ソラナ(SOL)のバリデーターは2つの供給提案について投票中である。1つはデスインフレーション率の引き上げ、もう1つはSOLのバーン増加を目的とする。
両提案が可決された場合、今後6年間で想定発行量が約14億〜15億ドル減少する見込み。それがソラナの価格にどのような影響を与えるか、他のプロトコルの事例が参考になる。
ソラナの投票内容
ソラナのステーキング利回りは約5.25%で推移している。主にプロトコル・インフレーション3.78%程度から成り、残りはトランザクション手数料や最大抽出可能値(MEV)から供給される。
SGP-0002は、技術提案SIMD-0550に対応し、インフレ率のスケジュール短縮を図るものである。インフレーションを抑制するデスインフレーション率の引き上げが柱となる。
「デスインフレーション率を年率-15%から-30%に倍増し、ソラナの最終インフレ率1.5%到達時期を約5.7年から2.8年に短縮する。達成時期は2032年上半期から2029年上半期に早まる」と21Sharesは説明している。
この案が採用されると、名目上のステーキング利回りは初年度に約4.34%へ低下。2年目は3%、3年目は2.25%へ下がる。
SGP-0003は、SIMD-0553に基づき、ソラナの現在の5000ランポート署名手数料を2つに分割する案である。ブロックリーダーへの2500ランポート基本インクルージョン手数料と、リソース消費量に応じたリソース手数料(これはバーンされる)に区分される。
「現状のネットワーク活動水準では、1日あたりのSOLバーン量は約600〜800SOLから7500〜9000SOL(8月24日時点で71万2500〜85万5000ドル)に膨らむ。供給圧縮は加速するが、現状の1日あたり約450万ドルのインフレを単独で相殺するには至っていない」とブログは付け加える。
投票はエポック1023まで継続される予定。21Sharesによれば、両提案は2年以内にステーキング利回りを概ね半減させ、資産を「構造的に希少」なものにする可能性がある。
イーサリアムとコスモスの事例との比較
21Sharesは、今回のソラナ供給圧縮提案で市場がどう反応するかをみる上で、過去の2つのアップグレードを参考事例として挙げている。
コスモス(ATOM)の提案848は、2023年11月に最大インフレ率を引き下げた。このときATOMは1か月で25%、3か月で10%上昇した。ただしこの期間は、ビットコイン(BTC)現物ETF承認への期待が高まった時期とも重なる。
イーサリアムのEIP-1559は、2021年8月にバーンメカニズムを導入した。ETHは1か月で37%、3か月で60%上昇した。ただし市場全体の上昇基調が値上がりを後押ししたタイミングで、市場サイクルのピークにも近かった。
この2例から、供給圧縮型アップグレードがトークンの投資ストーリーを後押しすることはうかがえる。一方で市場環境全体の影響が価格に及ぼすインパクトはより大きい。
「両例とも、短期的な値動き(1〜3か月)は資産圧縮シグナルと良好な市場環境の複合要因による可能性が高い。アップグレード単独ではない。また直後の6〜12か月の下落は、アップグレードとは関連性が薄い。ETHの場合は2022年の弱気相場入りと米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ、ATOMの場合は2024年夏の全体的な低迷が主因」と同チームは指摘する。
21Sharesは、SOL保有者にとって、こうした過去例は上昇傾向のシグナルとなり得るものの、必ずしも同様の値動きを保証しないと示唆する。
SOLは本稿執筆時点で101ドル近辺で推移。直近1週間で約20%上昇したが、これはガバナンス投票ではなく市場全体の上昇に連動する動きである。
両提案は、自動的にプロトコル仕様を即時変更するものではない。承認されれば開発者に委任され、技術作業と実装時期は今後決まる。
ホルダーにとっては今後2点が不透明。変更案がメインネットに到達するか、供給締め付けが現行の上昇トレンドをさらに延長するか、答えが出るまで数か月を要する。
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