日本もSWIFTからのロシア排除に加わっている。
ロシア中央銀行のオルガ・スコロボガトワ第一副総裁は「ロシアのウクライナ侵攻をめぐる欧米の金融制裁により、中銀はデジタルルーブルの開発を加速させた」と過去に発言している。
消費者向けパイロット試験の第1段階では、デジタルルーブル専用ウォレットの導入、市民間のデジタルルーブル送金、QRコードによる商品・サービス支払いなどが行われり。ロシア国内11都市にある、小売店30店舗でデジタルルーブル決済が可能となる。なお、今年末までにパイロット試験参加者を企業にも拡大するもよう。スコロボガトワ副総裁によると、市民や企業にデジタルルーブルが普及するのは早くても2025年になるとのこと。
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