トランプ米大統領の5000ドル給付案、ビットコインに追い風か

  • トランプ氏は、共和党が中間選挙で勝利すれば、米国民1人当たり5,000ドルを給付する計画を示した。この政策の費用は約1兆2,000億ドルにのぼる見通しだ。
  • 過去の米国給付金支給後、ビットコインの購入額が増加する傾向が確認された。
  • この約束は今後も議会の承認や法的・財源面の課題を抱え、実現しない可能性もある。
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トランプ米大統領が、11月の中間選挙で共和党が議会の多数派を維持した場合、すべての成人米国民に5000ドルを給付する「トランプ配当」を提案した。総額は約1兆2000億ドルに達する見通しで、実現すれば巨額の現金給付が米国経済や金融市場、ビットコインなど暗号資産に影響を及ぼす可能性がある。

ダラスで開かれた共和党大会でトランプ氏は、11月の議会選挙で共和党が多数派を維持すれば、成人の米国民に5000ドルを給付する方針を表明した。選挙結果と現金給付を結びつける構想には議論の余地があるものの、過去にも米政府による大規模な現金給付を受け、金融市場は大きく反応してきた。

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とりわけ、余剰資金の流入やインフレへの懸念が強まれば、ビットコインを含む暗号資産市場にも資金が向かう可能性がある。過去の現金給付では暗号資産市場も上昇する場面があり、今回の「トランプ配当」が実現すれば、ビットコインの価格形成にも影響を与える可能性がある。

トランプ氏とバイデン氏による現金給付の歴史
トランプ氏とバイデン氏による現金給付の歴史 出典: TradingView

市場にとっての「フリー・マネー」か

2021年1月、ジョー・バイデン米大統領は、ジョージア州の有権者に対し、ジョン・オソフ氏とラファエル・ワーノック氏を当選させれば2000ドルの給付金が実現すると訴えた。両氏が勝利し、民主党が上院を制した。その後、バイデン大統領が1400ドルの給付に署名し、以前の600ドルを加えて合計2000ドルを完了した。

市場はこれに反応した。クリーブランド連銀の調査では、トランプ氏が施行した最初のコロナ現金給付(1200ドル)が2020年4月に支給された直後、ビットコイン購入が大幅に増加したことが判明。BTCの取引量は約3.8%増加し、その後の1カ月で価格も急騰した。

株式市場でも同様の効果がみられた。NBERの研究によると、米国で最初の2度の現金給付は、個人投資家が好む銘柄の買いを押し上げ、株価の上昇につながった。

その後、2021年3月にバイデン政権が1400ドルの現金給付を実施。ビットコインはすでにブルランの最中だったが、発表から数日で5万6500ドル程度から6万ドル超へ上昇。S&P500も翌月にかけて上昇した。

ただし、現金給付が必ず相場の上昇をもたらすとは限らない。

歴代共和党大統領も同様の戦略

ジョージ・W・ブッシュ大統領は、2001年と2008年にも税還付を実施。ただし、ドットコムバブルの崩壊や9.11、金融危機によって株価は下落を続け、家計への現金給付による効果は相殺された。

コロナ禍では、米国民に突如まとまった可処分所得が入ると、その一部がリスク資産に直接流れるという教訓がより分かりやすく示された。

トランプ氏が約束する5000ドルは、個人へのコロナ給付としては過去最大となる。

実際に実現するかは不透明だ。議会の承認が必要となる。JDバンス氏は、高所得者層の除外や関税収入の活用も示唆するが、現時点の関税収入では費用を大きく下回る。

現時点では選挙公約にとどまっている。極めて高額な公約である。

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